月刊ブロックチェーンゲーム通信　第16号。今回の分析ターゲットは「SERAPH：In the Darkness」

　なんか最近ちょっと流行りつつあるかも……？　ということは知っていても，どんなタイトルがあって，どういうもので，どれくらいの人が遊んでいて，中では何が行われているのか，実際にプレイしてみないとさっぱり分からないのが，ブロックチェーンゲームです。
　なのでこの連載では，毎月のブロックチェーンゲームのユーザー数や取引高ランキングの動向，そのとき話題になっているブロックチェーンタイトルの様々な分析データなどをdouble jump.tokyoが作成し，まとめて皆さんに紹介します。前回は「MapleStory N」（PC）を深掘りしましたが，今回の分析ターゲットは「SERAPH：In the Darkness」です。

　いやいや私はもうだいぶ詳しいから説明なんか要らないよという人は，詳細版のマンスリーレポートだけでもぜひご覧ください。いま現在のブロックチェーンゲームの流れを知るためには，大いに参考になるはずです。

【2025年2月】BCGマンスリーレポート（double jump.tokyo）

「月刊ブロックチェーンゲーム通信」記事一覧

ブロックチェーンゲームのユーザー数ランキング

順位	タイトル	ジャンル	MAU	先月比
1	SpinCity	カジュアル	311万	＋62％
2	LOL	カジュアル	297万	＋1％
3	World of Dypians	MMO	272万	-13％
4	Pixudi	ボードゲーム	162万	＋112％
5	SERAPH	アクションRPG	139万	-5％

※DappRadarから引用（2025年1月28日時点）。なおユーザー数は，各タイトルに関連したブロックチェーンネットワーク上でのユーザーアクティビティをもとにカウントされています。ブロックチェーンに関係のないアプリ内でのアクティビティなどはカウントされていないので，ご了承ください。

　4位の「Pixudi」は，ボードゲーム系のブロックチェーンゲーム。GodsUnchainedを擁するゲーミングチェーン「ImmutableX」との提携が話題です。サイコロを振ってボードを進み，対戦相手とバトルしたり，アイテムを獲得しながらお金を増やしていきます。

　ボードゲームは，もともと物理的なゲームとして長い歴史を持っていましたが，近年はデジタルボードゲーム（Tabletop SimulatorやCatan Universeなど）の普及により，オンラインで遊ぶ文化も広まってきています。
　その流れの延長で，次なる進化形としてブロックチェーン技術を活用した「プレイヤーが資産を持てる」ボードゲームが登場し，アイテムの所有権をプレイヤーに持たせることが可能になりました。

　Pixudiのすべてのゲーム内アイテム（キャラクター，ダイス，ボードスキンなど）はNFTとして発行され，プレイヤーが所有し，マーケットプレイスで取引できる仕組みが導入されています。
　従来のデジタルボードゲームのように，運営会社に依存することなく，プレイヤーが資産を自由に売買できるようになっているわけです。

　自分のキャラクターをカスタマイズでき，将来的にはペットも実装される予定です。

F2Pだが，ゲーム内でトークンを使用してミステリーパックを購入することで，ゲーム内アセットを入手し，よりスムーズにゲームを進めたり，賞金プールやトーナメントに参加する機会を増やすことができる

ブロックチェーンゲームの取引高ランキング

順位	タイトル	ジャンル	取引高	先月比
1	Axie Infinity	TCG	5314万ドル （約79億3115万円）	-43％
2	Overtime Markets	スポーツ	2768万ドル （約41億3124万円）	-8％
3	GodsUnchained	TCG	1797万ドル （約26億8202万円）	-16％
4	NIGHT CROWS	MMORPG	1096万ドル （約16億3578万円）	-38％
5	Alien Worlds	シミュレーション	528万ドル （約7億8804万円）	＋42％

※DappRadarから引用（2025年1月28日時点）。取引高ランキングは，各ゲームのNFTや暗号資産に関連したブロックチェーンネットワーク上のアクティビティを元にカウントされています。ブロックチェーンに関係のないアプリ内でのアクティビティなどはカウントされていないので，ご了承ください。

