プレイレポート
「スターオーシャン 6 THE DIVINE FORCE」プレイレポート。広いフィールドを自在に飛び回り,アクション性が極めて高いバトルで敵をなぎ倒せ
4Gamerではすでに,TGS 2022に出展されていた試遊バージョンの情報をお届けしているが,改めて発売前に製品版をプレイする機会を得たので,そのレポートをお伝えしよう。今回プレイしたのはPS5版となり,掲載しているスクリーンショットやボタン操作の記述はそれに準じている。
遭難した宇宙艦の艦長と未開の惑星の王女
まったく境遇が異なる2人の冒険が始まる
人類が宇宙に進出して数世紀。太陽系から発した銀河連邦は銀河系の数多くの星を組み込み,人々は平和と発展を享受していた。だが,銀河系の中には連邦への加入を望まない人々や星もあり,惑星ベグアルドもまた,そんな独立を保つ星の1つだ。本作の主人公の1人であるベグアルド出身のレイモンドは,一族が経営する物流企業の若き艦長として,輸送艦で物資を運ぶ日々を送っていた。
ある日レイモンドはベグアルドで積み込んだ積み荷を運ぶ途中,惑星連邦の戦闘艦に遭遇する。不思議に思い呼びかけるが応答はなく,戦闘艦はなぜか船に対する攻撃を開始し,為す術なく輸送艦は撃沈。何とか緊急用ポッドで船から脱出したレイモンドとクルーたちだが,たどり着いたのは文明が大きく遅れた未開の惑星であり,さらに正体不明の妨害でクルーは散り散りになってしまう。
一方その頃,そんな未開の惑星で旅をするある2人組は空に“巨大な流星”を発見する。本作のもう1人の主人公であるレティシアと,仲間のアベラルドだ。この惑星の大陸に広大な領土を持つ国家の王女と従者で,国の危機を救うため,とある人物を探す隠密の旅に出ていたのである。
出会った早々,巨大な原生生物に襲われたレイモンドとレティシアだったが,不思議と意気投合する。レイモンドは土地勘のない未開の惑星で行方不明のクルーを探すため,そしてレティシアは自らの目的にレイモンドの技術と知識が役立つと確信し,互いに手を組むことになる。こうして遭難した宇宙艦の艦長と未開の惑星の王女という,共通点を探すことの方が難しい2人の冒険が始まることになった……というのが,冒頭の展開となっている。
本作のジャンルは,詳しくは後述するがアクション性が非常に高いRPGだ。主人公が2人の「ダブルヒーローシステム」となっており,ゲーム開始時にレイモンドかレティシアのどちらかを選び,冒険を進めていく。ただし,両者はゲーム冒頭で顔を合わせて協力し合う関係となるため,どちらで始めても,もう片方が(初期状態で)パーティメンバーになる。
今回著者はレイモンドメインでゲームを進めたが,試しにレティシアで序盤を再プレイしたところ,状況説明を兼ねた冒頭のデモシーンを除きほとんど同じ展開になっていった。ただし道中展開されるイベントの内容や会話が変わったり,パーティメンバーが2つに分かれる機会があったりと,体験できる物語に違いが生まれている。
システム面では,エリアごとに分かれた3Dのフィールドを思うままに探索できる仕組みになっており,最大4人を同時に編成できるパーティメンバーのうち1人を自由に切り替えながら操作していく。それぞれのフィールドは草原あり,山岳地帯あり,森林エリアありとバラエティに富んでおり,物語の展開に応じて昼夜も切り替わる。
ひとつのフィールドそのものはかなり広く,起伏に富んでいて敵が各地に生息していている。さらに各種の素材や宝箱,さらに空中には晶紋石と呼ばれるクリスタル状の収集アイテムなどが多数存在しており,探索のしがいがある作りだ。
とはいえ逆に言えば,地面を単に走り回るだけではフィールドは広すぎ,さらにレイモンドたちのジャンプ力は人並みなので,そのままで空中のアイテムは指をくわえて見ているしかない。そこで本作の“3人目の主人公”と言ってもいい「DUMA」の出番となる。
DUMAとはレイモンドが自分の輸送艦で運んでいた積み荷そのもので,物語の序盤で回収することになり,図らずも仲間に加わる。物体としては「球体状の高性能なドローン」的なモノなのだが,これが規格外に高性能で,入手前と入手後ではプレイフィールが大きく変わるほど。具体的には[R1]ボタンだけで,「VA」と呼ばれる生身での高速移動や飛行機能が発動するようになる。
