プレイレポート
「Destroy All Humans! 2 - Reprobed」プレイレポート。帰ってきたエイリアン“クリプト”が,アメリカ・イギリス・日本・ソ連を舞台に大暴れ!
前作の「Destroy All Humans!」は,2007年にリリースされた「デストロイ オール ヒューマンズ!」のリメイク作品だ。海外では,「デストロイ オール ヒューマンズ! 2」もリリースされており,本作は,そのリメイクとなる |
※PS5版の発売日は,パッケージ版とダウンロード版ともに9月15日になります。お詫びして訂正します
「Destroy All Humans!」プレイレポート。伝説のカルトゲームが,より爽快に,遊びやすくなって復活
2020年7月28日に発売されたアクションゲーム「Destroy All Humans!」は,2007年にリリースされ,表現規制を逆手に取った愉快な翻訳で伝説となった同名作品のリメイク版だ。小さな身体に大きな頭という絵に描いたような宇宙人となり,アメリカの侵略を目的とする本作のプレイレポートをお届けする。
前作は1957年のアメリカ合衆国が舞台だったが,その10年後を描く「Destroy All Humans! 2 - Reprobed」では,アメリカだけでなく,イギリスや日本,ソ連でも,宇宙人の“クリプト”が大暴れする。
かなり下品なセリフ回しや,脳をぶっこ抜くなどのゴア表現は本作でも健在。人間側には魅力ある多数のキャラクターが登場し,アクション部分だけでなくストーリーもパワーアップした作品となっている。
発売に先駆け,PC版を遊ぶ機会を得たので,ゲーム序盤のプレイレポートをお届けしよう。
「Destroy All Humans! 2 - Reprobed」公式サイト
悪のエイリアンは,あらゆる手を使ってミッションを達成する!
本シリーズを知らない人は,“エイリアン侵略アクションアドベンチャー”と聞いて,どんなゲームを思い浮かべるだろうか。多くの人は,来襲するエイリアンに武力や知略をもって立ち向かうゲームを想像するかもしれないが,本作はそれとはまったく違う。
なぜなら,プレイヤーが操作する主人公は,地球を侵略しに来たエイリアン“クリプト”だからだ。
これが本シリーズの主人公,フロン星人のクリプトだ。実に邪悪な顔をしている |
本作のクリプトは,かつて地球に襲来し,アメリカ中を恐怖に陥れたフロン星人“クリプト137”ではない。ソ連のKGBによる攻撃で,母艦とともに彼の体は失われてしまったため,クローンである“クリプト138”が,復讐を果たすべく再び地球へと訪れるのだ。
クローンなので,性格や能力はオリジナルのクリプトそのまま。クリプトの持つさまざまな力を駆使し,地球侵略を進めていくことが,本作のストーリーとなる。
異星人による地球侵略,と聞くとかなりものものしいテーマの物語だが,描写は一貫してコメディタッチだ |
まずは,クリプトの世にも恐ろしい能力の数々を紹介しよう。
彼は,地球侵略を目論むエイリアンだ。当然のことながら,その異形なる姿を見た人間の多くは取り乱し,大声をあげて騒ぎにしてしまう。
そうなればもちろん警察が呼ばれ,さらには軍隊がやってくることもある。放っておくと,街の警戒度がどんどん上がり,装甲車や戦車までやってくる事態にもなるのだ。
人に見られたのを少し放っておいただけで,次々と警官が駆けつけてくる |
大きな騒ぎにしたくない場合は,人間の脳に干渉し,見たことを忘れさせる“ヒプノブラスト・フォーゲット”が活躍する。
その間に,建物の屋上などに姿を隠してもいいし,ほかの誰かに見られないうちに,その人間を殺してしまうこともできる。また,任意の人間をクリプトに追従させ,武装していれば自動で敵と戦わせることができる“ヒプノブラスト・フォロー”も便利だ。これは,指定された人物を目標の場所に連れていくときにも使える。
また,人間の体を乗っ取り操ることができる“ボディスナッチ”を使えば,怪しまれることなく目的地までの移動が可能だ。ただ,体を乗っ取る場面をほかの誰かに目撃されてしまうと,これまた騒ぎになるので注意が必要になる。
警官を追従させ,誰もいない海岸の岩陰までおびきだし,体を乗っ取る算段だ。なんと恐ろしい…… |
ほかにも,人間の心を読んで情報を集めたり,探している人物の場所を特定したりできる“コーテックス・スキャン”などもある。どれも,対応したキーを押すだけで発動できるので,操作に悩むことはないだろう。
人間はそれぞれ自由に何かを考えている。その大半は「裸になりたい」だの,「パンツを履き忘れた」だの,実にくだらないことだが,ときには,とんでもない秘密が読み取れることも |
ただ,一部のミッションを除けば,基本的にはステルスを意識しなくても失敗とはならない。後述する“脳幹”を集める際には,人間が多いほど効率がよくなるので,あえて警戒度を高め,敵を集めるプレイも重要になるだろう。
エイリアンの高い戦闘能力で,人間をねじ伏せろ!
