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インタビュー
今年の秋が危ない――新作「貞子M」の真相を,古びた井戸の横で,関係者たちがポツリポツリと語る
鈴木光司氏の小説を原作とする映画「リング」から生まれた,ジャパニーズホラーの代名詞たる存在“貞子”は,1990年代から長らく恐怖と人気を集め続け,日本を悪夢のドン底に突き落としてきた。
そんな貞子が今秋,ゲームでも呪いを振りまきはじめる。
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グラビティゲームアライズが2021年秋に配信する,新作スマホゲーム「貞子M 未解決事件探偵事務所」(iOS / Android。以下,貞子M)。
本作は,T大学付属高校連続死事件の犠牲者の姉「紅葉巴杏(あきばともな)」と私立探偵「岩井賢二」の力を借り,プレイヤーが事件の真相を探るアドベンチャーパートと,2頭身アバターを操り,貞子から逃げながら謎解きに挑むアクションパートを備えたアプリだ。
その特徴は“ゲームオリジナル設定の貞子”にあるとか。
今回は華々しく発表された貞子Mについて,本作プロデューサーの神崎喜多氏とディレクターの菅原 亮氏に話を聞いてきた。
愚かにも,古びた井戸の真横で。
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「貞子M 未解決事件探偵事務所」公式サイト
「貞子M 未解決事件探偵事務所」事前登録ページ
“新たな貞子”を見せつける
4Gamer:
外は今夏初の猛暑日ですが,本日は冷えるお話を聞かせていただけるとのことで,まずは自己紹介からよろしくお願いします。
神崎喜多氏(以下,神崎氏):
プロデューサーの神崎です。これまでゲーム業界の大手2社を経由し,約1年前に縁あってグラビティゲームアライズに入社しました。
弊社は2019年7月に新設された,GRAVITY(※)の日本支社でして,これまでもゲームパブリッシングをいくつかやっていますが,貞子Mは我々主導の開発企画事業の第1弾作品として送り出すものです。
※ガンホー・オンライン・エンターテイメントのグループ会社。PC向けMMORPG「ラグナロクオンライン」などの開発会社として有名
菅原 亮氏(以下,菅原氏):
ディレクターの菅原です。僕もグラビティゲームアライズには約1年前に入社しました。神崎とは前職でのゲーム開発からの付き合いで,当時もアシスタント的なことをやっていたので誘われました。
彼は昔から,いろいろとむちゃくちゃする人でしたので,スタッフやトレンドやKPI(重要業績評価指標)など雑多な面でサポートしています。実務的には,ディレクターとプロデューサーの境目もないです。
4Gamer:
端的に言って,菅原さんにとって神崎さんは恩師のような?
菅原氏:
うーん,恩はありますし,学びもありますが,師ではない。お世話しなきゃいけない面倒なオジさんって感じでしょうか。
むちゃな原動力で前に進むエンジンとしては優秀なのですが,突き進む以外できないんですよ,彼。だから進路に残していったわだちを「あーヤバイヤバイ」って思いながら掃除するのが,昔から僕の役目で。うちの開発企画事業部にせよ,まだ僕と神崎とあと2名しかいませんし。
神崎氏:
彼からはいつも,勘違いこじらせオジさんって呼ばれてます。
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4Gamer:
なるほど。よいご関係のようで。
それでは最初に,貞子Mの簡単な説明をお願いします。
神崎氏:
貞子Mは“未解決のT大学付属高校連続死事件”の謎に迫るアドベンチャーパートと,アバター操作で謎解きに挑むアクションパートの2軸で楽しんでいただくスマホゲームです。
ゲームの流れとしては,ホラー系ミステリーの物語を読み進めながらヒントを獲得し,アクションプレイで事件の解決に挑んでもらい,それらの根幹に関わる“貞子の存在”に迫っていくものとなります。
