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イベント
「モンスターハンターワイルズ」発売前夜イベントをレポート。TVCMに出演中の西野七瀬さんがイャンクックの群れにチャレンジ
このイベントでは,本日(2月28日)にリリースされた「モンスターハンターワイルズ」(PC / PS5 / Xbox Series X|S)のTVCMに出演している俳優・タレントの西野七瀬さんをゲストに招き,同タイトルにまつわるトークや実機プレイなどが披露された。
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開発チームを代表して登壇したのは,「モンスターハンターワイルズ」プロデューサーの辻本良三氏,アートディレクター兼エグゼクティブディレクターの藤岡 要氏,ディレクターの徳田優也氏の3名だ。
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徳田氏によると,本作の開発期間は最初に書いた企画書から数えるとおよそ6年にもおよぶという。また,辻本氏は今もタイトルアップデートを作っており,開発はまだまだ続いていると語った。
そうした長い開発期間の中では,これまでの「モンスターハンター」シリーズ以上にNPCの生活感やモンスターの群れを描くことにチャレンジしていたと藤岡氏は述べる。とくにNPCに関しては,どうしたら人間らしく自立した動きになるのか,手探りで作っていったとのことで,非常に苦労したそうだ。
さまざまな苦労を経て,ようやく本作がリリースされることについて,徳田氏は「僕の中ではすごく自信のあるものになった」とし,多くのプレイヤーに触ってもらえることが嬉しい半面,緊張もあり,楽しみだと話していた。
徳田氏は,本作でこだわった部分として,「ストーリーとそこから得られるゲーム体験」と「拠点とフィールドをシームレスで行き来できること」を挙げた。
とくに後者に関しては,従来だと拠点のクエストボードからクエストを受託し,フィールドに出てクエストをこなして,また拠点に帰って来るというゲームサイクルだった。
しかし,本作ではクエストのターゲットとなるモンスターを倒してもフィールドの環境が継続して変化し続け,そのタイミングでしか見られない出来事や体験できないクエストなどが頻繁に発生する。そのため,より止めどきの分からないゲームになっていると徳田氏は語っていた。
話題は,会場に展示されていたアルシュベルド防具「シュバルカα」シリーズの等身大フィギュアにもおよんだ。
アルシュベルドは本作のメインモンスターで,この防具にはその大きな特徴である甲殻とファーが重なり合うようにあしらわれている。藤岡氏は,そういった複雑な要素を再現した制作スタジオに対して,「デザイナーの思惑がしっかり立体化されている」と称賛の言葉を口にしていた。
また徳田氏によると,この防具はゲーム中だとマントが動いて非常に格好いいとのこと。性能面でも変わったスキルが付与されているので,ぜひ期待してほしいそうだ。
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ここでゲストの西野七瀬さんが登壇。西野さんは「モンスターハンター4」からシリーズをプレイしており,本作のTVCMのオファーが来たときにはすごく嬉しかったそう。「本当に好きなものを仕事としてできるのは,本当に幸せ」と感想を述べていた。
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モンスターハンターのテーマ曲「英雄の証」はファンにとっても馴染み深い曲の1つだが,辻本氏によると「モンスターハンターワイルズ」では,新たに収録された「Wilds Version」が流れるという。こちらはゲーム本編はもちろん,27日に公開されたトレイラーで確認できる。
イベントの後半では,西野さんと辻本氏がイャンクック狩猟クエストの実機プレイを披露。西野さんは長らくハンマーを武器として愛用してきたが,本作では狩猟笛も試してみたいとのことで,今回のプレイでは狩猟笛でチャレンジすることに。
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イャンクックは,初代「モンスターハンター」から存在しているモンスターで,シリーズ全体では本作が8年ぶりの登場となる。
狩猟の基本を学べるモンスターとして,ハンターから“先生”という相性で長らく親しまれてきたが,徳田氏によると本作では特殊な条件下で“群れ”をなして登場するという。
さらに3月には,特殊な装備が手に入るイャンクックのイベントクエストが配信される予定とのことだ。
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辻本氏の裏工作により,4体のイャンクックを同時に相手にすることとなった2人だったが,何とかターゲットを弱らせ,巣に向かわせることに成功。
