プレイレポート
[プレイレポ]PC(Steam)版「不思議のダンジョン 風来のシレン6 とぐろ島探検録」は明日配信。シリーズ最新作の魅力をあらためて紹介
本作は,「不思議のダンジョン」の「風来のシレン」シリーズ最新作で,1月25日にNintendo Switch版が発売されている。シリーズ完全新作としては,2010年にニンテンドーDS用として登場した「不思議のダンジョン 風来のシレン5」から約14年ぶり。待ち望んでいたファンも多いであろう。
「不思議のダンジョン」は,入るたびに形が変わるダンジョンに挑戦し,知恵とひらめきをもって踏破を目指すというという,由緒正しき“ローグ(ライク)”の遺伝子を持つシリーズだ。
倒されるとレベルと持ち物を失って,また「はじめから」になるという“パーマデス”のシビアさと,経験によって対応力を培っていく“繰り返しの楽しさ”が詰め込まれている。
Switch版は,発売後にプレイアブルキャラクター「狐渇シレン」「竜海シレン」の追加や,ダンジョンの拡張を含む無料アップデートを実施。さらに有料DLCとして,「コッパ」や「アスカ」でも遊べるようになる「plus パック」も配信している。
このたび発売されるPC版は,無料アップデート内容をすべて収録したものだ。もちろん「plus パック」も同時に配信され,さらにゲーム内の全109曲を収録したデジタルサウンドトラック「劇伴音楽之巻」も販売される。
今回,PC版を発売に先がけてプレイする機会を得た。仕事なのを忘れて,ついうっかり30時間近く遊んでしまったので,PC版ならではの操作感や「シレン6」のおもしろさ,そして「plus パック」で追加されるコンテンツについて紹介しよう。筆者のように,PC版の発売を心待ちにしていたPCゲーマー諸君は,ぜひ参考にしてほしい。
「不思議のダンジョン 風来のシレン6 とぐろ島探検録」公式サイト
「シレン6」の新システムを紹介!
本作で新たに追加された基本システムを紹介しよう。
まずは,ダンジョンに強敵として登場する「デッ怪」だ。こいつは,異世界につながる「デッ怪ホール」から出現し,しばらくすると消えるという習性を持っている。9マスサイズの巨大なモンスターで,攻撃力が高く,正面や左右からの攻撃を無効化するので,かなり厄介だ。
だが動きが遅く,後ろと中心への攻撃には極端に弱いので,倒すこと自体は難しくない。とはいえ,倒しても得られる経験値は少なく,旨味が少ないので,基本的には逃げるのが賢い選択になるだろう。
キャラクター状態のひとつ「ドスコイ状態」は,シレンの満腹度が150以上になると発動する。最大HPが上昇し攻撃力が強化され,罠を踏み潰して無効化でき,さらに通常攻撃で壁を掘れるなどのメリットがあるが,重すぎて高飛びや飛びつきなどの道具による移動ができなくなるデメリットもある。
満腹度の基本上限は100だが,満腹の状態で「おにぎり」などを食べると上限が上がっていくほか,満腹度の上限を一発で150まで上げられる「ちゃんこおにぎり」という食料もある。戦略的に使うことで,ダンジョン攻略に役立てたい。
時限イベントの「熱狂の祭り」は,フロア内を探索中に突然発生する。指定された秒数だけ道具が大量発生したり,あるいはモンスターが大量発生して経験値が2倍になったりする。
ローグライクは,じっくり考えて答えを出すのが基本だが,リアルタイムの制限が付くことで新鮮な“焦り”を感じられる。無理に道具を拾ったり敵を倒したりする必要はないので,偶発的な要素として楽しみたい。なお,焦った勢いで死なないように注意!
