イベント
迫力満点のアートが彩る,ダークな世界観が魅力。ウサギたちが戦うダンジョンRPG「ラビットコンクエスト」をプレイ
会場ではスマートフォン版が出展されていたが,現在は大幅な改修作業を行っているところで,最終的な対応機種は未定とのこと。独特なタッチで描かれるメインビジュアルが美しく,最近では珍しい3DダンジョンRPGということもあり,今後の動向が気になる作品の1つだ。
そんな本作を手掛けるのは,ゲームブックの挿絵などで活躍するイラストレーターの千星六左エ門氏だ。迫力のあるタッチが特徴的で,ゲーム内には千星氏のイラストがふんだんに使われている。Xアカウントでゲーム本編につながる物語を描く漫画「Rabbit Conquest World Guide」シリーズが公開されているので,世界観に興味を持った人はそちらもチェックしてみよう。
Rabbit Conquest World Guide?#ラビットコンクエスト#創作漫画 pic.twitter.com/PhtCtlrSof
— RabbitConquest (@RabbitConquest) February 20, 2021
会場には限定範囲を遊べる試遊版が設置されるとともに,クローズドβテストに参加できるQRコードが配布されていた(現在は一時停止中)。CBTの範囲は試遊版よりも広く設定されていたが,CBT版はネタバレ範囲が含まれているとのことなので,今回は試遊バージョンで遊べた範囲のみのスクリーンショットを用いつつプレイレポートをお届けしていく。
「ラビットコンクエスト」公式サイト
イラストの圧倒的クオリティと物量
それらが描き出すハードな世界観が魅力
ラビットコンクエストの世界では,ウサギたちが“人類”として生活している。しかし,地下には危険な魔物たちが蠢き,これらとの戦いは常に生活の安全をおびやかしていた。そうした「地下世界」からの侵攻を食い止めるため,ウサギたちは種族をこえて力を合わせ,地下に広大な砦を建設した。神話の時代に始まったとされる戦いの痕跡は,現代まで残る“迷宮”という形で姿を残している。
プレイヤーは,そうした迷宮を探索する専門家「迷宮鑑定士」の一員だ。さまざまな出自や能力を持つウサギたちでパーティを組み,危険な迷宮の踏破を目指すことになる。
起動してみて驚いたのは,なんといっても,アートワークのクオリティと物量だ。小説の挿絵のような陰影が映えるモノクロのアートは力強く格好良く,しかもカットシーンやキャラクターといった形で次々に出てくる。
ストーリーが進行するシーンでたくさんのイラストが使われるだけでなく,キャラクターの立ち絵も非常に多い。基本種族(4種類)と基本職業(5種類)の立ち絵が組み合わせで変化するというのに,特殊種族や上級職まで存在するというのでから驚きである。
さらに,インタフェースの枠組みデザインなどもタッチが統一されており,画面全体を通して世界観を伝えようという意思を感じられる。RPG作品として,こういった部分にこだわりがあるのは嬉しいところだ。
基本的なシステムは,往年の3DダンジョンRPGや「ダンジョンズ&ドラゴンズ」がベースになっているようだ。
本作のキャラクターは「種族」「生い立ち」「職業」に加え,職業ごとに設定された6つの「スキル」を持った状態で作成される。いずれの要素もガッツリと性能に影響を与えるので,初期時点でかなり細かくカスタマイズができる。人によっては,キャラクター作成にかなりの時間をかけることになりそうだ。
また,魔法は「呪文書」に書き込む形式が採用されており,キャンプで休憩するたびに内容を入れ替えられる。スキル由来で習得でき,何度でも自由に発動可能な呪文も存在するものの,強力な呪文の多くには回数制限があるので注意しよう。
このあたりは,D&Dにおけるウィザードなどが呪文を“準備”する挙動や,何度でも使える初級呪文を再現したものだろう。インタフェースや行動の流れは「Wizardry」シリーズに近いが,細かな部分でD&D(もしくはそれに類するTRPG)から引用している要素を感じられる。
印象としてはかなり複雑に見える。というより,実際にシステムは複雑なのだが,実はゲームの難度自体はそれほどでもない。少なくとも,今回プレイできた範囲内はかなりサクサクと進むことができた。ドロップ品もザクザク出てきて,資金面でもけっこう快適だ。
会場で解説を担当してくれた千星六左エ門氏によると,ゲームバランスはかなりカジュアル寄りに作られているとのことだった。有用なカスタム要素はたくさんあるが,それをすべて理解せずともクリアまで持っていけるという。
ただし,より深い部分に進もうと思ったらシステムを活用する必要があり,そこに向けた強化要素も用意されているとのこと。まずは“勝つために必要な要素”だけを覚えてゲームを進め,必要になったら細かな要素を見ていく形式でも十分に楽しめそうだ。
ちょっと気になったのは,やはり情報量の多さに対する画面の小ささだ。スマートフォンの画面ではアクセスできる情報を画面に常に出しておく必要があるためか,常にメニューでいっぱいになる場面が少なくない。あと単純に,格好いいアートがギッシリと詰まったゲームなので,せっかくなら大きな画面で楽しみたいところ。
千星氏に聞いてみたところ,現在は修正や改修の作業を主に進めており,PC版のリリースも考慮に入れているとのこと。クセは強いものの,個人開発のタイトルとは思えないクオリティを備えた作品なので,ぜひ多くの人に触れられる媒体でのリリースに期待したい。
「ラビットコンクエスト」公式サイト
「BitSummit Drift」公式サイト
4GamerのBitSummit Drift記事一覧
- 関連タイトル:
ラビットコンクエスト
- この記事のURL:
(C)2019 RabbitConquest , All Rights Reserved