プレイレポート
[プレイレポ]「トワツガイ」が見せる,儚い少女たち“トリ”の過酷な運命への抗いと,苛烈な世界で育まれる2人の絆
二度目の死の記憶でもある。
スクウェア・エニックスが本日(2023年2月16日)配信した,新作スマホゲーム「トワツガイ」(iOS / Android)は,少女たちが互いに唯一無二の存在として支えながら,異形の存在「魔獣」と対峙するRPGだ。
本稿ではゲーム序盤のインプレッションをもとに,本作の基本概要やバトルシステムなどについて紹介していく。
「トワツガイ」公式サイト
「トワツガイ」ダウンロードページ
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※本稿はストーリーの一部ネタバレを含みます
※本稿の内容は配信前のプレイに基づくものであり,正式サービス時の仕様などは異なる可能性があります
「トリ」「ツガイ」「黒い海」「魔獣」「魔女」
多くの謎を秘めた物語が,シリアスで繊細に描かれる
「黒い海」に侵食され,そこから突如として現れた異形の存在「魔獣」と最たる者「災禍の魔女」によって蹂躙された世界。
人々は最終防衛ライン「特殊災禍対策本部CAGE(ケージ)」を発足し,組織は特殊な力を持つ少女たち「トリ」を戦線に送り込んだ。
“鳥類のコードネーム”を名付けられたトリたちは基本,2人組のペアで行動をともにする。なかでも絆が深い特別な2人は「ツガイ」と呼ばれ,互いに守り守られる,唯一無二の半身となっていく。
タイトルを安直に読むと,永遠(トワ)の2人(ツガイ)とでも訳せるが,それが生存的な意味で許される世界かはまだ分からない。
主人公となる少女たちがトリになった理由をはじめ,ツガイ,魔獣,魔女,CAGEといった独自のキーワードや世界観の背景については,ゲーム序盤ではそのほとんどが明かされることなく,とにかく謎だらけだ。
しかし,トリたちの会話や言葉のニュアンスからはいろいろと想像させられるものがある。世界観を難解そうに思わせることなく,自然と伝えるために狙った作りなのであれば,とてもいい仕上がりだ。
ストーリーの序盤は,CAGE所属後に出会い,そこでツガイとなった2人のトリ「カラス」と「ハクチョウ」を中心に展開していく。
物語を進めていくと,ほかのトリたちとの出会いをはじめ,この世界にまつわるさまざまな謎が少しずつ明らかになっていく。
特筆すべきは演出面で,ストーリー中のキャラクターたちの表情差分が多く,グラフィックスで多彩な感情を表現している。
また,バトル中のSDモデルは“被ダメージの演出”に力が入っており,ツガイがかばい合う姿など,アドベンチャーパート以外でも感情を揺さぶってくる仕掛けがあふれている。
それぞれが主人公。5組の「ツガイ」たち
本作には(配信時点で)計5組のツガイが登場し,カラスとハクチョウの動向を中心としつつ,ほかのツガイの様子が描かれていく。
一部を除いてプレイアブルキャラクターとして使用可能だ。
※正邪のツガイ「モズ」のみ未実装。配信後の続報を待とう
ここからはまず,本作のメインキャラクターとなる「ツガイのトリ」たちを紹介していく。ちなみに華やかなビジュアルはもちろんだが,それぞれが“どんなワードを背負う2人組なのか?”にも注目だ。
※あらかじめの補足:ペア=2人組。ツガイ=“特別”な2人組
■運命のツガイ
―互いの目指す先へ 走るふたり―
・カラス(CV:近藤玲奈)17歳
果断――全部殺せば、この苦しみも終わるんだろう?
苛烈に前へ進み続ける少女。言動は粗野だが,面倒見がいい一面も。当初はハクチョウのことを信用していなかったが,次第に信頼を寄せる。CAGEには不信を抱いているが,とある事情から今は従っている。
・ハクチョウ(CV:立花理香)18歳
献身――進みましょう。……きっとこの先に、救いがあるから
穏やかで献身的な少女。物腰が柔らかく,優しく落ち着いた性格だが,胸の内に高潔さを秘めている。裏表のないカラスに信頼を寄せているものの,彼女自身はカラスに言えないことを抱えている。
■双子のツガイ
―距離が近いゆえに すれ違うふたり―
・エナガ(CV:立花日菜)12歳
無垢――スズメと一緒なら、わたしなんにも怖くないよ
純真で可憐な少女。スズメとは双子。人を信じる強さを失わずにいる。いつか戦いを終わらせて,スズメと家に帰ることを願っている。自分の心の変化に戸惑っているが,誰にも打ち明けられずにいる。
・スズメ(CV:高橋李依)12歳
疑心――エナガ、ボクを頼って。……ボクを、信じて
警戒心が人一倍強い少女。エナガとは双子。生意気な態度の裏に,繊細な心を隠す。エナガを心配して過保護になることや,彼女に必要とされるために強がる節がある。最近のエナガの様子に困惑している。
■幼馴染のツガイ
―異なる想いを抱えた 幼馴染のふたり―
・フクロウ(CV:小泉萌香)16歳
陰鬱――アンタさ、他に友達いるのに……なんで私なんかと遊ぶの?
