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Intelが「Xe2」アーキテクチャ採用のデスクトップPC向け新世代GPU「Intel Arc B580,B570」を発表。RTX 4060を上回る?
開発コードネーム「Battlemage」(バトルメイジ)とも呼ばれる新GPUシリーズは,内蔵するGPUコア数や動作クロック,グラフィックスメモリ容量などが異なっている。主なスペックは表のとおり。
初代のIntel Arc Aシリーズは,価格対性能比は悪くないものの,競合であるNVIDIAやAMDのGPUに比べると,最終的なゲーム性能で及ばないという問題があり,ゲーマーが積極的に選ぶGPUとは言い難かった(関連記事)。
その反省を生かしてIntelは,Xe2アーキテクチャにおいて,さまざまな性能向上のための強化を施している。たとえば,内部演算ユニットの単位である「Xe-Core」の性能向上や,内部的な遅延やオーバーヘッドの低減,L1キャッシュの増量といった細かい改良が加えられているという。
こうした改良により,前世代の「Intel Arc A750」とIntel Arc B580を比較すると,解像度2560×1440ドットの条件で平均24%の性能向上を実現しているという。
また,Xe2アーキテクチャGPUでは,AIベースの超解像&アンチエイリアシング技術「XeSS」(Xe Super Sampling technology)が,「XeSS2」に進化したのもポイントだ。
XeSS2では,AIベースのアップスケーリング処理「XeSS Super Resolution」(XeSS-SR)に加えて,NVIDIAの「DLSS 3」やAMDの「FSR 3」に相当するフレーム生成技術「XeSS Frame Generation」(XeSS-FG),そして遅延低減技術「Xe Low Latency」(XeLL)といった機能が加わった。フレーム生成技術や遅延低減技術は,NVIDIAやAMDの現行世代GPUでは一般的な機能となっており,Xe2世代GPUでは,その点でも競合に追いついたわけだ。
ゲーマーにとって気になるのは,Intel Arc B580/B570が,NVIDIAやAMDのGPUに対して,どれくらいの性能を有するのかだ。Intelは,NVIDIAの「GeForce RTX 4060」(299ドル)やAMDの「Radeon RX 7600」(269ドル)を比較対象に,249ドルのIntel Arc B580は,「同価格帯で最高の性能」を有するとアピールしている。
Intelの発表に合わせて,ASRockは,Intel Arc A580搭載のグラフィックスカードを12月13日に発売すると発表した。ラインナップは,「ASRock Intel Arc B580 Steel Legend 12GB OC」と「ASRock Intel Arc B580 Challenger 12GB OC」の2製品で,税込のメーカー想定売価は順に,5万2980円,4万9980円となっている。GeForce RTX 4060の実勢価格が4万円台前半から5万円台前半なので,それよりもやや安い程度の価格で匹敵する性能を発揮できるなら,Intel Arc B580には十分に価値があるだろう。
ただ,実際のゲーム性能で匹敵できるかどうかは,ドライバソフト次第という面もある。Intel Arc Aシリーズでは,ドライバソフトの最適化不足が足を引っ張り続けた。最新世代のGPUが,それに相応しい性能を発揮できるかどうか。Intelの最適化努力に期待したい。
IntelのIntel Arcグラフィックス情報ページ
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Intel Arc B
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