業界動向
Take-Two Interactiveが独立系開発者をサポートする新レーベル「Private Division」を設立。「アサシン クリード」や「バトルフィールド」などのクリエイター達が参加
Private Divisionは,優れた独立系デベロッパをサポートすることを目的に,Take-Two Interactiveのサードパーティパブリッシング担当副社長マイケル・ウォロシュ(Michael Worosz)氏が,2年にわたって計画を練ってきたプロジェクトだという。
「Private Division」公式サイト
大手企業の傘下に入ることを良しとせず,自分達の独自性を守ろうとするデベロッパが最近,増えてきたが,1年で5000タイトル以上のゲームがリリースされるようになった現在,ゲーム開発だけでなく,マーケティングや流通といった部分を担当してくれるサポーター企業の存在がクローズアップされている。
Private Divisionは,そうした独立系デベロッパの抱える問題に対応するために組織された新しいレーベルだ。設立のアナウンスに合わせて,現段階で参加するデベロッパ5社も発表されている。ラインナップは以下のとおりだ。
■Panache Digital Games
「アサシン クリード」の生みの親であるパトリス ・デジーレ(Patrice Desilet)氏が2014年12月に立ち上げたゲームメーカーで,2015年に新作「ANCESTORS: The Humankind Odyssey」を発表している。1000万年前に始まる人類の歴史を,エピソード形式で描いたアドベンチャーゲームになるようで,詳細は2018年に明らかになる予定だ。
■The Outsiders
DICEで「バトルフィールド:バッドカンパニー2」や「バトルフィールド 3」の開発チームを率いたあと,Overkill Softwareで「PAYDAY 2」の制作に携わったデイヴィッド・ゴールドファーブ(David Goldfarb)氏と,同じくDICEで「バトルフィールド」や「ミラーズエッジ」シリーズのエクゼクティブプロデューサーを務めたベン・カズンズ(Ben Cousins)氏が2015年2月に設立したメーカー。現在,プレイヤーが狩られる側のクリーチャーとなってバイキングと戦う一人称視点のアクション「Project Wight」を開発している。
■Obsidian Entertainment
2018年には「Pillars of Eternity II: Deadfire」を予定しているというObsidian Entertainment。同社の新プロジェクト「Project Louisiana」は,「Fallout: New Vegas」か「Vampire: The Masquerade ? Bloodlines」の続編ではないかと噂されていたが,今のところ詳細は不明だ。いずれにせよ,「Fallout」第1作以来,同社が得意とするRPGであるのは確実だろう。
■V1 Interactive
1997年から15年間,Bungieのクリエイティブディレクターとして「Halo」シリーズの開発を主導していたマーカス・レート(Marcus Lehto)氏が,2016年4月に設立したメーカー。新作についての情報はほとんどないが,「Unreal Engine」を利用したSF系のFPSになるようだ。
■Squad
メキシコのデベロッパSquadが開発したシミュレーションゲーム「Kerbal Space Program」の販売権をTake-Two Interactiveが獲得しているが,同社の今後の作品はPrivate Divisionからリリースされることになる。直近では,「Kerbal Space Program: Enhanced Edition」が2018年1月中に発売される予定だ。
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