T大学付属高校にて、4人の高校生が変死体で見つかった。
しかし、犯人は見つからず未解決事件として3年が過ぎた。
1人目の犠牲者の姉、紅葉巴杏(あきばともな)は、ある時、岩井賢二という私立探偵に出会う。
そこから、T大学付属高校連続死事件の真相に迫る。
4Gamer:
貞子Mの制作には,どのような経緯があったのでしょう。
神崎氏:
Jホラー代表とも言える貞子のIP力に着目し,僕らから版元のKADOKAWAさんへお声がけさせてもらいました。当初はもっとカジュアルな企画で,物語性が低いミニゲームのような想定でしたが,KADOKAWAさんとの話し合いのなかで「ゲーム独自のオリジナルな世界観を作ってほしい」と提案されたので,ストーリーの強化を決めました。
というのも,貞子の魅力を生かして,ゲーム独自の世界観をとなると,シナリオを作る以外の選択肢がなかったんですよね。
4Gamer:
貞子のゲームと聞くと,たしかにIPの取り扱い的にも「カジュアルなミニゲームかな」……などとイメージしやすいかもと。
そこを一歩踏み込んで,内容の充実を図ったと。
神崎氏:
内実として“貞子Mは「貞子」というキャラクターIPのみを許諾”していただいておりますので,過去の貞子作品で扱われた設定・世界観とは異なる切り口を用意する必要があった,というのも前提にあります。
そこで貞子の怖さの根幹を捉えつつ,ゲームオリジナルの設定にする,つまるところ「新たな貞子を見せるゲーム」となりました。
4Gamer:
かの有名なあの呪いの伝達でも,近い存在と戦い合ったあれでもない,ゲームならではの貞子。版元がオリジナル路線を許可するのは意外に聞こえますが……まあ,過去の貞子を考えると,逆に納得かもとも。
神崎氏:
設定はしっかりと練って,KADOKAWAさんと相談してOKをいただいています,しかし「貞子がどう現れ,どう関わるのか」はネタバレでもあるので,まずは続報でいろいろ想像いただければと思います。
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4Gamer:
謹慎・不謹慎は別の話……と予防線を張りつつ,貞子の呪いというのは「現代のコロナ禍」に通じるものもありますが,そのあたりは?
神崎氏:
まんまではありませんが,近しい設定はのちのち出てきます。
4Gamer:
ネト○リか,アマ○ラか。現代風はいろいろありそうな。
菅原氏:
貞子と事件との関わりはミステリーとしてのネタバレになってしまうので,ここで多くは語れませんが。皆さんもよく知るなんらかの媒体をとおして貞子が出現する,といった事象もいくつか存在します。
4Gamer:
ここまでミステリーと表現していますが,そこも一点。
おそらく多くの人たちは「貞子M 未解決事件探偵事務所」という名称と,スタイリッシュなキービジュアルを目にしたとき,ホラーより,ミステリーやサスペンスの印象が先立ったのではないでしょうか。
神崎氏:
そのあたりはまず,企画時の市場調査から話しましょう。
弊社の調査によると,日本における貞子の認知度は7割。「2人に1人は知っている」と言っても過言ではない存在でした。他方で「ゲームでホラーの潜在需要」となると,残念ながら狙うのが難しくて。当然,いくつもの本格ホラーゲームタイトルの人気は把握していますが,ならスマホゲーム市場では? となると……期待値は冷え込みますよね。
4Gamer:
一般的な印象ではと前置きしつつ,ホラーはまあ,まあ……。
一方でミステリーだと,多種多様な間口につながりますね。
神崎氏:
それにですね,例えばこの菅原は怖いものが大好きですが,僕は怖いものがダメなんです。僕は貞子Mを作ることになって,まずは開発チームで神社にお祓いに行きました。そのあと菅原は1回だけですが,僕はもう数えきれないほど神社を回りました。
