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印刷2024/05/27 16:49

イベント

KONAMIのWeb3プロジェクト「PROJECT ZIRCON」のオフラインイベントをレポート。新コンテンツ「NFTクエスト」のデモプレイを披露

 KONAMIは2024年5月24日,オフラインイベント「PROJECT ZIRCON:会員制Barネオンの集いvol.1」を,東京・CAFe&BAR STROPSeにて開催した。このイベントでは,同社のWeb3プロジェクト「PROJECT ZIRCON」の最新情報が公開されたほか,これまでの振り返りが行われた。

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「PROJECT ZIRCON」公式サイト


 「PROJECT ZIRCON」は,「Community is game.」というビジョンを掲げ,運営チームとコミュニティが一緒にIPを作り上げていくWeb3プロジェクトで,活動は主に公式Discordコミュニティで行われている。
 現在は,「100年の時を経て災いの竜が復活」「4つの国の国民達は信念のもとに集い,立ち上がった」という2つのトピックを持つファンタジー世界をベースに,コミュニティメンバーが各自のキャラクターを作成したうえで,所属する国家の行動などを決定してストーリーを作ったり,小説やイラスト,音楽などの創作活動で本プロジェクトの世界観を表現したりするフェーズ1を展開中だ。

左から全力まん氏,Shiro氏,岡田篤宏氏
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 イベントの冒頭では,「PROJECT ZIRCON」ファウンダーのShiro氏が,本プロジェクトをあらためて紹介。それによると本プロジェクトは,「企業がゲームなどのコンテンツを作り,ユーザーがそれを楽しむという,普通のことをやりたくない」という発想から生まれたのだという。「コミュニティメンバーとコンテンツを共創しながら遊ぶ」という理念のもと,Web3やコミュニティ,UGC,生成AIといった技術を用いつつ新規巨大IPの創出を目指すとのこと。Shiro氏は巨大IPの例として,「ポケットモンスター」の名前を挙げていた。

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 コミュニティメンバーが行っている具体的な活動は,「ギルド」「プロジェクト」「イベント」「コミュニティゲーム」の4つ。ギルドは,同じ趣味のメンバーが5人集まると設立できて,麻雀ギルドやお絵かきギルドなどがあるという。イベントは,運営チームが出したお題にメンバーが応えたり,あるギルドが自発的に企画した催しに,ほかのメンバーが参加したりするもの。プロジェクトは,ギルドやメンバー個人による自発的な二次創作などのことで,Shiro氏は「どんどん立ち上げてもらって,この世界を広げていきたい。作ったものは売ってもらってOK,稼いでもらってOK」と話していた。

本プロジェクトのコミュニティが,Web3分野では日本で最大級と評価されていることも示された
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 本プロジェクトのメインコンテンツとなるのがコミュニティゲームで,つまり世界観やストーリーを運営チームとメンバーが一緒に作っていくことである。現在は,各国家に選択肢を提示し,それを国民に選択させて,公式のストーリーとしていくことを進めており,まさに佳境に差し掛かっているとのこと。

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 そして2024年内にはフェーズ2を開始し,フェーズ1で作り上げたストーリーを小説や漫画,ボードゲームといった世間一般に浸透しやすい形でメディアミックス展開していく予定だ。Shiro氏は「『ポケモン』を目指すには,分かりづらい部分があってはならないという意識も必要」と持論を語った。また海外展開も視野に入れているそうだ。

 フェーズ2を成功と言える状態にできたら,2025年以降展開予定のフェーズ3にてゲーム化を図る。このゲームのプレイヤーキャラクターはNFTとなっており,所有者が性格や背景などを細かく設定できる。またNFTなので,KONAMIのNFTマーケット「リセラ」にて売買も可能だ。もちろん,ほかの所有者が作成したキャラクターでゲームをプレイすることもできる。

直近で行われるNFTセールの情報も公開された
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 続いて,本プロジェクトのアンバサダーである全力まん氏岡田篤宏氏が登壇。全力まん氏はプロジェクトマネジメントが本業で,その実績を活かして本プロジェクトのマーケティングの支援を行っている人物だ。また岡田氏は,ファンタジーTRPG「りゅうたま」シリーズのゲームデザイナーおよびTRPG&マダミスカフェ モノドラコの店長を務めている。

