「シムシティ」「ザ・シムズ」のMaxisが閉鎖。同社の関連IPタイトルは各地のスタジオで開発が継続される模様

　Eurogamer.netほか複数の海外メディアが伝えるところによると，Electronic Arts（以下，EA）が，「SimCity」「The Sims」シリーズを手がけてきた同社傘下のゲームスタジオ・EA Maxis（以下，Maxis）の閉鎖を決定したようだ。Maxisのリードデザイナー・Guillaume Pierre（ギヨーム・ピエール）氏が現地時間の2015年3月4日に下記のようなツイートを行い，その後BeyondSims.comなどでも閉鎖が伝えられている。

Well it was a fun 12 years, but it's time to turn off the lights and put the key under the door. #RIPMaxisEmeryville

— Guillaume Pierre (@MaxisGuillaume) 2015, 3月 4

　スタジオの閉鎖に際して，Maxisの一部の従業員はEA内でポジションを得る機会が与えられること，そしてカリフォルニア・エメリービルのMaxis本社を閉鎖したあと同社のIPは，ソルトレークシティやヘルシンキ，メルボルンといったスタジオにて開発が継続されることが明らかにされている。また，今回のMaxis閉鎖が「The Sims 4」（PC / Mac）の開発計画に影響がないことも念を押されているので，ひとまず心配する必要はなさそうだ。

　Will Wright（ウィル・ライト）氏と，Jeff Braun（ジェフ・ブラウン）氏によって1987年にMaxis Softwareという名で創業されたMaxis。プレイヤーが市長となって町を切り盛りする「SimCity」を皮切りに，惑星を育てる「SimEarth」，アリの生態をシミュレートした「SimAnt」など，エッジの効いた箱庭ゲームを制作し，人生シミュレータとも言える「The Sims」シリーズなど数々の人気作を世に放ってきた。2008年に発売された，“数十億年にわたる生命進化”がテーマという異色作「SPORE」を覚えている人もいるだろう。1997年にEAに買収されたものの，Maxisの名前は常に高い存在感をもっていた。

　ちなみにSimCityシリーズの最新作として2013年に登場した「SimCity」（PC / Mac）は，最新のシミュレーションエンジン「GlassBox」を搭載するなど鳴り物入りで登場したものの，シングルプレイも含めて“オンライン専用”という形でリリースされた直後から，かなりやっかいなサーバートラブルに見舞われた。しかし，最終的にはオフラインモードを搭載するという形で対策がとられることとなり，SimCityブランドのタイトルとしては十分に“成功”といえる売上をあげたとされている。
　どのような経緯で閉鎖が決定されたのかはともかく，Maxisはその歴史に一旦幕を下ろすこととなる。ゲーマーとしてはやや寂しいが，同社のIP関連タイトルが，今後も引き続き問題なく遊べること，新作が作り続けられることに期待しておきたい。

Maxis公式Webサイト