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佐々木小次郎と宮本武蔵の一騎打ちが垂涎モノだった件について。舞台「龍よ、狼と踊れ〜Dragon,Dance with Wolves〜」〜草莽の死士〜,ゲネプロ公演をレポート
さらにキャラクターデザインを西村キヌ氏,設定考証を芝村裕吏氏,音楽を横山 克氏が手掛けており,舞台発のメディアミックスとしてアニメやゲーム化が期待されている。
4Gamerでは全3回で「龍よ,狼と踊れ」の魅力をお届けしてきた。ラストとなる本稿では関係者・マスコミ向けのゲネプロ公演をレポートしていく。前回までの記事は下記のリンクをチェックしてほしい。
■1回め
逆2.5次元,なぜ舞台からはじまった? イシイジロウ氏と松崎史也氏に舞台「龍よ、狼と踊れ」プロジェクトの経緯を聞く
■2回め
イシイジロウ氏とDeNA原作による舞台「龍よ、狼と踊れ」のあらすじを3分で知る! 第二幕の観劇前に世界観や物語をおさらいしよう
ただし,極力内容に触れるのは止めておこうと思う。なぜなら,初っぱなから“重要な秘密”が明らかになってしまったから……。正直,「これ書いていいんだろうか」「楽しみを奪わないだろうか」と,懸念している。
ただこれだけは言っておきたい……。
ということで,本稿では筆者が非常に興奮モノだったシーンを,ピックアップすることにした。これならネタバレしてほしくない人も,安心して見られるはずだ。
舞台「龍よ、狼と踊れ〜Dragon,Dance with Wolves〜」
〜草莽の死士〜 あらすじ
清国の姫君、麗貴人の死から数ヶ月。ハジメ(赤澤遼太郎さん)、沖田総司(大平峻也さん)、土方歳三(谷口賢志さん)ら新撰組は、幕府転覆を目論む不逞浪士と戦っていた。
岩倉具視(ウチクリ内倉さん)、トーマスグラバー(鈴木ハルニさん)は新撰組を潰すため長州と接触し、蘇りし剣豪達を戦力として彼らに与える。剣豪らを奇兵隊として率いる革命の麒麟児、高杉晋作(鎌苅健太さん)。亡き松陰の意思を継ぐ吉田稔麿(横田龍儀さん)。
やがて暴走する長州勢は、京に火を放ち天皇を攫う計画を実行にうつさんとする。
暗躍する坂本龍馬(萩野 崇さん)。立ち上がるハジメ。
そして蘇る宮本武蔵(山口大地さん)。
守る者と変える者。生者と死者。刀と刀が入り乱れる狂騒の都。
新解釈幕末転生エンターテイメント活劇第二弾。
これは、誰よりも国を守ろうとした、狼たちの物語。
宮本武蔵と佐々木小次郎がとにかくヤヴァイ
タイトルにもあるとおり,宮本武蔵(山口大地さん)と佐々木小次郎(鐘ヶ江 洸さん)の組み合わせは垂涎モノだった……。まず宮本武蔵が登場するシーンだが,もう演出やら音楽からして“最強の剣豪”が出てくるしかない雰囲気が半端ない。ただ最初は転生が不完全だったため,力が暴走。圧倒的なパワーで新撰組はなす術もなく倒れてしまう……それを佐々木小次郎がすっと間に入り,制止するのだ(もちろん力尽くで)。
そのあとはなんやかんやで無事に宮本武蔵,復活! 生き返ったことに対してはあまり嬉しくなさそうで,だけど佐々木小次郎との再会は喜んでいて,もっと最強の敵っぽい感じに悪態つく性格だと思っていたのに,かなり気持ちのいい性格だった。
また第二幕ではこれでもかというほどにアクションが多く,宮本武蔵と佐々木小次郎の戦いは目を見張るものがある。沖田総司と佐々木小次郎,土方&ハジメと宮本武蔵,そしてもちろん宮本武蔵と佐々木小次郎が一騎打ちで戦うシーンもあって,どれも速いし美しいし目が追い切れない。
