プレイレポート
「新すばらしきこのせかい」プレイレポート。スピード感溢れる爽快なバトルと謎に満ちたストーリー,独特のテイストで描かれるリアルな魅力
渋谷の街で繰り広げられる「死神のゲーム」でトップを目指す
舞台となるのは,日本の渋谷の街だ。マップは「スクランブル交差点」「スペイン坂」「センター街」などリアルにおける渋谷と同じようにエリア分けされ,それぞれの特徴的な街並みが,独特のパースの付いたシリーズ特有のテイストで再現されている。
ストーリーの冒頭にて,同級生のフレットといつものように渋谷に遊びに来ていた主人公のリンドウは,死神を名乗る少女・ショウカと出会い,街で繰り広げられる「死神のゲーム」に強制的に参加させられてしまう。
このゲームは,現実世界と似て非なる次元・UG(アンダーグラウンド)で繰り広げられるもので,7日間行われる。参加者はチームを組み,ゲームマスターのシイバから連日出されるミッションのクリアを目指す。
ミッションの内容は,本作のエネミー「ノイズ」の討伐や謎解きなど。メタ的な説明を加えるならば,アクションRPGということもあり,ミッションの最終過程では基本的にボスバトルが発生する。
そうしたミッションでポイントを稼ぎ,ほかのチームを抑えて最終日にトップに立てば,何でも願いが叶うという。その一方で,最下位のチームは消滅してしまう。
そこでリンドウ達のチーム「ツイスターズ」は,現実世界に戻るという願いを叶えるべく,果敢にミッションの達成を目指すのだが……。
本作をプレイするうえでキーとなるのが,前作にも登場した「スキャン」だ。スキャンを発動すると,街行く人々の思考を読み取れるようになり,それが謎解きのヒントになることもある。
またスキャン発動中は,ノイズのシンボルを認識できる。シンボルに触れると,その形状に応じたノイズが実体化し,バトルに移行する。
スピード感のあるバトルは,ボタン同時入力の活用でより爽快に
本作のバトルは,チームメンバーが装備した「バッジ」を使って戦う。バッジはメンバー1人につき1個装備可能で,それぞれ異なるサイキック(攻撃手段)と攻撃力,属性が設定されている。
また各バッジには,操作ボタンが[□][△][L1][R1][L2][R2]の中から1つ割り振られており,さらに連打,チャージ(長押し),ホールド(押しっぱなし)のいずれかの操作方法が設定されている。
つまり,あるキャラクターが攻撃するためにどのボタンをどのように押すか,それによって何が起こるかは,すべてバッジに依存し,それがメンバーの人数分用意されるというわけである。最初は操作ボタンが被ってしまうバッジは装備できないが,ゲームを進めるとその制限も解除されていく。
バトル中は,各ボタンを押すと,そのバッジを装備したメンバーに操作が切り替わる。移動や回避を行えるのは操作中のメンバーのみだが,ほかのメンバーも追従して動き,後述するシンクロ率を上げるために操作メンバーを頻繁に切り替える必要があるのであまり意識する必要はない。
シンクロ率を上げるには,ノイズにサイキックがヒットしたときに,バッジによってそれぞれ設定された条件を満たす必要がある。条件を満たすと円形の「シンクロゲージ」が表示され,その表示中に別のメンバーがサイキックをヒットさせると「シンクロコンボ」が発動し,シンクロ率が上がっていく。
シンクロ率が100%に達すると,画面右下に「マッシュアップバッジ」が表示されるので,[○]を押せば強力なサイキック「マッシュアップ」を発動できる。
こうして説明だけを追っていると,メンバーの切り替えとかシンクロ率を上げるとか,何だか複雑そうに思えるかもしれないが,本作はボタンの同時入力(=メンバーの同時攻撃)が可能なので,実は通常のノイズとのバトルではほとんど何も考えなくても大丈夫だ。
例えば4人チームのときは,[△]または[□]連打操作が1人,[L1]または[R1]チャージ操作と[L2]または[R2]ホールド操作がそれぞれ1〜2人という編成が,筆者にはマッチした。
この編成だと,中指で[L2][R2]を押しっぱなし,人差し指で[L1][R1]を長押しして頃合いを見て指を離す,右手親指で[△]または[□]を連打,左スティックで適当に移動という操作を繰り返しているだけで,次々にノイズを倒せて,シンクロ率もどんどん上がっていき,何度もマッシュアップを放てるという爽快なプレイを体験できる。
