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クラシックなグラフィックスのホラーゲーム「Fear the Spotlight」をプレイ。放課後の学校で起こる怪奇現象と,過去にあった悲劇の真相に迫る
Blumhouse Gamesは,ホラージャンルの映画やドラマ作品を手掛けるBlumhouse Productionsのゲームパブリッシング部門だ。映画版「ファイブ・ナイツ・アット・フレディーズ」や「Dead by Daylight」(PC / PS5 / Xbox Series X|S / Switch / PS4 / Xbox One)の制作に関わっていることもあり,ゲームファンでも,その名を目にしたことのある人もいるだろう。
イベントには,同社の創設者であるCEO/映画プロデューサーのジェイソン・ブラム氏も登壇した |
そんなBlumhouse Gamesが発表した6タイトルは,もちろん(?)すべてホラーゲームだ。それぞれ世界各地の独立系スタジオが手掛けており,どれも独特なアイデアや絵作りのセンスのある作品となっている。
またタイトルラインナップからは,制作者の考えや作家性を重視した作品作り,低予算ながら幅広い地域に向けた映画展開を信条としているBlumhouseの精神性も感じられる。
本稿では,全6タイトルを紹介するとともに,その1つである「Fear the Spotlight」の試遊レポートをお届けする。
Crisol: Theater of Idols
スペインの民間伝承をベースとした1人称視点のアクションアドベンチャーで,開発はマドリードに拠点を置くVermila Studiosだ。ゲームの舞台となるのは「Tormentosa」という町,プレイヤーは自らの血をエネルギーとする武器で異端者や異形と戦いながら,その町に1000年もの昔からあるという謎を解き明かしていく。
Grave Seasons
“ホラー×牧場生活シム”を謳う作品で,ホラーやSFなど,さまざまなジャンルを融合したゲームを得意とするPerfet Garbageが開発を手掛けている。
色味とピクセルスタイルが特徴の“のどかなゲーム”に見えるが,舞台となる孤立した山間の町には異常な連続殺人犯が潜んでいる。プレイヤーは,農作業や町の人との交流を行いつつ,犯人を突き止めていくのだ。
公式X
https://x.com/perfectgarbo
Sleep Awake
遠い未来を舞台にした1人称視点のサイケデリックホラーゲーム。本作がデビュー作になるというEyes Outが開発を進めている。
Fear the Spotlight
Cozy Game Palsが手掛ける,ノスタルジックな世界とビジュアルが特徴のホラーアドベンチャーだ。プレイヤーは,放課後の学校に忍び込んだヴィヴィアンを操作し,怪異に見つかることがないよう校内を探索。途中ではぐれてしまった友だちのエミリーを探し出し,さらに学校に隠された悲劇の真相を解き明かしていく。
Steamストアページ
https://store.steampowered.com/app/1959390/Fear_the_Spotlight/
※配信一時停止
The Simulation
発生した事件を,ホラーゲームでシミュレートし解決を目指すという,一風変わった推理ゲームだ。制作は,チリのサンティアゴに拠点を置くゲームスタジオのPlayMe Studio。プレイヤーは,調査の協力のため呼ばれたゲームデザイナーとなり,とある犯罪現場に唯一の証拠として残されたホラーゲームを使って事件を解決していく。またこのホラーゲームには,隠された秘密もある。この“現実を超えた恐ろしい真実”を調査していくことも目的のひとつだ。
Project C
「Her Story」「IMMORTALITY」のサム・バーロウ氏と,デヴィッド・クローネンバーグ氏を父に持ち,映画「アンチヴァイラル」「インフィニティ・プール」などの監督として知られるブランドン・クローネンバーグ氏が制作に関わっているホラーゲーム。それ以上の情報はまだないのだが,ホラー好きであれば追いかけておきたいプロジェクトだ。