人付き合いが苦手で自虐的な少女。臆病で引きこもり体質だが,知識欲は旺盛で,CAGEの研究班とのやり取りが多い。フラミンゴは幼馴染で唯一の友達であり,大切な親友。彼女を失うことを極端に恐れる。
・フラミンゴ(CV:和氣あず未)16歳
爛漫――アナタといるのが一番好き!今日もたくさん楽しもうね♪
天真爛漫な少女。明るく朗らかな性格のムードメーカー。誰とでも仲良くなれてしまう人懐っこさがあり,何事にも前向きな楽天家。その内には幼馴染のフクロウにも言えない,秘密の恋心を抱えている。
■共謀のツガイ
―約束を交わし 利用し合うふたり―
・ハチドリ(CV:富田美憂)20歳
奔放――めんどくさいのはキライ。アタシはただ暴れてたいだけ
奔放で直感的な少女。細かいことは気にしない性格で,口より先に手が出るタイプ。戦いの際,周囲に甚大な被害をもたらすこともある。ツルとは取引でペアとなったが,ツルの発言には比較的従う。
・ツル(CV:上田麗奈)22歳
妖艶――約束してくれますか?私の願いを叶えてくださると
気品あふれる蠱惑的な女性。上品な振る舞いで,周りから一目置かれている。物腰は優雅だが実は野心家。CAGEにより決められたペアとは違い,組織に精通し,自身の目的のためにハチドリとペアになった。
■正邪のツガイ
―衝突する 光と影のふたり―
・モズ(CV:鬼頭明里)17歳
狡猾――ああ退屈だなぁ。もっと血を、苦しむ姿を私に見せてよ
退廃的で気だるさを漂わせた少女。目的のために手段を選ばず,卑怯なやり方を楽しむ残忍な一面も。以前はひとりで任務をこなしていたが,ツバメとペアになり,相方のやり方をまどろっこしく感じている。
・ツバメ(CV:日向未南)17歳
真摯――もう一羽だって失いたくないんだ、僕は
真摯で正義感あふれる少女。騎士のようにスマートで,博愛精神の持ち主。一方,マイペースであまり人の話を聞かないことも。司令直属のトリとして活動しているが,モズのやり方には思うところがある。
ツガイたちの親密な空間をのぞき見できる?
バトルもそれ以外もトリたちの絆がポイント!
少女たちの絆を育み,深めていくことで物語が動く本作では、上記のトリたちを育てながら「メインストーリー」を進め,サブストーリーやイベント,非同期型の擬似的PvP「アリーナ」,タワー型コンテンツ「黒の塔」,プレイヤー同士で集まる「クラン」での交流などを楽しむ。
各コンテンツは,メインストーリーの進行度に応じて順次開放される。クエストには,時間経過やアイテム使用で回復する「AP」を消費して挑んでいく。いわゆるスタミナ方式というやつだ。
プレイをはじめてからしばらくは,メインストーリー以外のバトルコンテンツは開放されない。当面は,早めに開放される育成関連のクエストを利用しつつ,プレイヤーレベルやトリたちの強化を進めていくのが,おもなゲームサイクルとなっている。
戦闘は,豊かな演出を備えたSDキャラクターによるターン制のコマンド選択型バトルで,敵Waveをすべて殲滅すると勝利となる。
バトルユニットは“2人1組のペア枠×3組=全6人”を編成でき,バトル中は“ペア単位で行動”する。また行動順は敵味方を問わず,素早さのパラメータが高いペアからターンが回ってくる。
つまり高速の「A+B=AB組」が最初に行動,中速の「C+D=CD組」が次に行動,低速の「E+F=EF組」が最後に……といった流れであり,計3枠のターン順と,計6キャラクター分の手番があるわけだ。
なお,バトルユニットとして編成するペア枠は“あくまでバトル専用の枠”でしかないため,物語に沿った公式ペアではなく,カラスとエナガ,ハクチョウとスズメなどを(解釈違いで)組ませてもいい。
このあたりはスマホゲーム業界ではおなじみ,物語は物語,戦闘は戦闘といった,ゲームとしての編成の自由が優先されている。
トリは各自,キャラクターごとのベースパラメータを保有し,そのうえでさまざまな「スタイル」を切り替えられる。スタイルとは要は,ガチャで特定武器の獲得時にもらえるキャラカードのようなもの。いわば,キャラ数を抑えながら個々のバリエーションを広げる設計だ。