使い方としては[R1]ボタンを押し,スティックで移動方向を決定してボタンを離すだけだ。上空に調節すれば空を飛べるし,特に方向を指定せず連打する形なら,前方にダッシュする。一定程度を移動すると勢いはなくなるが,飛行中ならそのまま滑空が可能で,感覚としては“突進”や“発射”といった感じに近い。
これには特にスタミナや何らかのゲージを消費することもなく,敵がうろつく外のフィールドはもちろん,街の中でも使えてしまう。地面のない崖のような場所では落下するとダメージを受けてしまうが,[×]ボタンで急停止し,減速しながらの自由落下に移ることも可能だ。本作でも通常の(地面を走る)ダッシュはできるのだが,特に理由がない限り,VAによる高速移動を使わない手はない。
このDUMAによる高速移動は非常に快適で,しかも慣れてくれば家の屋根に登ったり,空中に浮いた岩を大ジャンプのように足場にして先に進めるようになる。前述のクリスタルはこのVAの飛行機能で取るものもあり,これを集めると,DUMAの能力をアップグレードできる。フィールドを見渡せば“ここを飛んでください”とばかりに並んでいるはずなので,お望みどおりにアイテムを集めていこう。
フィールドにおけるDUMAの機能はこれだけでなく,[L2]トリガーを押すだけで周囲のアイテムや特殊なオブジェクトのサーチもできる。本作の宝箱は目立たない場所や,VAによる移動を前提として崖の上などに置かれていることも多く,役に立つ機会は非常に多いはずだ。
ただし,DUMAが本領を発揮するのはこういった移動ではなく,実は戦闘だ。DUMAを生かしたバトルが,本作の大きな見所となっている。
DUMAを攻防の両面で生かし,しぶとく数が多い敵をなぎ倒そう
本作はフィールドからシームレスで戦闘に移行し,こちらから攻撃を仕掛けたり,敵に発見されたりすると,そのまま戦いが始まる。アクション性が極めて高く,リアルタイムで敵をターゲットしながら,プレイヤー自らがスキルを当てていく。ロックオンしていればある程度勝手に敵を追尾するが,当たらなければダメージは与えられないし,敵の攻撃も実際にキャラを操作して避ける必要がある。タッチパッドを押すことでいつでも時間を停止し,ターゲットの変更やアイテムの使用などを行えるが,基本的に“ほぼアクションゲーム”と思ってもらった方がいいだろう。
攻撃は主にスキルで行い,[□/△/○]ボタンを押すと,そこに割り当てたスキルが発動する。 連続して当てればコンボになるが,スキルの発動にはAPと呼ばれるポイントを消費し,いわゆる(無制限に出せる)通常攻撃は存在しない。そのためAPを使い切ったら自動回復するまで,一時的に攻撃ができなくなってしまうため,これがなかなかにもどかしい。
APは,単にボタンを連打するだけだとすぐに使い切ってしまうため,序盤は特にそう感じることが多いかもしれない。
本作の戦闘は“敵の意表を突く”ことが重要視されていて,相手がこちらを発見していないタイミングで戦闘を開始する「サプライズアタック」か,あるいは視界から消えた状態で攻撃する「ブラインドサイド」を行うと,敵に長いスタンが発生する。そこをさらに攻撃すれば反撃を受けないのはもちろん,こちらのAPの最大値が増えるという大きなチャンスが発生するので,これを狙うのが勝利の秘訣だ。
スタンを一番簡単に狙う方法は,敵に発見される前にまず一撃加えること。そこで大きく役立つのが,前述のDUMAだ。DUMAで発動できるVAは単なる高速移動ではなく,実はそれ自体が(一部のキャラを除き)強力な体当たり攻撃となっている。つまり敵が気がつかない場所まで近寄り,ロックオンしてVAで高速で近づいて攻撃(体当たり)してやれば,それだけで有利に戦いを始められる。本作における,先制攻撃を行うための基本テクだ。
また,戦闘時のDUMAの能力はこれだけではない。通常時と同じく[R1]ボタンでVA待機状態になるが,十分なVAゲージがあればこの時点でシールドが発生し敵の攻撃を自動で弾くことができるし,体が宙に浮いて自由自在に動けるうえ,離せば同様に体当たりを行う。さらに戦闘中は,VAの最中にスティックを手前以外に倒すことで急激に方向を転換し,敵の視界から外れることができるのだ。
敵の目前で方向転換を行えば,相手はこちらを見失い,前述のブラインドサイド状態となる。これは敵の注意を複数引きつけて行うことも可能で,うまく方向転換を活用すれば,大量の敵を一気に無力化させることも難しくない。そうなれば固まって動かなくなった敵を,上限が増えたAPを使い,好きなだけ殴ることができる。APの上限は,敵の攻撃を食らうなどすると逆に減ってしまうこともあるが,VAがうまく決まればそもそも反撃を食らうことがないので,サクサク倒せて実に爽快だ。