しかし巣には,大量のイャンクックの群れが待ち受けていた! 大タル爆弾の爆発音でイャンクック達を足止めするなど,2人はさまざまな見せ場を作りつつ,見事にターゲット討伐に成功した。
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「モンスターハンターワイルズ」の新情報としては,先日アナウンスされたタイトルアップデート第1弾が,4月初頭に行われる予定であることが明かされた。
徳田氏によると,このタイトルアップデートにて,歴戦モンスターよりさらに手強いモンスターなど,チャレンジしがいのあるコンテンツも登場するそうだ。また,ハンター同士のコミュニケーションの幅を広げる要素なども予定しているという。
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イベントのエンディングでは,開発陣が長らく開発してきた本作をようやく多くの人に届けることができることへの喜びを表し,今後公開されていくタイトルアップデートなどの情報にもぜひ注目してほしいと語った。また西野さんは,1人のハンターとして「ぜひハンターライフを楽しみましょう」と呼びかけていた。
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イベント終了後には,開発陣3名に対する囲み取材が行われた。その模様をお伝えして本稿の締めとしよう。
──本作をプレイするハンターに,まず何をしてほしいか,何を見てもらいたいかを教えてください。
辻本良三氏(以下,辻本氏):
本来であれば,まずはキャラメイクからやってもらいたいのですが,オープンβテストでキャラクターを作った人は引き継ぐこともできるので,自由に遊んでいただけたらと思います。
今回,ゲームを始めたらストーリーの導入部分で「モンスターハンターワイルズ」の雰囲気を味わえますので,そこから本作の冒険が始まるというワクワク感を楽しんでください。
藤岡 要氏(以下,藤岡氏):
世界に入り込んでもらえると嬉しいです。物語を楽しみながらゲーム性にもどんどん慣れていける作りになっているので,まずはストーリーを楽しんでください。
徳田優也氏(以下,徳田氏):
ストーリー上では,ゲーム的に取り返しのつかない要素はないですが,会話にはそのときしか聞けないようなものも一部あります。会話や設定が好きな方は,話しかけられるNPCから話を聞くと,より深く楽しめます。
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辻本氏:
今回は,日本を含めたグローバルですごく盛り上がっている感覚を受けています。それは,各国を回ってコミュニティやメディアの皆さんに会って話をさせてもらったことで実感しました。プライベートな時間でも,いろんなところで本作の話を聞く機会があったりと,本当に盛り上がっていると思います。
徳田氏:
「モンスターハンター:ワールド」のときは,海外だと「それ,何?」というような反応が多かったんです。
今回は,たとえばドイツに入国するときにゲームのディレクターを名乗ったところ,「何を作ってるんだ?」と聞かれたので「モンスターハンター」と答えたら,「あれはいいゲームだね」と返ってきました。
そのように,「モンスターハンター」を知っている前提で質問をしてもらえる機会が増えたので,状況が大きく変わったなと捉えています。
──システム的にオススメのものがあれば教えてください。
辻本氏:
いろいろありますけれども,やはりセクレトが移動を初め本当に便利なシステムになっています。たとえばピンチになったらセクレトに乗ることで,危機を回避できますし,いろんな部分で活用できます。
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──注目してほしいモンスターを教えてください。
辻本氏:
アルシュベルドです。あまり突っ込んだことは言えないのですが,ストーリーにかなり関わってきます。
徳田氏:
ヌ・エグドラという,タコのような骨格を持つモンスターです。「モンスターハンター3」のころからああいったモンスターを作りたいと考えていたのですが,地面にたくさんの脚を這わせる部分が技術的に難しくて,今回やっと実現できました。
サウンドなども含めて,かなり迫力のあるモンスターになっていますので,ぜひ注目してください。
藤岡氏:
あまり言えないんですけど,ラスボスです。今まで経験したことのないタイプに仕上がっていると思いますので,ぜひ見ていただきたいです。
──アルシュベルドは本作のメインモンスターですよね。
藤岡氏:
メインモンスターは,シリーズを通して特徴的でなければならない存在であり,またシリーズと長く付き合っていく存在でもあります。そのため,何回遊んでもずっと楽しいという部分を大事にしてデザインを心がけています。