　今月の取引高ランキングは，前回と同じ5タイトルが並び順も変わらずにランクインしました。しかし全体の取引規模は縮小しており，特に1位の「Axie Infinity」は先月の1億604万ドルから5314万ドルと大幅に減少，ほかのタイトルも軒並み取引高が落ち込んでおり，市場全体が年末の活発な取引の反動を受け，一時的な調整局面に入っている可能性があります。

　とはいえ，ランキング上位の顔ぶれが変わらなかったことから，ブロックチェーンゲーム市場では依然として大手タイトルが強い影響力を持っていることも分かります。今後，新規タイトルの参入や各ゲームの新シーズンイベントがどこまで市場を活性化させるかにも注目していきたいです。


　5位圏内には入っていませんが，賞金付きトーナメントの開催で話題性をあげた「FishWar」というテレグラムミニゲーム上のカジュアル対戦ゲームが伸びてきています。魚となって他のプレイヤーを倒していくカジュアルゲームです。
　ゲームモードは，AI制御の魚と戦うPvEと，ほかのプレイヤーと対戦するPvPの2種類があり，PvPトーナメントでは$FISHWトークンやUSDTを報酬として獲得できます。
　FishWarはSeiブロックチェーンと統合されており，プレイヤーは友人を招待することで，彼らの獲得報酬の一部を受け取ることができるリファラルプログラムも用意されていて，そのためエアドロップ狙いのキャンペーン中でランクが上がってきています。

ポストアポカリプスの海洋世界を舞台にした「FishWar」，魚となって生き残りを目指す

「SERAPH：In the Darkness」の分析

・ゲーム概要

　今回は，ハクスラ系アクションRPGの「SERAPH：In the Darkness」（以下，SERAPH）についての紹介です。


　正式リリースはまだですが，簡単なSNSタスクなどでアクティベーションコードを入手することで，PCまたはAndroidにダウンロードしてテストプレイに参加することができます。
　プレイヤーは，クエスト，財宝の発見，装備のクラフトなどさまざまな冒険を楽しみ，装備の取引やランキングで報酬を得ることができます。


　SERAPHのゲーム性はディアブロライクなアクションRPGで，ダンジョンやクエストを攻略しながらキャラクターを強化し，さらに難度の高いダンジョンに挑戦していきます。自キャラは，現時点ではヴァルキリー，バーバリアン，ソーサレス，ネクロマンサーから1つを選んでプレイすることができます（ドルイドも開発中）。


　ダンジョンの種類は3つあり，NFT装備を持っていれば，NFT装備がドロップするダンジョンに挑戦することができます（そこでは装備の取引を通じてトークンを獲得できます）。またTrial of Seraphはエンドコンテンツ的なダンジョンになっており，クリアしたレベルやタイムに基づいてランクづけされ，シーズンごとにランキング報酬が配布されます。


・ウォレット
　SERAPHでは，Actpassというウォレットがアカウント作成時に自動的に作られます。Actpassウォレットに入金して，マーケットプレイスで取引を行ったり，NFTやトークンの管理を行ったりすることができます。


・まとめ
　今月のレポートでは，SERAPHについて紹介しました。NFTの装備を取引して自分を強化したり，売却してトークンを稼いだりできる，ハクスラ好きにオススメのゲームです。

double jump.tokyoからのお知らせ

　セガ「三国志大戦」のIPを活用したブロックチェーンゲーム「魁 三国志大戦 -Battle of Three Kingdoms-」（PC / iOS / Android）の正式リリース日が，2025年3月25日に決定しました。
　PCとAndroid/iOSの各プラットフォームで，日本語・英語・中国語（繁体字）の3言語で配信予定です。事前登録者数も100万人を突破しており，本格軍勢カードバトルとして国内外より注目されているタイトルです。

【2025年2月】BCGマンスリーレポート（double jump.tokyo）

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