2024年6月8日から10日まで現地で行われる関係者向けイベント「Play Days」では,ラインナップのひとつ「Fear the Spotlight」のデモ版が試遊出展されていた。さっそくプレイしたのでレポートしよう。
2023年9月にCozy Game Palsのパブリッシングタイトルとしてリリースされたが,2023年11月に販売が停止している。これは,おそらくBlumhouse Gamesのサポートが決まったからであろう。
現在は,ゲームの新要素の追加,翻訳の改善と言語選択の追加,コンシューマ版の展開などに向けたゲーム制作を進めているようで,販売の再開が待たれる。
今回のデモ版は,主人公のヴィヴィアンとその友人のエイミーが放課後の学校に忍び込んだところから始まった。
2人の目的は降霊術で,まずはそれに必要な文字盤のある図書室を目指すことになる。暗くて不気味な校内は,ローポリゴン風のグラフィックスも相まっていい感じだ。
図書室に入りガラスケースを見つけたら,それにインタラクトして中に文字盤が収納されているのを確認する。
ガラスケースには鍵がかかっているので,次はその鍵を探しに行くことになるのだが,鍵がある部屋に行くにはカードキーが必要……といった流れに。しばらくは必要な物を集めるため,ヴィヴィアンを操作して図書室のあちこちを探し回ることになる。
基本的な操作は,左スティックでの「移動」と物への「インタラクト」,そして「しゃがむ」「走る」と非常にシンプル。カードキーや鍵を使うときも,対象物にインタラクトすれば手持ちのアイテムが表示されるので,必要なものを選ぶだけでいい。雰囲気は1990年代のゲームなのだが,操作性については今のゲームとしてほどよい調整が行われている印象だ。
文字盤を手に入れると,2人は図書室のテーブルで向かい合って降霊術を始める。明かりは,文字盤を囲うように置かれた4本の蝋燭の火だけ。
「どうぞおいでください」「おいでになられたらYESにお進みください」「えっ,どうして? 私動かしてない!」「私も……」というお約束的なやり取りのあと,蝋燭の火がひとつ,またひとつと消えていく。
そして,エイミーの背後の人影が見えたその瞬間,ガタガタという音とともに部屋は真っ暗になってしまう。
ヴィヴィアンが一本の蝋燭に火をつけてあたりを見渡すと,エイミーの姿がない。さらに図書室の本棚はなぎ倒されており,そして何者かが徘徊する音がする。恐る恐る図書室内を探し回り,どうにかエイミーを見つけるも,これまたなんの怪奇現象か,エイミーは謎の空間へと吸い込まれていった。
そして突如として燃え始める校内。炎を避けながら逃げ回っていると,今度は壁に道が開き,ヴィヴィアンはその中へと消えていく……と,ここでデモは終了した。
ゲームの舞台である学校では,過去に大勢の被害者を出した火災があったようだ。そしてヴィヴィアンは,エイミーを探しつつ,かつて学校に起きた悲劇の真相に迫ることになる。
なお,怪異は火災をイメージさせるものが多い。ヴィヴィアンが炎に追われたときに開いた壁は,火災の被害者のモニュメントがあった場所で,防犯のセンサーライトの光に当たるとジリジリと身体を焼かれるような演出(ダメージも?)がある。
さらにヴィヴィアンは持病があるのか,ゲーム中にインヘイラー(吸引薬)をアイテムとして使用する場面があった。肺か気管支などに関わるものなので,なにやら関連しているのかもしれないと思うと気になる。
放課後の学校と降霊術というちょっと都市伝説めいた設定と物語は,海外が舞台ながら我々日本人でもすんなりと入っていけるだろう。Steamのストアページには,インタフェースと字幕の日本語対応が記載されているので,気になる人は続報を追ってみるといい。
「Blumhouse」公式サイト
- 関連タイトル:
Crisol: Theater of Idols
- 関連タイトル:
Grave Seasons
- 関連タイトル:
Sleep Awake
- 関連タイトル:
Fear the Spotlight
- 関連タイトル:
The Simulation
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