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印刷2023/03/29 22:00

プレイレポート

[プレイレポ]「鉄拳8」は新要素“ヒートシステム”が戦いを熱く,激しく演出する。“アグレッシブ”の看板に偽りなし!

 バンダイナムコエンターテインメントの格闘ゲーム「鉄拳8」PC / PS5 / Xbox Series X|S)のメディア体験会が,2023年3月22日に実施された。体験会でプレイアブルだったのは,仁,一八,ポール,ロウ,ニーナ,キング,ジャック8,ラース,準,シャオユウの全10キャラクター。本作からのバトルシステムの紹介やプレイインプレッションを中心にレポートしていく。

画像集 No.002のサムネイル画像 / [プレイレポ]「鉄拳8」は新要素“ヒートシステム”が戦いを熱く,激しく演出する。“アグレッシブ”の看板に偽りなし!

 また,同日に鉄拳シリーズのゲームディレクター兼開発プロデューサーを務める池田幸平氏と,マーケティングを担当する安田イースポーツ氏にインタビューも実施した。調整の意図や開発の進捗などを語ってもらったので,こちらもチェックしてほしい。

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 2023年3月22日,都内・バンダイナムコ未来研究所にて,「鉄拳8」のメディア向け体験会が実施された。試遊後のタイミングで鉄拳シリーズのゲームディレクター兼開発プロデューサーの池田幸平氏と,マーケティングを担当する安田イースポーツ氏に話をうかがった。

[2023/03/29 22:00]

「鉄拳8」公式サイト



ヒートシステムがアグレッシブな戦いを演出する


 「鉄拳8」で掲げられたバトルコンセプトは“アグレッシブ”とのことだが,従来の大枠のアクションに変化はなく,攻撃的なシステムなどを追加することで,アグレッシブさが味付けされている。

 その象徴と言えるものが「ヒートシステム」だ。1ラウンドに1回,10秒だけ発動できるキャラクターの強化システムで,「ヒートスマッシュ」と呼ばれる強力な攻撃を繰り出せるようになるほか,特定の攻撃をキャンセルして有利な状況を生み出せる「ヒートダッシュ」が使用可能になる。

 また,ヒート状態は10秒持続するが,相手に攻撃をヒット,またはガードさせるとタイマーの減少をストップできる。さらに攻撃をガードされても回復可能ゲージとしてダメージを与えられるため,“アグレッシブ”に攻めたプレイヤーがより大きな恩恵を得られるシステムと言っていいだろう。

ヒートシステムは,共通技の「ヒートバースト」を繰り出すか,キャラごとに設定された「ヒート発動技」をヒットさせることで発動する
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ヒートバーストはヒートタイマーが残った状態ならいつでも繰り出せる共通技。ヒット,ガード問わず,有利状況でヒート状態に移行できるので,手っ取り早く攻めを仕掛けたいときに使うといいだろう
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ヒート発動技は各キャラクターに5つ程度設定されている。そのキャラクターを代表する攻撃に設定されていることが多く,まずはヒート発動技を覚えるところからスタートするといい
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 さらにヒート状態中はキャラクターによって異なる,さまざまな強化効果を得られる。一八であれば最速風神拳が最速入力でなくとも繰り出せるようになり,ポールであれば強化された崩拳が使えるようになるといった具合だ。

 なお,ヒートシステムは毎ラウンド使用可能なので,かならずどこかで使いたいところ。使いどころに関しては,「早めに発動して試合の流れを掴む」「終盤まで温存して逆転要素として狙う」などプレイヤーの好みが出そうなポイントとなる。自分の戦略やプレイスタイルに合わせて変化を与えることができそうで,研究しがいのあるシステムになるだろう。

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 ヒートシステム発動時に得られる「ヒートエナジー」も紹介したい。ヒートエナジーは,ヒートバーストでの発動時に1つ,ヒート発動技での発動時に2つ得られるアイコンで,1Pであればヒートタイマーの左側に表示される。

1Pであればゲージの左側,2Pであれば右側に配置されているヒートエナジーアイコン。数字の8や鎖のような見た目のアイコンだ
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 このヒートエナジーは先に紹介した,特定の攻撃をキャンセルして有利状況を生み出せるヒートダッシュ時に1つ消化するもので,単純に2つあればそれだけヒートダッシュを有効活用できるというわけだ。