アルシュベルドも,新たなメインモンスターとして本作の世界に馴染んだデザインにできて,存在感のあるいいモンスターに仕上がったと思います。
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──モンスターといえば,イャンクックが8年ぶりに登場します。
徳田氏:
今回は,群れや自然の豊かさと厳しさをしっかり描くことを目指しました。その中で,イャンクックは群れや自然の豊かさとうまく合致するんじゃないかと考えたんです。
今までの先生というポジションではなく,ハンターにとっても旨味があるポジションで新たに再定義することができそうだなということで,登場させました。
──イベントのトークでは,「ほかに先生役がいる」という発言もありましたよね。
徳田氏:
たとえばチャタカブラは点の攻撃が多いモンスターですし,ケマトリスは範囲攻撃を仕掛けてきます。ラバラバリナは旋回してくるので,必然的にカメラ操作が必要になります。そうやって,いわゆる先生役を分散することにより,自然に狩りのノウハウを学べるような設計にしました。
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──タイトルアップデート第1弾ではタマミツネが登場しますが,今後「モンスターハンタークロス」に登場したほかの四天王モンスターも登場するのでしょうか。
辻本氏:
四天王は,あくまでも「モンスターハンタークロス」の特徴的な要素です。本作では四天王にポイントを置いているわけではないので,今回は位置付けが少し異なると捉えていただけたらと思います。
──ガムートがなかなか出てこないという意見も見られますが。
辻本氏:
タイトルごとのシステムとモンスターの相性が,1つのポイントになります。ガムートはデカいんですよね。
「モンスターハンタークロス」は,高さのある攻撃を繰り出せるタイトルだったので,ガムートみたいな巨大なモンスターを出しやすかったんです。そのように,各タイトルのシステムや遊びの部分を踏まえて,登場モンスターを選出しています。
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──本作では,モンスターと人間の共存を描こうとしていると感じたのですが,その点はいかがでしょうか。
藤岡氏:
今回は,人も含めた「モンスターハンター」の世界を描いてみたいと考えました。いろんな形で生活している人たちがハンターと関わっていくことにより,結果的にハンターとはどういう存在なんだろうということを体験していただけるストーリーやゲーム体験にしようというところが出発点になっています。
そのため生活をしっかり描くことで,没入感が高まるようにしています。
──食事シーンもリアルで,こだわっていますよね。
藤岡氏:
リアルと一言で言ってしまうと実はそうでもないんですけれど,「美味しそう」と単純に感情が揺さぶられるような描写にはこだわりました。
今回は,人の生活感もモンスターの生態系と同様に大事に描いています。やはり「働いたらお腹減るよね,美味しいもの食べたいよね」という単純な欲求を,なるべくビジュアルで表現してあげたいという気持ちがありました。
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──本作で初めて「モンスターハンター」に触れるという初心者に向けて,アピールをお願いします。
辻本氏:
「モンスターハンター:ワールド」以降,こちらでもいろいろなプレイデータを見ることができるようになり,それを踏まえて初めてプレイする方や初心者の皆さんがどこで迷っているのか,なぜ止めてしまったのかなどを開発陣で分析・研究しています。
本作でも仮説を立てて,そこに対してケアするということに取り組んでいます。とくに「モンスターハンター」の醍醐味,つまりモンスターとの駆け引きにたどり着くまでのスムーズさに関してはかなりケアをしており,必ず到達できるようになっていますので,初心者の皆さんにもぜひプレイしていただきたいです。
「モンスターハンターワイルズ」公式サイト
- 関連タイトル:
モンスターハンターワイルズ
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モンスターハンターワイルズ
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モンスターハンターワイルズ
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- Xbox Series X|S:モンスターハンターワイルズ
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- ライター:大陸新秩序
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