さらに佐々木小次郎と沖田総司(大平峻也さん)の関係もグッとくる。沖田総司は強くなるために,単身敵のアジトに忍び込んで,佐々木小次郎に剣を教えてくれと頼むのだ。強くなるために強い相手に教えてもらう……間違ってはいないが,仮にも敵に頼むなんて,とてつもない真っ直ぐな子である。そんなところもかわいい。
佐々木小次郎はどうしたかというと,沖田の前で宮本武蔵と戦ってみせたのだ。すると沖田は見ただけで太刀筋を覚えてしまう。佐々木小次郎の狙いはコレだったのだ! 佐々木小次郎と宮本武蔵は,転生させてくれた坂本龍馬らには逆らえないが,自分自身の意思はきちんと持っている。敵に塩を送る……そんな少年漫画的な展開も熱かった。
2人に限ったことではなく,「龍よ、狼と踊れ」に登場するいわゆる敵側はなぜか憎めない。坂本龍馬も岩倉具視も,トーマスグラバーも。あと今回初登場の長州側も然りだ。
どこか憎めない「龍よ、狼と踊れ」の悪役たち
第二幕では長州が坂本龍馬(萩野 崇さん)たちと手を組んだため,新撰組は長州と転生剣豪と2つの敵と戦うことになる。長州側の高杉晋作(鎌刈健太さん)は飄々としつつも揺るがぬ信念を持っていて,そんな彼を知恵で支えるのは赤祢武人(安達勇人さん)だ。また冷静な判断力の持ち主・吉田稔麿(横田龍儀さん)と,そんな彼に絶対の忠誠心を持つ宮部鼎蔵(村田 恒さん)。この4人の関係性もよかった。
宮部鼎蔵なんて誰かを殺すこともいとわない危ないヤツなのに,吉田稔麿の言うことは絶対聞くし,彼を守ろうとするし,そういうところがズルい。長州も長州で仲間が大切なのは一緒なんだなあと,お互いが自分の信念を信じて戦ってるだけなんだと思わせられる。第二幕内で長州がやろうとしたことは完全なる悪で,とんでもないことなのに。
なお第二幕の終わりに,ある人物の身体に坂本龍馬はある魂を転生させる。じつは剣豪ではなかったりするのだが,一体どの人物が転生するかは自分の目で確かめてほしい(筆者は知っている)。
1番危険な気もする……
また第二幕では,イシイジロウ氏と松崎史也氏がインタビューで語っていた“転生のもう1つの意味”が明らかになった。これを語ってしまうと盛大なネタバレになってしまうので……主要人物の誰かが“命と引き換えに教えてくれた”とだけ書いておく。新撰組,長州,転生剣豪,彼ら1人1人が最後まで己の信念を曲げずに生き抜く姿は,涙なしには見られない。
「龍よ、狼と踊れ」のゲネプロ公演を終えた筆者は,どこか魂が抜けたようだった。非常に重厚な物語を観た……というふわふわした感覚で,言うなればディズニーランドで遊んだ帰りの電車内の気持ちと似ている。もう一度観たい気持ちでいっぱいだ。
こればかりは実際に観てみないと伝わらないので,気になった人はぜひ観劇してみよう。
なお,舞台「龍よ、狼と踊れ」は,毎公演に当日券が販売される。各回1時間15分前〜1時間前までに当日券の待機列に並ぼう。プレミアム席(9800円)にはパンフレットと特製手ぬぐいをプレゼント。さらに「深キ狼」チケット(7800円)では山南敬介(松崎史也氏),永倉新八(澤田拓郎さん),葛木伊織(田口 涼さん)3人の非売品ブロマイドがもらえるという。
またチケットを複数枚購入した人には,非売品の舞台写真(全11種)が来場数に応じてプレゼントされる。3公演来場で1種,5公演で2種,7公演で3種,10公演で5種がもらえるという。この機会に貴重な写真を手に入れよう。
「龍よ、狼と踊れ Dragon,Dance with Wolves」 〜草莽の死士〜 公式サイト
