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[CES 2016]モバイルVR HMDに入力インタフェースを追加するデバイス「Rink」がかなりいい感じ
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印刷2016/01/09 00:00

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[CES 2016]モバイルVR HMDに入力インタフェースを追加するデバイス「Rink」がかなりいい感じ

 Samsung Electronics(以下,Samsung)にある研究開発部門の1つであるSamsung Creative Lab(C-Lab,以下略称表記)が実験的に試作したという「Rink」が,CES 2016の会場でお披露目となった。

Rink(と「Gear VR」)
画像集 No.002のサムネイル画像 / [CES 2016]モバイルVR HMDに入力インタフェースを追加するデバイス「Rink」がかなりいい感じ

 Rinkは,モバイル向け仮想現実(以下,VR)対応ヘッドマウントディスプレイ(以下,HMD)用に開発されたもので,親指側から手の甲と手のひらを挟むように装着するワイヤレスデバイスが2個と,HMDの上面に取り付けるセンサー部からなるコントローラだ。センサーで2つのワイヤレスデバイスを感知することにより,ジェスチャの認識だけでなく,両手のポジショントラッキングも可能にしている。
 その細かな動作原理は公開されていないものの,C-Labの担当者は,充電対応のバッテリーを内蔵し,ケーブルに煩わされることなく利用できるコントローラ部は,モバイルVRの用途をさらに広げるものだと述べていた。

ワイヤレスデバイスは電源ボタンとUSB Micro-B端子を搭載する。光源の関係で上手く撮影できなかったが,内側のグリップ部は,ゴルフ用の合皮ストレッチグローブのような素材になっており,プロトタイプながら柔らかくて高級感があった
画像集 No.004のサムネイル画像 / [CES 2016]モバイルVR HMDに入力インタフェースを追加するデバイス「Rink」がかなりいい感じ

 ちなみにこのRink,Samsung製モバイルVR HMDである「Gear VR」専用……というわけではなく,Googleの「Cardboard」規格に則った製品など,モバイルVR HMD全般で利用できるとのことだ。

デモ機ではGear VRの上に取り付けてあったセンサー。けっこう大きい。Gear VRの操作系に合わせて凹みができているなど,完成度は結構高い印象だ
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Rink公式Webサイトにある利用イメージ。VR世界のキーボードを打鍵するというのは未来感があっていい
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 さて,CES 2016今回のイベント会場では,「映画『アイアンマン』において主人公がアイアンマンスーツの中で識別するホログラフ風」のユーザーインタフェースを模したような世界で空を駆け回るデモを体験できただけだったが,公式画像を見ると,バーチャルキーボードをタイプできたり,テニスラケットを振るような操作を行えたりするようだ。
 試してみた限り,腕を横に突き出した状態で身体を一周させてもきちんとトラッキングできていた。

 クリップ状のワイヤレスデバイスを手に装着するというその仕様上,プレイヤーが歩き回ることは想定されておらず,全身の動きは取れないものの,上半身の動きだけならRinkでかなりの部分をカバーできそうな気配だ。

 C-Labは,Samsung社内の有志が社内スタートアップ的なチームを結成してプロジェクトに取り掛かるところだそうで,このRinkも,たった6人のエンジニアが開発したものだそうだ。2015年9月頃から,VR界隈では「Gear VRがポジショントラッキングに対応する」という噂があったのだが,それがRinkだったということなのだろう。

Rinkとは関係ないが,こちらはC-Labが公開していたもう1つのプロジェクト「Welt」。歩数や座っている時間の総数などを測定してくれるというスマートベルトだ
画像集 No.007のサムネイル画像 / [CES 2016]モバイルVR HMDに入力インタフェースを追加するデバイス「Rink」がかなりいい感じ
 ただ,Samsung本体はRinkの存在をほとんど感知していない様子で,Samsungブースで何人かの説明員に聞いても,誰一人Rinkを知らず,展示場所を探すだけでも時間がかかってしまう状況だった。なので,Rinkが製品化されるかというと,正直,まったく分からないというのが正直なところだ。
 ただ,担当者によると,来場者からの反応はとてもいいとのこと。現状,モバイルVR HMDは「見ること」に特化しているが,Rinkが製品化されると,その状況が変わる可能性もあるように思う。

 モバイルVRのさらなる活用への道を拓くかもしれないデバイスとして,Rinkの動向は注目する価値がありそうだ。

Rink公式Webサイト

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