フィールドでの使用と違い,戦闘時は長押しし続けたり,VA中に方向転換したりするとゲージを消費するが,ブラインドサイドが成功すればその消費量はグッと減る。最初はタイミングが掴みづらく,ブラインドサイドを狙うつもりで単なる体当たりしてしまうことも多いだろうが,ザコ相手にいくらでも練習できるので,コツを掴もう。アドバイスとしては,激突直前の方向転換を狙うより,少し早めにスティックを倒すぐらいが丁度いいように思う。
本作は大型のステージボスだけでなく,フィールドの各地に中ボスクラスの敵キャラが闊歩しており,それ以外でも大量のザコがたむろしている場所も少なくない。真っ正面から戦うと苦労することもあるので,DUMAによるVAをどう活用するかで,戦闘の難度が大きく変わる印象だ。自分以外の仲間を操作するAIはけっこう優秀で,こちらが多少手間取った程度ですぐに死ぬことはないので,落ち着きつつも大胆にDUMAを活用して敵を倒していこう。
自分なりのキャラビルドや,コンボを組み立てるのも楽しい。アクションゲーム好きにもオススメ
キャラクターの強化は,経験値を貯めてレベルを上げるスタンダードな仕組みだ。ただし軸となるのはスキルツリーによるステータスの強化や新たな攻撃スキルの取得で,レベルそのものは上昇時にそのポイントを入手できる手段という印象が強い。
スキルツリーはサイズが大きく,キャラクターによって形状も異なる。さらに強化ポイントはツリーでのアンロックだけでなく,スキル自体の強化にも使用するため,常に足りない。ツリーは“出発点から離れるほど消費ポイントが大きい”という基本を考慮しつつ,キャラの特性も加味して,自分なりに悩んでキャラビルドしていくことになるだろう。
取得したスキルはステータスアップとパッシブタイプを除き,リンクコンボというメニューから各ボタンに割り当てて使用する。それぞれのボタンに3連続までの攻撃と,長押し(ホールド)の2種類のスキルが設定可能で,オリジナルのコンボが作成できるほか,回復アイテムなどを設定して即座に使うこともできる。攻撃スキルは種類によって発動までの時間や消費AP,射程がかなり異なるので,こちらも工夫のしがいがある。
とはいえデフォルト設定でも無難に戦うことはできるので,とりあえず装備済みのスキルを順次強化していく,というやり方でも大丈夫だ。
個人的に本作で気に入ったのが,基本的にいつでもどこでも,ほかのキャラに切り替えられるところだ。例えば主人公のレイモンドは剣を使うスタンダードな戦士タイプだが,途中で加入する施療理術士のニーナは敵を直接ターゲットできない味方の回復と強化に特化したキャラだし,発明家のミダスはとにかく理術(魔法)に特化していたりと,特徴がかなり異なる。
戦士として肉弾戦メインで切り込んでいくのも面白いが,周囲をうかがいながら味方を回復して回ったり,あるいは遠距離からひたすら攻撃魔法を撃ち込んだりと,気が向いたらすぐに違ったロールに変われるのも楽しい。また,DUMAはどのキャラでも使えるので,キャラのチェンジによって戦闘のスピード感が失われないのも好印象だ。
本作は最序盤こそスタンダードなアクションRPGといった感じだが,DUMAの入手以降,移動も戦闘時の戦術も大きく変わる。慣れない間はむしろのその能力を持てあますかもしれないが,その内に屋根の上に隠されたアイテムを自然と探し始めたり,ほとんどの敵にVAによるサプライズ攻撃が勝手に決まるようになってきて,“DUMAありきのプレイ”に変わってくるはず。そうなれば移動も攻撃もテンポが良くなってくるので,そこからが本番だ。
三次元的な視点の変化と高速での移動が頻発したり,とにかく戦闘でのアクション性が高かったりと,「じっくりと考えながら進めるRPG」が好きな人には少し肌に合わない可能性もある。とはいえRPGらしく,レベルとステータスを上げればボタン連打でもある程度ゴリ押しできるし,逆にアクションゲームが好きならDUMAを使った戦闘や探索を一層楽しめるはずだ。シリーズファンはもちろん,そうでない人もぜひ手に取って,秋の夜長に楽しんでみてほしい。
「スターオーシャン 6 THE DIVINE FORCE」公式サイト
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