そういう好き嫌いが遊んでくれる人たちからも絶対に表出してくることを踏まえて,貞子Mでは「ホラーは“演出だけ”にしましょう」という落としどころを設けています。怖さの好き嫌いがあっても楽しんでいただけるよう,物語の流れはミステリーで,謎に迫ったタイミングでホラーが顔を出す。恐怖が四六時中続く内容にはしていないんです。
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4Gamer:
ホラー演出にも絵面でドッキリ,音響でジワジワなどありますが。
神崎氏:
ええ,ホラージャンルもパニックやスプラッタなど種類が豊富ですよね。その点,貞子Mでは痛さや不快さにつながる表現は排除し,「見えない先になにかいる」「後ろからヒタヒタ迫ってくる」など,日本の心霊体験らしい,静かな恐怖をホラーの定義としました。
菅原氏:
サウンド面もBGMというより,ギイギイ鳴る扉に,なにかがペタペタ近づく足音など,環境音にこだわって雰囲気作りをしています。
4Gamer:
そんな物語において,貞子の比重はどれくらいでしょう。
菅原氏:
物語は章仕立てとなり,各章で「○○ミステリー」といった主題の路線変更をはじめ,人物の視点やロケーションも変えていきます。
そのうえで,物語の起点となる1章は貞子づくし。そのあとの根幹ももちろん貞子ですが,話が進むにつれ“超能力者としての貞子”という側面も,大きく取り扱っていくことになります。
4Gamer:
いわゆる貞子はなぜ貞子になったのか,とかの部分。
神崎氏:
貞子Mなりの解釈で,貞子を描いていくつもりです。
キービジュアルに描いた紅葉巴杏も岩井賢二も,主人公であるプレイヤー自身も,ホラー作品でアワアワする役回りではなく,すでに起こった変死事件の解決に乗り出す立場として,それらを追っていきます。
4Gamer:
イメージとしては,その2人と協力するバディ物のような?
神崎氏:
いや,岩井に関しては……本編のお楽しみということで。
4Gamer:
そういう。しかし,巴杏などのキャラクターデザインはキレがあって,とてもカッコいいですね。こちらはどなたが描いているのですか。
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神崎氏:
キャラデザは実は,有名イラストレーターに頼んだものではなく,僕の知人に描いてもらいました。巴杏は僕が原案を起こしたものの,タッチの雰囲気はすべてその人のセンスにお任せしています。
ただ,その人は他社に所属しているので,個人としての記名はせずに,クレジットには所属会社の社名を使わせてもらっています。
4Gamer:
それでもなお,その人に描いてもらいたかった理由が?
神崎氏:
名前が世に知られていなくても絶対にイイものを作ってくれると確信していましたし,なにより「仕事がしやすい」ですし(笑)。
4Gamer:
なんと言われようと,うなずくしかない理由です。
類型のない作りだから,賭けだし挑戦だし
4Gamer:
もう一つの主軸,アクションパートの特徴も教えてください。
菅原氏:
仕様的にざっくり説明しますと,物語を進めると依頼や調査が舞い込んでくるので,そこで謎解きアクションに挑んでもらいます。アクション攻略の進行に応じて,コンテンツや機能も開放されます。
アクション中は,キャラクターを操ってマップ内を調べ,ギミック解除などの謎解きでクリアを目指してもらいますが,その途中,貞子に追いつかれ,霊障を受けて正気が保てなくなるとゲームオーバーです。
神崎氏:
謎解きは「解法が求められるもの」にしていくので,プレイヤーに優しい近年のゲームなどと比べると,ショックなゲームオーバーを迎えることもありえます。ゲーム開始からしてチュートリアルではなく,けっこうな量のプロローグをテキストで読んでもらう作りですし。
ただ謎解きという性質上,クリア後に「何度も楽しんでください」とは言いづらいので,繰り返し遊べるゲーム性の類いはサブクエストを充実させ,成長要素の楽しさもそこで掘り進めてもらう設計です。
4Gamer:
成長要素はどんなものなのでしょう。