「龍よ、狼と踊れ〜Dragon,Dance with Wolves〜」
〜草莽の死士〜 公演概要
【スタッフ】
原作:イシイジロウ・DeNA
脚本・演出:松崎史也
題字:憲真
キャラデザイン:西村キヌ
音楽:横山克
設定考証:芝村裕吏
制作:OfficeENDLESS
【出演】
ハジメ / 赤澤遼太郎 土方歳三 / 谷口賢志
高杉晋作 / 鎌苅健太 宮本武蔵 / 山口大地 沖田総司 / 大平峻也
吉田稔麿 / 横田龍儀 赤袮武人 / 安達勇人 宮部鼎蔵 / 村田恒
女 / 大野未来 柳生十兵衛 / 水沼天孝 可児才蔵 / 原勇弥 塚原卜伝 / 長瀬貴博
フラン / 前島亜美 近藤勇 / 加藤靖久 山南敬介 / 松崎史也
藤堂平助 / 川隅美慎 永倉新八 / 澤田拓郎 葛木伊織 / 田口涼
石川五右衛門 / 村田洋二郎 佐々木小次郎 / 鐘ヶ江洸
岩倉具視 / ウチクリ内倉 トーマスグラバー / 鈴木ハルニ
坂本龍馬 / 萩野崇
番外編出演者
谷口賢志 加藤靖久 松崎史也 大平峻也 川隅美慎 澤田拓郎
山口大地 鎌苅健太 横田龍儀 村田恒 安達勇人 他
アンサンブル
小林賢祐 佐藤和斗 髙久健太 酒井昂迪 高橋凌 網代将悟 藤村聡 山田輝
【あらすじ】
清国の姫君、麗貴人の死から数ヶ月。ハジメ、沖田、土方ら新撰組は、幕府転覆を目論む不逞浪士と戦っていた。
岩倉、グラバーは新撰組を潰すため長州と接触し、蘇りし剣豪達を戦力として彼らに与える。剣豪らを奇兵隊として率いる革命の麒麟児、高杉晋作。亡き松陰の意思を継ぐ吉田稔麿。
やがて暴走する長州勢は、京に火を放ち天皇を攫う計画を実行にうつさんとする。
暗躍する坂本龍馬。立ち上がるハジメ。そして蘇る宮本武蔵。
守る者と変える者。生者と死者。刀と刀が入り乱れる狂騒の都。
新解釈幕末転生エンターテイメント活劇第二弾。
これは、誰よりも国を守ろうとした、狼たちの物語。
公演概要
【公演期間】
2018年3月21日(水)〜4月1日(日)
●…本編草莽の死士 ◇…番外編 ★…アフタートーク開催
開場は開演30分前を予定しております。
アフタートーク開催決定!
3月22日(木)18:30
赤澤遼太郎 谷口賢志 大平峻也 前島亜美 松崎史也 川隅美慎 田口涼
3月26日(月)18:30
谷口賢志 鎌苅健太 山口大地 加藤靖久 松崎史也 村田洋二郎 萩野崇
3月27日(火)18:30
鎌苅健太 山口大地 横田龍儀 村田恒 安達勇人 鐘ヶ江洸
3月29日(木)18:30
赤澤遼太郎 大平峻也 横田龍儀 村田恒 安達勇人 澤田拓郎 田口涼 鐘ヶ江洸
3月30日(金)18:30
赤澤遼太郎 長瀬貴博 前島亜美 松崎史也 澤田拓郎 田口涼 長谷川ヨシテル(れきしクン)
【会場】
紀伊國屋サザンシアター TAKASHIMAYA
〒151-0051 渋谷区千駄ヶ谷5-24-2 タカシマヤタイムズスクエア南館7F
【チケット】
一般席 \7,500
プレミアム席(前方エリア・パンフレット・非売品グッズ付き)\9,800
ローソンチケット【Lコード 37771】
http://l-tike.com/ddw/ (パソコン・携帯)
予約受付電話番号:0570-000-407
※店頭販売:ローソン・ミニストップ店内Loppiで直接購入いただけます。
キノチケットカウンター(店頭販売10:00〜18:30)
(新宿駅東口・紀伊國屋書店新宿本店5F)
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