“偶発的”という意味では「神器」システムも見逃せない。神器は,ランダムな強化が施された特別な武器や盾で,通常の装備品と比べて基本性能が高く設定されている。また,追加効果である“印”も,本来ないものが付与されている場合がある。
神器には「青の神器」と「金の神器」があり,青の神器でもかなり珍しいが,金の神器はさらにレアという位置づけだ。最強の武具を探すという“トレハン的要素”としても非常に楽しいが,持ち込み不可のダンジョンにおいては,(合成などの手間がなく)はじめから強力な性能を持つ神器を手に入れることも攻略のカギだ。
神器は,青白い光や金色の光を放っており,非常に目立つ |
本作では,シレン5にあった「昼夜システム」「技」「装備成長」などが撤廃されている。これは“原点回帰”を開発コンセプトにしたことで,シレンシリーズの本質的な面白さを見直して,要素の取捨選択をしたからだそうだ。
そんな開発意図もあってか,非常に分かりやすく,楽しみやすい「不思議のダンジョン」となっているので,シリーズを初めてプレイする人にも非常にオススメできる。
PC版について
本編や追加コンテンツは,Switch版と同じなので,PC版で気になるところといえば「操作について」だろう。
PCゲームといえば,キーボードとマウスを使って遊ぶプレイヤーが多いと思うが,本作の操作は「キーボード&マウス」ではなく,「キーボードに両手を置く」タイプとなっている。
移動については,上下左右に使う[W][A][S][D]に加えて,ナナメ移動に対応する[Q][E][Z][C]が割り当てられている。右手はホームポジションに置く想定だと思われるが,[J]で決定・攻撃,[K]でもどる・ダッシュ,[I]でメニュー,[U]で振り向きと,よく使う機能は周辺にまとまっている。慣れると,かなり快適だ。
携帯機との相性がいい「シレン」だが,PC版はSteam Deckなどの携帯型ゲームPCに対応しているので,持っている人はそちらで遊んでみるのもいい。Switch版よりも高解像度なので,本作の舞台である「とぐろ島」の美しい風景が,さらに鮮やかに楽しめるのも魅力的なポイントだ。
なお,シレン6の新機能でもないし,PC版のみの仕様でもないが,「ライブ探索表示」は非常に便利。配信者向けの機能ではあるのだが,手持ちの道具がいつでも見られるし,あまり意識しないプレイ時間やターン数といった情報も見られる。初期設定では[BackSpace]に設定されているので,一度試してみてほしい。
機能追加アップデートとDLC
発売日から膨大なボリュームで遊べる!
Switch版では,無料の機能追加アップデートとして,プレイアブルキャラクター「狐渇シレン」「竜海シレン」や,6種の新ダンジョンなどが追加された。
また,有料のDLC「plus パック」を購入すれば,プレイアブルキャラクター「コッパ」「アスカ」を使ったダンジョン攻略が可能になるほか,10種の新ダンジョンで,さらなる冒険も楽しめる
本編だけでも十分に遊び込めるだけの奥行きがあるゲームなのに,そこにコンテンツがバンバン追加されている。本作のボリュームはまさに膨大だ。
ダンジョン数はかなり多い。DLCも購入すれば,ボリューム不足に悩むことはまずない |
PC版は,最初から無料アップデート分が収録されている。また有料DLCも,本編のリリースと同時に配信される。そのため,プレイする時間が足りないと感じることはあっても,プレイボリュームが足りないと感じることはないはず。先にも述べたが,筆者もPC版の感触を確かめるだけなら,数時間のプレイでいいのに,ドハマりして相当プレイしてしまった。
「少々やりすぎてしまったようです。」 |
本編については,Switch版の過去記事で何度か紹介しているので,ここからは有料DLC「plus パック」のコンテンツから,プレイアブルキャラクター「コッパ」「アスカ」を紹介しよう。
「コッパ」と「アスカ」は,ストーリー上で使用することはできず,拠点にある「御神木(ごしんぼく)」のダンジョンで使用可能だ。
御神木から挑めるダンジョンは,シレンでクリアしたことのある場所のみ。要は,一度クリアしたこのとあるステージ(ダンジョン)を,特殊なキャラクターで挑戦できる仕組だ。
なおストーリーとは違い,通常のルールで挑む「ノーマルアタック」のほか,1ターンの行動に時間制限が付く「早指しアタック」など,特殊ルールも付与できる。
