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「機動戦士ガンダム 戦場の絆II」試遊レポート&プロデューサーインタビュー。開放型の新筐体で,MSによる迫力のバトルが展開
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印刷2020/10/28 19:00

プレイレポート

「機動戦士ガンダム 戦場の絆II」試遊レポート&プロデューサーインタビュー。開放型の新筐体で,MSによる迫力のバトルが展開

 バンダイナムコアミューズメントが2021年に稼働を予定している注目作「機動戦士ガンダム 戦場の絆II」(以下,戦場の絆II)。2020年10月29日〜11月1日には,東京・namco池袋店と大阪・namco梅田店でロケテストが行われるが,それに先駆けてバンダイナムコアミューズメント本社でメディア向け体験会が行われた。

画像集#007のサムネイル/「機動戦士ガンダム 戦場の絆II」試遊レポート&プロデューサーインタビュー。開放型の新筐体で,MSによる迫力のバトルが展開

 前作「機動戦士ガンダム 戦場の絆」は,2006年に稼働を開始した「モビルスーツ」によるチームバトルを楽しむタイトルだ。
 プレイヤーは,アニメの世界から飛び出してきたようなコックピット型筐体「P.O.D.型筐体」に乗り込み,両手両足で操作する2つのレバーとペダル,そして主観視点によるゲーム画面により,実際にモビルスーツの操縦席にいるかのような体験を楽しめる。
 稼働当初は,特殊な筐体がガンダムファン以外の層にも話題となり,長い順番待ちが当たり前になるほどの人気を博した。その後,ゲームの舞台は「機動戦士ガンダム」から「機動戦士ガンダムNT」といった宇宙世紀後期にまで広がっていき,14年を経た現在も愛され続けている。

「戦場の絆」公式サイトより,P.O.D.型筐体とターミナル。P.O.D.型筐体は席に乗り込んで扉を閉める方式で,外界から遮断される
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 バンダイナムコアミューズメントは本日,アーケード向けコックピット型チーム戦術バトルゲーム「機動戦士ガンダム 戦場の絆II」第1弾PVキービジュアル新筐体を公開した。また,新実装となる機体カテゴリーごとの特殊アクションや,MSデッキシステムなどの紹介も行っている。

[2020/10/28 19:00]

 そんな「戦場の絆」の続編が本作「戦場の絆II」である。今回はゲームの試遊に加えて,プロデューサーの塚田夢人氏へのミニインタビューを行う機会が得られたので,その様子をお伝えしていこう。

「機動戦士ガンダム 戦場の絆II」の新筐体
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キービジュアルもジオン軍版(左)と連邦軍版(右)の2種類
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 まず筐体の外観を見て驚いたのが,P.O.D.型筐体ではなくなっていることだった。P.O.D.型筐体はドーム型の小部屋に入ってドアを閉じる,いわば“閉鎖型”だったが,新筐体は小部屋やドアが存在せず,外から3面のスクリーンとシートが見える“開放型”となっていたのだ。

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新筐体は開放型のコクピット
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新ターミナル。現金を使う場合はここで決済する。筐体の時間貸しにも対応しており,ターミナルからの申し込みが可能だという

ボイスチャットは自分でインカムを持ち込む方式。備え付けの「シートインカム」はないようだ
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電子マネーがあれば,筐体で決済ができる。コイン投入口は用意されていない
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 ただ,実際に始めてみると,P.O.D.型筐体の時と同様にすんなりとゲームへ没入していった。43インチのフルHDモニターが3枚設置されているのに加え,さまざまな場所に備え付けられたスピーカーからの音響により,臨場感は抜群。そして何より,レバーとペダルの操作感が「戦場の絆」と同じだったため,すぐに操作に慣れることができた。

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 また,グラフィックスの進化は著しい。モビルスーツについては,装甲板の継ぎ目が表現されていたり,各所にマーキングが施されていたりするなど,描写がかなり細かい。そんな敵モビルスーツが大きなモニターにバン! と表示されるうえ,こちらを見つけると突進してくるのだから迫力がある。
 筆者は,ザクIIで敵のガンダムと戦うハメになってしまったのだが,その細かなディテールに見惚れていると,ビームライフルやビームサーベルといった当時のジオンからするとオーバーテクノロジー気味な武器で容赦なく攻撃してきた。
 ザクマシンガンやヒートホークでいくら攻撃しても平然としているし,筆者のザクIIはあっという間に撃破されてしまった。まさに“連邦の白い悪魔”だ。いちジオン兵の気分を体感できたのに加え,初期の「戦場の絆」でガンダムと対峙したあの時の恐怖が蘇る。