 ヒートダッシュの使い方は「中段攻撃からの発動」で攻め継続やコンボを狙ったり,「空中コンボからの発動」で堅実にコンボダメージを伸ばしたりとさまざま。そもそもヒート発動技がヒットしていれば,さらに追撃を叩き込めたりするので,うまく使えればそれだけ試合を有利に進められるはずだ。

アグレッシブさを助長するヒートダッシュ。こちらもプレイヤーによって好みの使い方が分かれそうなシステムだ
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 ヒート状態中に使用できるヒートスマッシュは,大ダメージを与える中段攻撃,見切りにくい下段攻撃などがあり,強力な攻撃であるぶん,ヒートエナジーをすべて消費してしまうが,それに見合った性能となっている。
 なお,ヒートスマッシュは,ヒートエナジーの消費量(1or2)で性能が変わるとのことだが,体験会ではあまり差を確認できなかった。どのような形で実装されるかは,今後の調整次第となりそうだ。

いわゆる“必殺技”にあたるヒートスマッシュ。この攻撃が追加されたことで,近いシステムであったレイジドライブがなくなっている
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アグレッシブに戦うことで有効活用できる回復可能ゲージ


 回復可能ゲージは,「鉄拳タッグトーナメント」などで採用されていたシステムだ。鉄拳タッグトーナメントでは,時間経過と共に自動回復していたが,本作では自動で回復することはなく,攻撃をガードまたはヒットさせる,特定の攻撃をヒットさせるなどのアクションで回復する。

体力ゲージにおいて,白い半透明で表示される回復可能ゲージ
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 シンプルに解説すれば,攻めれば攻めるだけ回復するゲージと言い換えてもいいだろう。これもアグレッシブさにつながる要素だ。なお,相手に回復可能ゲージとしてダメージを与える方法は,「空中コンボをヒットさせる」「ヒート状態中に攻撃をガードさせる」「特定の攻撃をガードさせる」などが確認できた。
 回復可能ゲージをめぐる攻防のバランスに関しては未知数だが,わずかな体力を削り合うような試合展開になった際には,細かい体力回復の積み重ねが勝負のカギを握ることになるだろう。


スペシャルスタイルで対戦の基礎を学ぶ


 本作には,コマンド入力の方法として,「アーケードスタイル」「スペシャルスタイル」の2つが用意されている。アーケードスタイルは4つのボタンがそれぞれ,LP(左手),RP(右手),LK(左足),RK(右足)に対応している従来の入力方法で,スペシャルスタイルでは,4つのボタンが各キャラの主力技に対応している。

スペシャルスタイルでは「□:得意技」「△△△:コンボ始動技〜空中コンボ」「×:パワークラッシュ」「〇:下段攻撃」といった形で主力技が設定されている
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 立ち回りでは[□]を,大きなダメージを与えたいときは[△][△][△]を,相手の攻撃を切り返したいときは[×]を,ガード崩しを狙いたいときは[○]をいったように,シンプルな思考で対戦できるのがスペシャルスタイルの醍醐味で,初心者がキャラクターの基礎を学びながらプレイするのにうってつけの操作方法だ。


アグレッシブの看板に偽りなし。今後のさらなる調整にも期待


 あくまでも筆者の私見だが,「鉄拳7」ではワンツーパンチやハイキック,右アッパー,バックダッシュ,横移動といったシステム共通の行動が強く,プレイヤーの動きに差が生まれにくかったように思う。その点,「鉄拳8」ではキャラクターやプレイヤーごとに個性が変わるシステムが追加されており,そのイメージは払拭されているように感じられた。

 ただ,プレイヤーの中には大味なゲームバランスになっていないかと不安がる人もいるだろう。だが,移動操作や基本的なアクションに変化はなく,むしろアグレッシブな相手の攻めをどう捌くかという点において,これまで以上に防御が大切なゲームになっているとも言えそうだ。

 キャラクターごとの個性が強くなるほどゲームバランスの調整は難航すると思われるが,制作陣曰く,発売はまだしばらく先になるとのこと。初心者から上級者まで,さまざまなプレイヤーが楽しめるタイトルの登場を期待して発売を待ちたい。

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