ただ,特殊な大技を放ってくるボスなどとのバトルにおいてはこの限りではない。大技の予兆が見えたら,一旦攻撃を止めて各メンバーの位置取りを調整する必要があったり,回避に徹する必要があったりする。
また各バッジにはエネルギーの残量を示すゲージがあり,サイキックを発動するごとに減少していく。ゲージがゼロになると,一定時間のクールダウンを経てリブートするまでサイキックが使えなくなる。爽快だからといって本当に何も考えずにサイキックをぶっ放していると,メンバー全員が何もできずに逃げ回らなければならない時間が生じてしまうこともあるので,最低限のリソース管理は必要だ。
大技の予兆が見えたら,攻撃の手を緩めて様子を見たほうが良い |
ボス以外のノイズが大技を使ってくることも |
加えてバッジによりサイキックのモーションやリーチ,付与効果も異なる。筆者が好んで使ったのは中〜長距離攻撃ができるサイキックを発動でき,かつ打ち上げやスタンなど足止め効果を付与するバッジだ。これらの効果の付与は,シンクロゲージ表示の条件に設定されていることも多いので,シンクロ率を上げるのにも役立つ。このように,バッジの効果や連携をしっかり意識すれば,より有利にバトルを進められるというわけである。
「死神のゲーム」を中心とする謎めいたストーリー展開。前作とのつながりも?
本作のもう1つの重要な要素が,謎解きだ。謎解きは,ツイスターズの各メンバーが持つ独自のサイキックを駆使して進めていく。
フレットのサイキック「リマインド」は,街の人々が忘れている記憶を思い出させることができる。
ストーリーの進行に沿ってツイスターズに加入するナギのサイキック「ダイブ」は,街の人々に取り憑いたノイズを祓うというもの。取り憑かれた人の心の中に入り込んでノイズを祓う(討伐する)ことにより,その人本来の言動や考え方を取り戻すことができる。
また特定メンバーのサイキックではないが,リンドウ達は「インプリント」で特定の人物の行動や考え方を変えられる。インプリントを成功させるには,街の人々の発言やスキャンした思考などからキーワードを集め,それらを正しく組み合わせる必要がある。
そしてリンドウのサイキック「リスタート」は,少し前の時間に戻ることができるというものだ。具体的には,ストーリーを進めていく中で得た情報を時間を遡って活用することで過去を改変し,リンドウ達にとって有利な未来を切り開いていくという能力である。
これらのサイキックを使って,リンドウ達がゲームを有利に進めていることに気づく者もいるが,詳細までは把握していないようだ。なぜリンドウ達が死神のゲームに巻き込まれ,特殊なサイキックを使えるのかは,本作における謎の1つとなっている。
謎と言えば,ツイスターズの一員としてなぜかリンドウ達に協力してくれるミナミモトの存在もそうだ。作中の言動から何らかの目的を果たすために行動している節がありありと見て取れるが,前作をプレイした人なら,そもそもこの人物がゲームの参加者として登場しただけで「何か裏がある」と思うことだろう。
そのほか本作には,バッジの収集および育成・進化や,ノイズ図鑑のコンプリート,フードアイテムやファッションアイテムを使ったリンドウ達のステータス強化,ショップでのアイテム購入や,困っている人を助けることによる街の人々との関係構築など,さまざまなやり込み要素が存在する。
筆者は,効率的な攻撃のできる汎用性の高いバッジの組み合わせの追求といった戦術面でのやり込み要素も好きなのだが,やはり死神のゲームを中心とする謎めいたストーリーの展開には引き込まれた。
前作をプレイした人であれば,ニヤリとしたり「おっ」と思わされたりする部分もストーリー上にふんだんに用意されている。逆に本作で初めてシリーズに触れるという人も,スピード感のあるバトルや,死神のゲームを軸とする世界観に斬新さを感じられるはず。本作に興味を持っている人は,ぜひプレイしてほしい。
「新すばらしきこのせかい」公式サイト
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CHARACTER DESIGN:TETSUYA NOMURA & GEN KOBAYASHI & MIKI YAMASHITA
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