菅原氏:
プレイヤーアバターには特殊能力が異なる「職業」,細かなパラメータの差異,能力上昇ありで強化可能な「アバター衣装」に,自分好みの方向に成長させられる育成ボード「能力解析」システムがあります。
それと体験版では未実装ですが,日本の英雄や怪異などをモチーフとした守護霊を呼び出す「護符」も存在します。
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4Gamer:
直球ですが,それらが有料要素となるのでしょうか。
菅原氏:
今秋配信に向けて調整中ですが,その予定です。
というのも,本作は物語が大きな比重を占めていますが,現代のゲーム市場で「お金を払ってストーリーを読ませる」のはまず無理です。そのため有料要素は,アバター関連にするしかないと判断しました。
神崎氏:
仮に「例えば似たゲームはなんですか?」と聞かれても,貞子Mに近しい構造のゲームってあまり思い浮かばないんですよね。探せばあるとしても,それが伝わるかどうかは別の話ですし。
貞子Mは良くも悪くも,コンシューマゲーム機のアドベンチャーゲームチックな骨格なので,菅原にもよく悩んでもらっています。
4Gamer:
そういうところがお世話のしどころなわけで。
ちなみに,アクション部分はマルチプレイも“今後実装”だとか。
菅原氏:
そこもマネタイズのキモです。1人で遊ぶゲームだと,能力値に魅力があってもアバターのオシャレ自体の求心力は高くありませんが,ほかの人と遊ぶゲームだと,自他の見た目に特色を出したくなる人は多いので,マルチプレイは運営の安定化のためにも必須と見ています。
それにマルチプレイは,「1人でクリア可能なクエストをただ4人に遊んでもらう」というわけではなく,それぞれの役割やコミュニケーションの楽しさがある「4人だから面白い内容」にするつもりです。
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4Gamer:
でもローンチ時点では未実装で,今後実装と。
菅原氏:
面白い作りにしたいあまり,いろいろと要素を詰め込んだ結果,現状の開発版に移行するのがちょっと間に合いそうになくて。
実際,現行のマルチプレイを社内でテストプレイしたところ,みんなでやると内容を知っていても楽しかったんですよ。4人で貞子という恐怖に立ち向かい,おのおの役割分担して課題をこなし,ワイワイはしゃいだりする楽しさ。それはきちんと作り上げられました。ですが……。
神崎氏:
プレイヤー同士のコミュニケーションの問題が挙がりまして。
現状,ゲーム内にはエモート(感情などをアイコンで表す簡易表現)しかなくて,プレイヤー同士にインターネットを介してマルチプレイをしてもらう場合,本来意図している楽しさを提供するには「貞子Mだとボイスチャットが必須だ」となり,追加開発が必要になりました。友だち同士でやるなら,声を交わし合ったほうが絶対に面白いですので。
4Gamer:
想像しやすいです。
神崎氏:
それと,謎解きは細かすぎる役割分担を考えずとも遊べるようにしますが,「カギ開けが得意な職業に,カギを渡す」などの最適解を狙うとき,プレイヤー間の習熟度が表れるケースも想定できまして。
というのも,そういうのを知らずにカギを拾ってどっかにいった僕を,一緒に遊んでた開発陣が「なんでカギ持ってくの!」「神崎さんに渡してんじゃないの!」と叱ってきたので,そういったプレイヤー間のコミュニケーションエラーの解決にも,ボイスチャットが必要だろうと。
4Gamer:
想像しやすいです(笑)。
菅原氏:
つまり,マネタイズにはアバターカスタマイズが必須で,それにはマルチプレイが必要で,そこにもボイスチャットがあるべきだと。めどは立っているものの,ゲーム開発らしい連鎖反応が起きてしまいました。
これにより,配信当初は皆さんの懐に優しく,我々の懐に厳しい状況が予想されますが,まずは面白いゲーム作りを優先します。
神崎氏:
年内にはどうにか間に合わせます!
