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韓国のインディーゲームイベント「BIC」と,韓国のゲームプラットフォーム「Stove」が共同で行った記者会見をレポート[BIC2024]
Smilegateが展開するゲームプラットフォーム「Stove Indie」が,BIC2024のプラチナスポンサーという関係性になっている。
本稿では,記者会見の内容をお伝えしよう。
「Stove Indie」
「BIC 2024」公式サイト
――StoveのKPI(重要業績評価指標)は何ですか?
Smilegate Stove事業総括代表 ペク・ヨンフン氏(以下,ペク氏):
Stove Indieはまだ,認知度の高いプラットフォームではありません。現時点では月間アクティブユーザーの拡大を最重視しています。
単純にプラットフォームを通じてゲームを発信するだけでなく,Stoveにはプレイヤー同士のコミュニティとしての機能があります。目当てのゲームをクリアしたプレイヤーも,ほかのゲームをプレイしたり,プレイヤー間で意見を交換したりして,コミュニティを離れないような環境を作ることが目標です。
――BICが10周年を迎えたことに対する思いを教えてください。
ペク氏:
BICは,インディーゲーム業界にとってのお祭りだと思います。Stoveの事業としても価値あるイベントであり,今後はインディーを事業化する空間として広めていきたいです。
BIC事務局長 ソ・ジョンスク氏(以下,ソ氏):
BICを10年間ずっと見届けている立場としては,開発者向けのイベントとして出発し,10年間その価値を維持していると思います。インディーのみならず,韓国のゲーム業界全体にとって大事な役割を果たしています。最初はB2Cのイベントとして始めましたが,今後は企業間の協業を拡大していきたいです。
――インディーゲームのパブリッシングにおいて,Stove Indieにはどのような優位点がありますか。
ペク氏:
Stove Indieでは持続的な発展のための投資をしています。単発のパブリッシング契約で収益を出すのももちろん大事ですが,プレイヤーが集まり,ゲームを購入し,プレイするという生態系が1つのプラットフォーム内にあるのはStoveだけだと思います。
――モバイルからPCやコンシューマへと方向転換する開発者が増えてきていますが,彼らにどのようなサポートを提供していますか。
ソ氏:
BICはこれまでに出展されたタイトルのアーカイブに力を入れています。数年前からPC版のリリースを希望する人が増えてきて,今ではほとんどの開発者がPC版をリリースし,コンシューマ版のリリースも希望していると思います。Xboxとはパートナーシップを結んでいて,協力関係を維持するために努力しています。
ペク氏:
ほとんどの出展タイトルがPC向けなので,根本的な原因を開発者に聞いたことがあります。モバイルのマーケティング競争が苛烈になりコストが上がったため,より多くのプレイヤーにリーチするためにPCに移行したようです。
Stoveでは,PCに移行する開発チームにとってプレイヤーに露出しやすいシステムを構築できていると自負しています。クリエイターの作品をできる限り合理的に発信するための構造を強化し,来年の月間アクティブユーザーはさらに増加させる予定です。また,マーケティング面でプレイヤーに近付きやすくしてほしいというクリエイターの需要にも対応しています。
――Stove Indieの発展にともなって,独占の問題が発生するかもしれません。こうした懸念については,どのように考えていますか?
ペク氏:
Stoveの成長に期待していただき,ありがとうございます。しかし,独占に関してはしばらくはないでしょう。3〜5年でそのような話が出るのなら,それはStoveが非常によくやっている未来だと思います。グローバルでは多くのプラットフォームがありますし,Stoveは彼らと競っています。昔のような韓国国内での競争ではありません。
――BICとBurning Beaver(Stoveが主催するオフラインイベント)の提携はありますか。
ペク氏:
その2つは準備するメンバーがかぶっているので,すでに協力関係にあると思います。BICがお祭りの場だとしたら,Burning Beaverはインディー開発者達の忘年会のようなものだと捉えています。
――インディーゲームをグローバルに発信する支援は可能ですか? また,既存のグローバルプラットフォームと差別化できるポイントはありますか?
ペク氏:
ローカライズ,品質保証,対象地域の文化を取り入れるためのコンサルティングが可能です。Stoveはまだ,グローバルプラットフォームと競争ができるレベルには達していません。Stoveで取り扱うタイトルでも,Steamでのリリースを選択肢に入れています。しかし,Stoveでリリースするときのメリットを増やそうと努力していて,今はアジア市場の攻略に力を入れています。
――BICが10周年を迎えられた理由はなんだと思いますか。
ソ氏:
BICは順調に規模を拡大し,第3回で有料化しました。これは,高品質なフィードバックを得たいという開発者の需要によるものです。コロナ禍ではつらい経験をしましたが,それをきっかけにオンラインプラットフォームやアーカイブの基盤を構築できました。このような積み重ねが10周年につながったと思います。
ペク氏:
段階的に成長してきましたが,2020年以前とは違って,今ではゲーム業界全体がBICに興味を持っていることに価値があると思います。将来的にはG-STARのような巨大イベントになってほしいです。
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