業界動向
「ラグナロク マスターズ」で有名なXDが,香港証券取引所に上場
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日本では,先に述べた3本が有名だが,ほかにも日本でも分かりやすいところでいうと
・「サファイア・スフィア〜蒼き境界〜」の日本パブリッシャ
・「交響性ミリオンアーサー」の中国パブリッシャ
・「ドールズフロントライン」(Girl'sFrontline)の中国/韓国パブリッシャ
・「第五人格」の韓国パブリッシャ
・「アズールレーン」の韓国パブリッシャ
・「ライフアフター」の韓国パブリッシャ
・「アークナイツ」の中国/韓国パブリッシャ
・「アナザーエデン」の中国パブリッシャ
・「キャラバンストリーズ」の中国パブリッシャ
・「#コンパス 戦闘摂理解析システム」の中国パブリッシャ
……など,手がけている作品はご覧のとおり,そうそうたるものだ。
外部サイト:XD Inc.(H.K.2400)Global Offering
今回開示された資料によれば,2019年Q3 (2019年9月)までに運営を手掛けたオンラインゲームは,上記を含む計42タイトル。オンラインゲームのMAUとしては,
2016年 190万人
2017年 370万人
2018年 880万人
2019年Q3まで 1920万
という数字が挙がっており,急激かつ大きな成長がアピールされている。売り上げと利益についても,下記にまとめておこう。
TencentやNetEase,Perfect World……ほどの規模ではないが,中国で「ゲーム会社」として確実な歩みと成長を見せてきたXDの上場は,今後のゲーム会社IPOの風向きを決める重要な節目となりそうだ。余談だが,ゲーム売り上げの39.5%は「ラグナロクオンラインM」(ラグナロク マスターズ)が1作品で叩き出している。
※レートはすべて,2019年11月29日時点での「1元=15.56円」で計算している。
■売上
2016年 約7.655億元(119.11億円)
2017年 約13.444億元(209.19億円)
2018年 約18.871億元(293.63億円)
2019年Q2まで 10.33億元(160.735億円)
■純利益
2016年 約2340万元(3.64億円)
2017年 約1.205億元(18.74億円)
2018年 約3.527億元(54.88億円)
2019年Q2まで 2.675億元(41.623億円)
ところで,XDをほかのゲーム会社とは違う存在たらしめているのは,アプリ配信プラットフォーム+メディア+コミュニティという存在である「TapTap」だ。中国スマホプラットフォームの成長株だといってもよいだろう。
2016年にスタートしたTapTapは,翌年2017年から急激な成長を遂げ,今では1万以上のデベロッパが参加して,6500タイトル以上のゲームがダウンロードできる,巨大プラットフォームになっている。
TapTap
そのTapTapのMAUのデータも公開されたので,参考までにここに記しておく。なお30歳未満のユーザーが全体の84%を占めるとのことで,大きなポテンシャルを秘めた存在として注目されていくことになると思われる。
2016年 90万人
2017年 1020万人
2018年 1500万人
2019年Q3まで 1700万人
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