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「鉄拳8」の世界王者を決める「TWT 2024 Global Finals」と30周年記念イベント「超・鉄拳祭」が開催に。観戦と来場者参加型企画で盛り上がった会場をレポート
TWT2024 Global Finalsが行われる傍らで行われていた超・鉄拳祭では,過去の「鉄拳」シリーズを使った来場者参加型の企画「勝ち抜き! 鉄拳王決定戦」,TWTの試合を観戦するウォッチパーティーなど,さまざまなイベントが行われ,来場者を楽しませていた。
また,会場の外には歴代シリーズのイラストやグッズが飾られていたほか,「鉄拳8」の「例の椅子」に座って写真を撮れる“映えスポット”も用意されていた。
「鉄拳8」初の世界王者を決めるTWT2024は,12月5日から12月7日までの予選で残った16名が最終日(12月8日)の決勝トーナメントに進出した。
各予選の詳細は以下の通り。
(1)12月5日 グループリーグ(世界ランク上位20名)
「グローバルリーダーボード(世界ランキング)」の上位20名が,5人1組のグループ4つに分けられ,総当たり戦を実施。各グループ上位2名,合計8名が最終日の決勝トーナメントにウィナーズサイドで進出する。
(2)12月6日 グループリーグ(15地域のランキング1位)
「リージョナルリーダーボード(15地域のランキング1位)」の15名が,5人1組のグループ3つに分けられ,総当たり戦を実施。各グループ上位2名,合計6名が最終日の決勝トーナメントにルーザーズサイドで進出する。
(3)12月7日 最終予選(Last Chance Qualifier)
オープンエントリー制のダブルエリミネーション形式で行われるトーナメント戦。上位2名がルーザーズサイドで最終日のトーナメントに進出する。※12月5日と12月6日のグループリーグで敗退した選手もエントリー可能
「超・鉄拳祭」との併催となり,有観客イベントになった最終予選(Last Chance Qualifier)は,500名を超えるプレイヤーがエントリーし,韓国のT1|EDGE選手(優勝)と,日本のZETA|KEISUKE選手(準優勝)がGlobal Finals出場の権利を獲得した。
4日目の12月8日に行われた決勝トーナメントは,ダブルエリミネーション形式で行われ,グループステージを通過した14名,LCQを突破した2名が,ルーザーズとウィナーズに分かれて対戦した。
ウィナーズのトーナメントを勝ち抜いたのは,日本在住の韓国人プロプレイヤー,VARREL|RANGCHU選手だ。使用キャラであるクマの性能上(体が大きく防御手段が弱い)押し込まれる試合展開が続くものの,アメリカのLIQUID|SHADOU 20Z選手,パキスタンのTM/RB|ARSLAN ASH選手,サウジアラビアのDRAGONS|RAEF選手を下し,無傷でグランドファイナルに進出した。
ルーザーズトーナメントを抜けたのは,FALCONS|ATIF選手だ。ウィナーズで同郷のARSLAN ASH選手に敗れるも,ルーザーズに回ってからは,ドラグノフとニーナを使いわけてイタリアのHG|DANIELMADO選手,SHADOU 20Z選手,韓国勢のKDF|CBM選手とEDGE選手らを危なげなく撃破。RAEF選手とのルーザーズファイナルも,セットカウント3-1で勝利し,グランドファイナルへと駒を進めた。
グランドファイナルは,RANGCHU選手 vs ATIF選手という「鉄拳7」のTWT優勝経験を持つ両者の対決となった。
ドラグノフをピックして挑んだATIF選手が先制。しかし2セット目からはRANGCHU選手の的確な技の差し込みと防御手段 (ガード,しゃがみ,避け)のチョイス,劣勢を覆す高火力コンボなどで勝利を積み重ね,ATIF選手にリセットを許さず3-1で勝利。RANGCHU選手が「鉄拳8」を用いたTWTの初代王者,そしてTWTを2度制した史上初の選手となった。
最後に,優勝したRANGCHU選手への囲み取材が行われたので,その内容をお届けししよう。