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 体験プレイ終了後は,「戦場の絆II」について,プロデューサーである塚田夢人氏にお話を伺うことができた。筐体を開放型にした意図や本作における新要素などを時間の許す限り聞いてきたので,最後まで目を通してほしい。

「機動戦士ガンダム 戦場の絆II」プロデューサー 塚田夢人
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4Gamer:
 よろしくお願いします。JAEPO2020で制作を発表してからの反響はいかがですか。

塚田夢人氏(以下,塚田氏):
 反響は大きかったですね。公式Twitterで公開している情報もたくさんリツイートいただいていますし,10月29日から東京と大阪で行われるロケテスト(関連記事)にも多くのご応募をいただきました。

4Gamer:
 「戦場の絆II」では,前作からどういった部分を変えようと思われましたか。

塚田氏:
 14年稼働していると,遊びに拡張性がなくなってきていました。作中の時代も「機動戦士ガンダムNT」まで進んでおり,このままの運営で新しい喜びを提供するのも難しいという部分があったんです。そこで,世界観の再定義とハードウェアのパワーアップ,新要素の追加を行い,“絆らしさ”をもう一度見直そうということになりました。

4Gamer:
 “絆らしさ”というのはどういった部分でしょうか。

塚田氏:
 みんなで遊ぶチーム戦を,「機動戦士ガンダム」のモビルスーツに乗って楽しむのが“絆らしさ”ですね。今だからこそ,1つの場所に集まってみんなで遊ぶ喜びを追求しているんです。

4Gamer:
 今回は一年戦争初期からの再スタートとなるようですが,ほかのガンダムゲームのように,アナザーや平成といった別シリーズをミックスしたオールガンダム的なものとする選択肢はありましたか。

塚田氏:
 一年戦争の時代を扱うという以外の選択肢はなかったですね。「戦場の絆」シリーズは“モビルスーツで遊ぶサバイバルゲーム”であると同時に,“とても重い物体が動き回る非日常感”を表現するタイトルなので,一年戦争の機体が一番分かりやすいんです。例えば「機動戦士ガンダムSEED」の機体ですと,当たり前に空を飛び回るので,別の遊びになってしまいます。

4Gamer:
 「戦場の絆」といえば,P.O.D.型筐体も大きな特徴でした。今回,周囲を囲む壁がないオープン型にモデルチェンジしたのはどういった理由でしょう。

塚田氏:
 P.O.D.型は当時の最善であり,現在であればよりリアルなものが作れるだろうということでこの形にさせていただきました。今回は「機動戦士ガンダム 第08MS小隊」など映像作品の設定画を用い,一年戦争におけるモビルスーツの操縦席を再現しています。
 P.O.D.型は閉鎖感が好評だった一方,周囲のお客様には画面が見えないため,ゲームの内容が伝わりづらいところもありました。多くの方に遊んでいただくため,オープン型にするというチャレンジに踏み切ったんです。

 僕自身も「戦場の絆」をかなりやりこんでいて,閉鎖型の良さも十分に理解していますし,閉鎖型がオープン型に劣っているというわけでもありません。ただ,今回は現在の時勢に合わせ,アーケードという場を活性化させるためにオープン型という異なる形を提唱させていただきました。遊んでいるとギャラリーがついたり,その場にいるみんなで盛り上がれるのもアーケードゲームらしさだと思いますし,そうしたところを復活させたいという思いがありました。

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4Gamer:
 筐体を開発するうえでの苦労はありましたか。

塚田氏:
 オープン型の筐体でP.O.D.型と同じ感覚を提供させていただくため,モニターについては細かな角度まで検証しつつ開発していきました。
 また,スピーカーの位置や,どの効果音をどのスピーカーで鳴らすかといった音響面でもこだわっています。例えば,モビルスーツの足音や,建物が崩れた際の音は足元にあるスピーカーから出していますし。機体が水中に潜った際は音響も変わりますよ。

ヘッドレスト(左)と足元(右)のスピーカー
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4Gamer:
 プレイの操作感が「戦場の絆」そのままなのに驚きました。

塚田氏:
 レバーとペダルについては,「戦場の絆」のP.O.D.型筐体と同じものを使っています。この点は「戦場の絆」をプレイしてくれた方々に,自分の操作技術や感覚を活かせるゲームであると思ってほしかったので,変えないようにしました。