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4Gamer:
ついでに,配信後はどのような運営を想定していますか。
菅原氏:
基本はコンテンツの追加,なかでも物語が大きいです。
メインストーリーの新章はシナリオのみならず,新たな登場人物にロケーション,アバターの職業や衣装なども追加要件になるので,貞子Mでは新章追加が大きなアップデートと同義になります。
神崎氏:
物語はローンチ時点で1章か2章まで収録しますが,それ以降は1か月,あるいは1か月半のペースで追加予定です。
プロット自体は先の先まで完成していて,本文もすでに4章まではほぼ書き終えているので,直近の見通しも立っています。
4Gamer:
そういえば,世界設定・シナリオの監督は神崎さんとのことで。
神崎氏:
そのへんは多少複雑ですが,原案やプロットは僕が用意し,テキストは開発側の作家さんに膨らませてもらって,僕が校正して改稿してもらい,版元監修に出してから実装する,という流れです。
ただ,やりにくくはないです。僕が1を投げたら,30まで膨らませてくれる作家さんですし。書き直しを頼んで「なにが違うんですか!」と言われることもしばしですが,ちゃんと説明すると「そうだったんですね!」と納得してくれて(笑)。制作開始からここまで約1年ですが,最近はお互いの信頼関係もできてきて,意思疎通も楽になりました。
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4Gamer:
その点,版元監修のほうの苦労は。
神崎氏:
今後もずっとでしょうが,一番気にする責務かもしれません。
だって,貞子Mはゲームオリジナルの設定なわけで,いくつかの貞子作品をプロデュースした今安玲子さんからもそうしてと勧めてもらったとはいえ,監修時は「僕らの考えた貞子」を提出することになるので。幸い,これまでも手厳しい反応はなかったのですが,個人的にはこれからずっと「これ大丈夫かなあ……」と思いながら制作するでしょうねえ。
4Gamer:
菅原さんはシナリオ関連で支えたりは。
菅原氏:
完全ノータッチです。なにも知りません。
神崎氏:
こっちの苦労に混ざりたくないって。
4Gamer:
分かります。
それと貞子Mは初報で,お笑い芸人のタイムマシーン3号と時東ぁみさんが出演する発表会動画を公開しましたが,以降も「貞子を押し出した面白プロモーション」を考案していくのでしょうか。
神崎氏:
火を見るより明らかですが,PR展開には貞子に出ていただけることが最大の盛り上がりになりますから,今後も検討していきます。間近で見ると貞子,すごい怖いですしね。僕が怖がりなのを差し引いても。
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4Gamer:
言われたそばから,ほんのり肌寒くなってきたような。
では最後にそれぞれ,今後の意気込みを一言ずつください。
神崎氏:
がんばります。それに尽きます。
貞子Mは昨今のスマホゲーム市場ではかなり珍しい作りで,前例のなさから賭けになることは否めません。それゆえのチャレンジとも言えますので,どうぞ秋ごろの配信を期待してくれるとうれしいです。
菅原氏:
私は貞子Mをより多くの人たちに,とにかく楽しんで,怖がって,世界観を堪能してもらえる装置として作り込んでいます。
だから――。
菅原氏のその先の言葉を聞こうとしたとき,肌にぞわっとする冷感が走った。同時に,ぺたぺた,ぺたぺた――素足の子どもの柔らかな足裏が鳴らすような,この場で聴くにふさわしくない足音が近づいてくる。真夏の炎天下にあって汗ばんだ体を冷ましてくれるオフィスの空調。気のきいたそれとは違う,まるで臓腑の芯から外皮へとめがけて凍えさせられるような不快な錯覚。ああ知っている。それは,冷たい素麺を食べるときにツユも一緒に冷やせばいいだろうと冷蔵庫にしまったあとの後悔の寒けに似ていた(※ホラーな異変発現と同時に日常生活にありがちな共感性を混ぜることで怖さを増す高等テクニック)。予定よりもすこしだけ早い,突然の怪異のダイナミックエントリーに周囲の耳目が集まると,彼が言おうとしていた最後の一言は,誰も聞けやしなかった(※ホラーな異変に気を取られると人はだいたい仕事に失敗するという古今東西の慣例)。
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貞子Mは現在,事前登録を受付中。かつ体験版も期間限定で配信。
ゲームを遊んだだけで――どうにかなるのか,どうにもならないかは,今のところ不明だが。今年の秋はきっと危ないに違いない。
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「貞子M 未解決事件探偵事務所」公式サイト
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