スタイルには,キャラクターが装備可能な武器種「メイン武器」がそれぞれ設定されており,3種のアクション「スタイルスキル」,1種のパッシブスキル,1種のアリーナスキルも備える。
バトルでは上記,メイン武器に付属している武器スキルと,3種のスタイルスキル,さらにペアごとに1種だけ装備できる「召喚柱」のスキルをバトルコマンドとして用いて戦っていく。
このうえで,特定のトリ同士でペアを組んでクエストをクリアし,2人の絆を深めて,専用クエスト「約束の試練」をこなすことで,2体のバトルユニットが特別なペア「ツガイ」になる。
ツガイになったペアはバトル中,特殊な専用効果「ツガイスキル」が発動するようになり,特定条件を満たすことでツガイならではの技「原初の厄災」も使用できるようになる。世界観としてのツガイを,バトルユニットの構造にも落とし込んでいるわけだ。
さらにツガイは,その2人だけが入れるコンテンツ「庭園」に姿を見せるようになる。ここでは特殊な衣装に身を包んだ親愛なる2人の様子を眺められるが,そのうえで専用のツガイクエストをクリアしていくことで,庭園とは違うさらなる「花園」に進入できるようになる。
ツガイレベルを上げれば,内緒話なども聞けるようになるため,トリたちの関係性をさらに深めたい人には魅力的な作りだろう。
幸い,人格なきプレイヤーは二輪の花の間にはさまることもない。
焦らずじっくりな育成が攻略のポイント
ストーリーを進めるには,トリたちの育成がとにかく大事だ。
育成要素は主に,スタイルのレベル上げ,スタイルのアビリティボードによるパラメータ向上,メイン武器・サブ武器・召喚柱のレベルやスキルレベルの上昇,ついでに装飾品の作成など種類が多い。
このうえで3ペア=6キャラクターを完備するには,序盤からある程度の育成方針を考えておいたほうがスムーズに遊べる。
バトルに関してはオートモードを活用しても進められるが,育成面については中途半端に手広くやっていると,シリアスな世界観も相まったストーリーの難敵につまづくことがあるかもしれない。
だが,その解決法は至ってシンプル。デイリークエストなどをうまくこなして,焦らずじっくり集中投資で育てればいい。
そのため,ゲーム序盤は“お気に入りのトリ”をパッと見定めて,自分のペースで育てたのちにボス戦に臨むのがベストだ。
育成方針としては,クエスト出現敵に対して有利属性となるスタイル,武器,召喚柱を強化していくのが効率的だった。
ただしスタイルの数がそろっていない場合は,所持しているものでやりくりし,敵属性は“メイン武器を変えて突く”のも有力だ。
プレイを重ねて,武器の所持数も増えていったころ,サブ武器に用いる武器も強化していくとステータスの底上げにつながる。
プレイ面では,確実にクリアできるクエストを周回して各種レベル上げや強化アイテムを収集するといい。あとはデイリークエストの出撃回数の回復アイテムや,ショップで育成素材を購入するのもありだ。
オリジナリティのある独特な世界観,さらにトリたちの背景やビジュアル面での引きなど,パッと挙げられる魅力が多い本作は,スマホゲームとしてもじっくり遊べるRPGであることが存分に感じられた。
進めば進むほど育成が大事になっていき,歯ごたえのあるボス戦を育てたトリたちで勝利できると,プレイの達成感もひとしおだ。
なにより,そういったゲーム面を補って余りあるほどの繊細な雰囲気に引き寄せられている人は多いだろう。その点,「トワツガイ」はそちら側の期待一本でも十分に戦える作品であった。
■すでに舞台化も決定。制作発表会レポートはこちら
トリたちの美しくも儚い物語を舞台でも――。大西桃香さんや渡辺みり愛さんら主要キャストが登壇した舞台「トワツガイ」制作発表会レポート
スクウェア・エニックスが2023年2月16日に配信を予定しているツガイ育成バトルファンタジーRPG「トワツガイ」の舞台化が先日発表となり,2023年1月22日に舞台制作発表会が行われた。本稿では,大西桃香さんや渡辺みり愛さんら主要キャストが登壇した発表会の様子をレポートしていく。
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