レバーとペダルは前作と同じものが使われている
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4Gamer:
 グラフィックスも高解像度になったうえ,建物が崩れるなど表現も派手になっています。多人数対戦ゲームとしてのプレイアビリティと,リッチな表現を両立させるのは難しいことだと思います。

塚田氏:
 はい,めちゃくちゃ苦労していますね(笑)。画面の綺麗さと,「戦場の絆」を遊んでいた方が続編として納得してくださるプレイ感のバランスが大事だと考えています。解像度を上げるだけではゲームが重くなって遊びに影響を及ぼしてしまいますので,今も両方のバランスをギリギリで見極めながら開発を進めています。
 あと細かい点なんですが,今回は敵モビルスーツがこちらをロックオンすると,モノアイやデュアルカメラが光ります。モノアイについては,こちらを追尾してぎょろりと動くんです。ぜひとも敵に見つけられてドキッとする感じを味わってください。


4Gamer:
 ゲームで変化した部分について教えてください。

塚田氏:
 機体カテゴリーごとの個性を活かす「カテゴリーアクション」と,複数機体を組み合わせて出撃する「MSデッキシステム」,機体の武装やカラーを自由に設定できる「カスタマイズ」が大きな変更点ですね。

4Gamer:
 「カテゴリーアクション」とはどういうものなのでしょう。

塚田氏:
 「カテゴリーアクション」は,機体のカテゴリーごとに新アクションが追加されるようなイメージです。格闘型はブーストやジャンプで格闘モーションをキャンセルできる「ブーストキャンセル」,近距離型は盾で敵の攻撃を一定量防ぐ「シールド」,射撃型はタイミング良く入力することで連射できる「ジャストショット」,砲撃型は砲の角度を変える「仰角調整」となっています。中でもシールドは,耐久力はありますが,敵の射撃と格闘の両方を防げるので,「射撃・格闘・タックル」の3すくみに新たな一手が加わる形になります。構えたまま歩いたり,射撃できたりするので,非常に強力な防御手段です。

格闘型の「ブーストキャンセル」(左)と,近距離型の「シールド」(右)
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射撃型の「ジャストショット」(左)と,砲撃型の「仰角調整」(右)
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4Gamer:
 「MSデッキシステム」とはどういうものなのでしょう。

塚田氏:
 予め最大3機のモビルスーツで「デッキ」を組んでおき,乗り換えられるというものです。乗り換えは撃破された際と,自軍拠点の近くにいるときに可能です。後者は輸送機を要請しなければならないので,時間がかかりますし,しばらく無防備になってしまいます。とはいえ,デッキの組み方次第では,戦況に合わせたカテゴリーの機体を選べますので,うまく使えば役に立つと思います。もちろん,タンク職人の方はデッキ全部を砲撃型にするというこだわりを見せるのもアリです。

自由に機体を組み合わせて出撃する「MSデッキシステム」
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4Gamer:
 デッキの組み方にも個性が出そうですね。

塚田氏:
 それに加えて機体毎の個性を表現できるのが「カスタマイズ」です。カラーリングを自由に変えることができ,チームで色を揃えたり,ダメージパターンで歴戦の勇士ぶりを表現したりするなど,楽しんでいただけます。また,今回は武装もカスタマイズが可能です。「戦場の絆」では機体ごとに使える武装が決められていましたが,今回は報酬として入手した武器を複数の機体に持たせることができます。

「カスタマイズ」では,カラーリングや武装を変更可能
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4Gamer:
 武器選択の幅が広がるわけですね。

塚田氏:
 武器についてはかなり頻繁に手に入るので,モチベーションも持続すると思います。また,同じ武器がダブっている場合“コストが上がるかわりに,その武器の性能もアップする”といったシステムも検討中です。沢山武器を手に入れないと戦えないのではなく,できることが広がるというバランスにしていきたいです。

4Gamer:
 続報に期待しています。最後に読者へメッセージをお願いできますか。

塚田氏:
 ゲームの根幹は「戦場の絆」らしいものであると同時に,高精細な画像で描かれるモビルスーツと戦場の臨場感を描き,没入していただけるものになっています。シリーズがまだまだ進化していく可能性を感じていただければ凄く嬉しいです。

4Gamer:
 ありがとうございました。

※掲載している画像やシステムは開発中のものです。

「機動戦士ガンダム 戦場の絆II」公式サイト

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    機動戦士ガンダム 戦場の絆II

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