「コッパ」は,敵から逃げることに特化した,非常にトリッキーなキャラクターだ。通常攻撃ではダメージを与えられないだけでなく,武器や盾,腕輪などを装備できず,矢や石といった投擲物も使えない。
ストーリーで使えないのも当然といった性能で,不思議のダンジョンを初めてプレイする人にいきなりコッパをプレイさせれば,頭が混乱するだろう。
最大の特徴は,「倍速行動」と「地面に潜ってやりすごし」を固有能力として持っていること。常に倍速で移動するため,敵に挟まれない限りは逃げられるし,仮に挟まれそうになっても,地面に潜って時を待てば移動のチャンスは巡ってくる……はず。また,満腹度を消費して使える“特技”を4つ持っており,ピンチを乗り切る能力は意外にもある。
主人公のシレンとはプレイ感覚がまったく違ううえに,プレイ難度も非常に高い。最大HPの低さゆえ,画面外から遠距離攻撃をしてくるモンスターにめっぽう弱いし,罠を踏んで眠ってしまい,そのまま死亡なんてこともある。少しの甘えた動きも許されない,スリリングな冒険を楽しめるキャラクターだ。
「アスカ」は,シレンと非常に特徴が似ている。武器や盾,腕輪などを装備でき,矢や石といった投擲物も使いこなせる。
キャラクターとしてのテーマを一言でいうと,「やられる前にやれ」だ。
アスカの特徴として,武器で与えるダメージはシレンよりも高く,盾で防げるダメージはシレンよりも低く設定されている。
さらに,通常攻撃が一定確率で会心の一撃になり,より高いダメージを与えることも可能だ。新システムであるドスコイ状態では,満腹度の減少が早まるが,通常攻撃が常に会心の一撃になる。全体的に,不思議のダンジョンの基礎である「先手の重要性」がより際立つ性能だ。
ダメージ関係の違いはあるにしても,プレイ感はシレンに似ており,本作をやり込んでいればいるほど,プレイ難度は低め。すべての道具が使えるので,対応力の高さをいかしてダンジョンの踏破を目指せる,王道的なキャラクターとなっている。
「plus パック」を購入していれば,「コッパ」はメインストーリーのクリア後,「アスカ」はメインストーリー中盤以降に遂行できる関連イベントをクリアすることでプレイアブルキャラクターとして開放される。
なお,「狐渇シレン」などのプレイアブルキャラクターについても,ストーリーを進めることで開放が可能となっているので,シレン以外での冒険を早く楽しみたい場合は,まずメインストーリーのクリアを目指すといい。
シレン6には不思議のダンジョンの魅力が詰まっている!
本作には,ダンジョン内で倒されてしまったときにインターネットを介して,ほかのプレイヤーに助けてもらう「風来救助」がある。
助けてもらえれば,道具やギタン(お金)を失わずに,倒れたところから仕切り直しての再開が可能だ。PC版とSwitch版はクロスプレイに対応しているので,PC版のプレイヤーでも,Switch版を含めた風来人に救助してもらえるのがうれしい。
「シレン6」では,時に得たもののほとんどを失ってしまうこともある。シリーズを初めてプレイする人には難しく感じるかもしれないが,プレイを楽しむうえで最も重要なのは,失敗の経験から得た知恵とひらめきだ。
倒されてしまったときに,「ああすれば切り抜けられたかな」と振り返ったり,ゲーム内の“もののけ手帳”を見てモンスターについて深く知ったりすることで,次の冒険の攻略が見えてくる。
モンスターについて知るのは非常に重要。厄介な敵をどう対処するか,事前に考えておくのが“デキる風来人”だ |
“ローグライト”なゲームが流行している昨今,不思議のダンジョンを代表とする“ローグライク”を遊んだことがない読者も多いかもしれない。
「シレン6」は,高い完成度,膨大なボリューム,分かりやすい楽しさで,人を選ばずオススメできるタイトルに仕上がっている。シレンを知っている人も,シレンを知らない人も,PC版の発売を機にプレイしてほしい。
「不思議のダンジョン 風来のシレン6 とぐろ島探検録」公式サイト
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不思議のダンジョン 風来のシレン6 とぐろ島探検録
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