人目を忍び,人間の思考を読み,ときには体を乗っ取り……と,エイリアンならではの能力を駆使して侵略を進めるクリプトだが,戦闘に役立つ武器の種類も多い。これらは,ミッションを進めていくと徐々に開放されていく。
サークル型の画面で,使用する武器をスムーズに変えられる |
序盤に使える武器としては,敵を感電させる“ザップ・O・マティック”や,チャージしてディスクを当てた敵をバウンドさせ死に至らしめる“ディスロケーター”,高速の火炎弾を発射し敵を燃やしつくす“分解光線”など,物騒なものが用意されている。
また,愛の光線で敵を混乱させ,強制的にダンスをさせる“フリーラブ”という変わったものも使用可能だ。
一定数のターゲットを同時に踊らせると,“パーティタイム”という状態に。一見ハッピーな絵面だが,実際はクリプトが脳をコントロールしているのだから,やはり恐ろしい…… |
また武器を使った攻撃ではないが,対象の脳を引き抜く“脳抽出”もある。これで抽出した脳幹は,クリプトの能力を強化するのに必要なので,見かけた人間からは,できるだけ脳を頂いておきたい。
また,尻の穴から侵入し死に至らしめる攻撃の“アナルプロープ”は,クリティカルヒットさせると脳幹をゲットできる。威力も高いので,こちらも活用していこう。
スポーンと勢いよく飛び出る脳! 抜かれた人間はもちろん死ぬ |
序盤のストーリーを進めると,円盤に乗れるようになる。円盤は離着陸できる場所が決まっており,あらかじめ各ポイントにある像を見つけだし,提示される条件を達成することで離着陸が可能となる。
クリプトによって復元される,聖なる叡智(離着陸地点)…… |
円盤に乗ると,よりダイナミックな行動が可能だ。強力な火炎を放ち,対象を空から焼き払う“殺人光線”は,分解光線よりも広範囲を一気に攻撃でき,大きな兵器や建物も数秒で燃やしてしまう。
物体や人間を持ち上げて空中で振り回す“アブダクト・O・ビーム”は,攻撃手段だけでなく大きいものを運んだりすることにも使えるだろう。このビーム,持ち上げられるサイズが限られるものの円盤に乗り込まなくても使用でき,攻撃にも使えるため,多用する技のひとつとなるはずだ。
また,ひとりひとりの脳幹をいちいち引っこ抜いているのが面倒だということであれば,“スラープマスターV8”を使わない手はない。円盤に直接人間を吸い込んで,脳幹を集めまくれるのだ。
“スラープマスターV8”で,めぼしい人間を円盤に吸い込む! 宇宙人視点ならではの楽しみかただ |
人間たちからあらゆるものを奪いまくり,自らを強化せよ!
武器は,フロテックというアイテムを使い,宇宙船内の“ポックス・マート”でアップグレードできる。フロテックは,ミッションの進行などで手に入る仕組みなので,シナリオの進度とともに強化も進んでいく形だ。
アップグレードの種類によって,必要なフロテックの数は異なる。アップグレードのやり直しも可能 |
人間たちから吸い取った脳幹は,円盤の機能である遺伝子ブレンダーで粉砕し,サイコキネシスやボディスナッチなど,クリプトの超能力を強化させるために利用できる。
強化するほど各能力の使い勝手が良くなっていくので,よりストレスのない侵略が楽しめるようになるのだ。ただしこれも,強化の段階はミッションの進度とある程度紐づいている。
新要素,お楽しみ要素も盛りだくさん
今作で追加された要素として,任意のミッションのリプレイと,オフラインでのマルチプレイがある。ストーリーは,協力プレイができるほか,対戦やPKテニス対戦も可能に。家族や友人と,破壊・侵略・対戦を楽しみたい人は,ぜひ挑戦してほしい。
また,筆者がぜひとも推したいのは,フォトモード。カメラ移動,プレイヤーの有無,カメラロール(回転),視野の変更と,最低限の機能しかないが,クリプトのめちゃくちゃな冒険は,どこを撮っても絵になりやすい。特に激しい戦闘中は,面白い絵面がたくさん撮れるのでおすすめだ。
ミッション達成の条件さえそろっていれば,街を破壊しようが人間をいくら殺そうがOKな本作。意味もなく,街を歩いているヒッピーの脳みそを抜いてみたり,人間に化けて,色々な人の思考を読み歩いても楽しい。
28個からなるメインミッションのほかにも,サイドクエストやチャレンジが豊富に用意されており,前作よりボリューム感もアップ。1960年代の世相を反映したブラックで不謹慎ともいえるギャグがこれでもかと散りばめられており,遊ぶ人を選ぶ作品でもあるが,B級映画のノリが好きな人には,力強くプレイを推してみたい。
「Destroy All Humans! 2 - Reprobed」公式サイト
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Destroy All Humans! 2 - Reprobed(C)2022 THQ Nordic AB, Sweden. Published by THQ Nordic GmbH, Austria. Developed by Black Forest Games GmbH. THQ and THQ Nordic are trademarks of Embracer Group AB, Sweden.
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