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チェルノブイリ原発事故の清掃にあたった名もなきヒーローたちを描く「Chornobyl Liquidators」,6月6日のリリース決定
2020年10月に「Chernobyl Liquidators Simulator」というタイトルで制作が発表された本作は,チェルノブイリ(ウクライナ語でチョルノービリ)原発事故をテーマにした一人称視点のシミュレーションゲームだ。1986年4月6日,現在のウクライナにあったチェルノブイリ原子力発電所の4号炉で,テスト中に水蒸気爆発を伴う大規模な原子力事故が発生。近隣地域はもちろん,東欧や北欧まで高濃度の放射能が拡散するという,重大な結果を招いた。
プレイヤーは,この大事故に対応した消防隊員として火災に挑み,放射線測定技師として,住民が脱出したプリピャチ(プルィープヤチ)の街でフォールアウト(放射性降下物)と戦い,防護服を着てシャベルを持ち,汚染された黒鉛を取り除くという。
基本的に,与えられたミッションを淡々とこなしていくことになるが,途中でプレイヤーに道徳的な判断を迫る場面が出現し,会話や見つけた資料などから,この原子力発電所で何が起きたのかの真実に迫っていくようだ。
Liquidatorとは,「清掃人」のことだ。ソビエト連邦政府は当初,事故を隠蔽しようとしたため正確な数字は残っていないが,IAEA(国際原子力機関)の推定では,ウクライナ人消防士に加え,ロシアやベラルーシなどから駆り集められたLiquidatorたち約60万人が現場の清掃作業にあたったという。うち28人が,最初の3か月以内に急性放射線症で死亡し,1人が心停止で亡くなった。
ゲームを開発するLive Motion Gameは,街のパン屋を経営する「Bakery Simulator」や,古びた鉄道駅をリフォームする「Train Station Renovation」,工兵として爆発物の解体などに挑む「Sapper - Defuse The Bomb Simulator」など,比較的ライトなシミュレーションを作ってきたスタジオだ。
すでに3年以上も開発が続けられてきた「Chornobyl Liquidators」は,そんな同社のタイトルの中では異色とも呼べるシリアスな切り口の作品になりそうだ。
Steamのストアページによれば,テキストとインタフェースが日本語にも対応するとのことなので,目に見えない放射線や理解のない上層部に立ち向かった名もなきヒーローたちに興味のある人は,リリースを楽しみにしてほしい。
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Chernobyl Liquidators
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