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 全力まん氏によると,今のタイミングはNFTプロジェクトをローンチするのに適しているとのこと。と言うのも,2021年にNFTアートが16億円で落札されて話題となってから,まだ日が浅い時期にローンチしたプロジェクトは投資家の参入が多く,コミュニティのメンバー同士で活発に議論されるケースが少なかったからだ。しかし現在はそうした状態が落ち着いてきており,コミュニティの土壌を作れるようになっているので,本プロジェクトはすごくいいタイミングで始められたのではないかと,全力まん氏は分析していた。

 また,Shiro氏は岡田氏と出会ったときのエピソードを披露。もともとShiro氏は客として岡田氏の店に遊びに行ったのだが,翌日送られてきた岡田氏のお礼メールが「ご来店ありがとうございました」といったビジネス的なものではなく,「昨日は皆さんと素晴らしい冒険ができました。また次の冒険を楽しみにしています」と世界観や体験を重視した内容だったことに感銘を受けたという。即座にShiro氏は,岡田氏に「一緒に何かやりましょう」と返事をしたそうだ。

岡田氏とShiro氏が,シーズン1のコミュニティゲームを振り返る一幕も。現在は左の竜と戦っている最中だ
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 会場では,6月実装予定の「NFTクエスト」の紹介とデモプレイが行われた。このコンテンツは,提示されるクエストに,コミュニティメンバー4名がチームを組んでチャレンジするというもの。基本的な進行は,テキストベースでストーリーとそれに沿ったチームの行動の選択肢が4つ提示されるので,多数決でどれを選ぶか決定。すると選択肢に応じたストーリーの続きと選択肢が提示され……を数回繰り返し,最後に目的を達成できたかどうかが判定され,それに応じた経験値などがメンバーのキャラクターに与えられる。

会場で公開されたNFTクエストは開発段階もので,実装時には仕様が異なる場合がある
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 大きな特徴は,ストーリーや選択肢を生成AIがリアルタイムで生成していることだ。生成AIは,NFT所有者が設定した各キャラクターの性格や能力,背景なども参照するため,同じNFTクエストであってもチームごとに異なる体験ができる。TRPGをプレイした経験のある人なら,生成AIがゲームマスターを務めているような感じと説明するとイメージしやすいかもしれない。

生成AIは,テキスト生成にのみ使用している
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 NFTクエストのデモプレイは,Shiro氏とアンバサダー2名によって行われた。このコンテンツをプレイするには4名必要なので,残りの1キャラクターは,来場者やDiscordでイベントの配信を観ていたコミュニティメンバーから募ったアイデアをもとに新たに作成することに。

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 デモプレイを終えた全力まん氏は,「最初にNFTクエストの話を聞いてからまだ3〜4か月しか経っていない」と開発力の高さを指摘するとともに,「生成AIとNFTという誰もが組み合わせたかった技術を,実際に両立させたのはすごい」と称賛。また岡田氏は,「人間がやっていたゲームマスターの役割を,生成AIが見事な語り口で果たしているのが恐ろしくもあり楽しくもあり。人間もどんどん成長していかないと,あっと言う間に仕事を奪われてしまいかねないが,そんな状況も楽しんでいきたい」と話していた。

キャラクターがレベル1だったからか,選択が無謀だったのか,クエストは残念ながら失敗。それでも経験値は提供される
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クエストのダイジェストが記されたカードも提供される
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 イベントのクロージングでは,Shiro氏が東京ゲームショウ2023にて本プロジェクトを発表した当時を振り返り,「あのとき,その7〜8か月後にこんな状況になると予想していた人はほとんどいなかったのでは。でも面白いと思ってくれる人達がいて,実際に世界やストーリーを作ってくれる人達がいる。その状況がうれしくて仕方ない」と語った。最後にShiro氏は「このプロジェクトは『Community is game.』なので,皆さんの力がないと進みません。これからもよろしくお願いします」と,来場者とコミュニティメンバーに呼びかけていた。

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