――優勝した後に大きなRANGCHUコールが巻き起こり,そこで噛みしめるような表情をしていたように見えたのですが,どういった心境でしたか。
RANGCHU選手:
調子自体はよかったのですが,そのぶん期待を感じて緊張している面もありました。勝てた瞬間はみんなの期待に応えることができたので,すごくうれしかったです。友達もいっぱい会場に来て応援してくれたので,力になったと思います。
――今日は先行される試合が多く,厳しい展開から逆転することが多かったですが,そこから勝てた要因はどこにあると思いますか。
RANGCHU選手:
内容が悪い負け方ではなかったので,流れはこのままで,集中力だけは切らさないようにしていました。普段と違ってヘッドフォンの隙間から会場の応援してくれる声が聞こえていたので,最後まであきらめずにがんばれたと思います。
最近は上位に入賞できること自体は多かったのですが,優勝したい大会で勝てなかったことも多くありました。「RANGCHUは上位には入れるけど,優勝は無理でしょ」という評価をされているのがすごく嫌だったので,どの大会でもいいから優勝したいという気持ちはありました。
ただ,今回は優勝しようというよりは,ひとつずつ勝っていこうという気持ちで対戦できたのがよかったのかもしれません。
――ATIF選手,ARSLAN ASH選手と,パキスタン勢を下しての優勝ですが,特別に感じるものはありますか。
RANGCHU選手:
「鉄拳7」の中盤ぐらいからは,彼らふたりがほとんどの大会を制覇していたこともあり,日本や韓国よりもパキスタンの方が上という評価になっていました。そのイメージを今日変えたいとはすごく強く思っていたので,勝てた瞬間はすごくうれしかったですね。
EWCもそうですし,今回のTWTファイナルも日本と韓国が勝てたので,イメージを変えられたらうれしいです。
――グランドファイナルでは,コントローラが認識されずに1ラウンド落とすアクシデントがありました。あの場面,動揺せずに集中できていたのでしょうか。
RANGCHU選手:
普段ならメンタルを崩されるところでしたが,ウィナーズ側だったので,「もしこの試合を取られてもまだまだいける」と思えて,メンタルを保てました。
――2018年以来のTWT優勝ですが,今年までの6年間を振り返って思い出すことがあれば教えてください。
RANGCHU選手:
2018年のころは,今と比べると強い人たちがまだプロシーンに出てきていなくて,優勝しやすかったかなと思います。6年経つうちにレベルが上がり,優勝できるチャンスは少なそうだなと思ったところで優勝できたのがよかったです。
――「鉄拳7」の競技シーンでは,パンダとジュリアを使いわけていましたが,次のシーズン以降でクマ以外のキャラクターを使う予定はありますか。また,パンダからクマにキャラを変えたことに理由はあるのでしょうか。
RANGCHU選手:
いろいろなキャラを使うことは常にやっていて,強いキャラを触ったり,自分に向いているキャラ探しをやったりしています。ただ,練習の時点でうまくいかなかったことが多かったので,(複数キャラは)もうちょっとやりこんでから出すかどうかを考えています。
パンダではなくクマを使っているのは,「鉄拳8」だと性能差があって,クマの方が強いからですね。
――使用キャラのクマに言葉をかけるとしたら,何を伝えたいですか。
RANGCHU選手:
「ありがとう」ですね(笑)。クマは「鉄拳8」が出た当初は評価が高くなくて,周りから「キャラを変えた方がいいんじゃないか」とアドバイスされることも多かったです。
ほかのキャラクターも試していたんですが,あまりうまくいかなくて,今年の夏ごろは迷走していました。そこを乗り越えられたのが今日の結果につながったと思います。アドバイスしてくれたり練習につきあってくれた仲間には感謝の気持ちを伝えたいです。
「鉄拳8」公式サイト
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TEKKEN™8 & (C)Bandai Namco Entertainment Inc.
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