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セガ,「アングリーバード」などを展開するRovio Entertainmentの買収を発表。買収規模は約1000億円
この発表は本日の取締役会にて決定したもので,セガの親会社であるセガサミーホールディングスとRovioが最終契約を締結したとしている。
セガは今回の買収について,急速に成長するモバイルゲームを含むグローバルゲーム市場において,継続的なゲーム開発体制と運営力の強化が必要不可欠と判断し,買収を進めることを決断したという。また,Rovioの有する運営型モバイルゲームの開発能力および,運営ノウハウを獲得し,セガの既存IPのモバイルゲーム化・マルチプラットフォーム対応を促進することで,グローバル展開をこれまで以上に加速させるとしている。
詳細は,以下のリリース文で確認してほしい。
〜モバイルゲーム領域の強化を通じたコンシューマ事業のグローバル展開の加速〜
株式会社セガ(本社:東京都品川区、代表取締役社長COO:杉野行雄、以下 セガ)は、フィンランドに本社を置くモバイルゲーム企業であるRovio Entertainment Oyj(以下、Rovio社)に対して、当社英国完全子会社であるSEGA Europe Limitedを通じて、株式公開買付け(フィンランド法に基づく公開買付け、以下、本公開買付け)を行うことにより、Rovio社を買収すること(以下、本件買収)を取締役会にて本日決定し、弊社親会社であるセガサミーホールディングスとRovio社が最終契約を締結しましたので、お知らせいたします。
セガは本公開買付けにより、Rovio社の発行済株式及びストックオプションの総数を株式1株あたり9.25ユーロ、1ストックオプションあたり1.48ユーロ、買収総額7.06億ユーロ(約1,036.8億円。1ユーロ=146.9円(2023年4月14日付け為替レート)で換算。為替レートは以下同様)で取得します。本買収は友好的なものであり、Rovio社の取締役会は本公開買付けに対する賛同表明を行っています。Rovio社の複数の株主(合計で自己株式を除く発行済株式及び議決権の約49.1%を保有)より、公開買付けにおける一般的な前提条件に基づく本公開買付けに応募する旨の同意を得ています。なお、本買収完了のためには、独占禁止法に基づく条件の充足及びその他一般的な前提条件を満たすことが必要となり、本件完了時期は2024年3月期第2四半期となることを予定しています。
1. 本件買収の背景・目的
(1) 当社におけるコンシューマ事業の位置付け弊社親会社であるセガサミーホールディングスは現在、2024年3月期までの中期計画において、エンタテインメントコンテンツ事業のコンシューマ分野を成長分野と位置付け、既存IPのグローバルブランド化による収益基盤の増強、マルチプラットフォーム展開やメディアミックスによるユーザーエンゲージメントの強化などの取り組みを進めています。
また、2026年3月期までに総額2,500億円程度を成長投資として充当することを検討しており、その中でもコンシューマ分野においては開発リソースの強化や新たなエコシステムに対する投資を実施することを検討してきました。
これまでセガはグローバル開発体制の強化を目的に、2005年の英国を拠点とするThe Creative Assembly Ltd.の買収以降、日本国内においても2013年に株式会社アトラス(旧:株式会社インデックス)など、複数のゲーム開発スタジオの買収を行っており、買収した各スタジオはいずれも買収以降に大きく開発規模を拡大し、数多くの新作タイトルをグローバル市場に向けてローンチして参りました。
(2) 買収に至った背景
グローバルゲーム市場は2022年から2026年にかけて年平均成長率3.5%で拡大し、2026年には2,633億ドルに到達することが予測されています。グローバルゲーム市場の中でも、モバイルゲーム市場は年平均成長率5.0%で成長し、2026年のグローバルゲーム市場全体に占める割合は56%に到達、2022年時点の53%から拡大することが期待されています(出典:IDG Report(2022年10月))。
このように急速に成長するモバイルゲームを含むグローバルゲーム市場において当社のプレゼンスを高めるには、継続的なゲーム開発体制と運営力の強化が必要不可欠と判断し、買収を進めることを決断しました。
今回グローバルでモバイルゲームを展開するRovio社を買収することによって、Rovio社の有する運営型モバイルゲームの開発能力及び運営ノウハウを獲得し、セガの既存IPのモバイルゲーム化・マルチプラットフォーム対応を促進することで、セガのゲームポートフォリオを強化し、グローバル展開をこれまで以上に加速します。
(3) 買収の狙い
Rovio社は、モバイルゲームの企画、開発、パブリッシングをグローバルに展開するモバイルファーストのゲーム会社であり、同社のモバイルゲームは累計50億ダウンロードに至ります。Rovio社はグローバルブランド「Angry Birds」で広く知られおり、同ブランドは2009年にローンチされ大ヒットしたモバイルゲームに始まり、ゲーム以外にもブランドライセンス事業を通じてアニメやキャラクターグッズなどの幅広いジャンルのエンタテインメントとして展開されております。
セガは、Rovio社の有する運営型モバイルゲームの開発能力及び運営力や強力なグローバルIPを獲得し、セガの既存の事業基盤とのシナジーを創出することでグローバルゲーム市場における成長を加速、ひいては企業価値向上を実現します。具体的には、主に以下の領域においてシナジーの発現を目指します。
・ Rovio社が保有する高度なモバイルゲームの運営ノウハウを、セガの既存タイトルおよび新規タイトルに活用して行くことで、ポテンシャルの大きなグローバルモバイルゲーム市場において、セガのコンテンツをより多くのユーザーに届けて行くこと
・Rovio社が持つ「Beacon」には20年にわたる欧米市場を中心としたモバイルゲーム運営のエキスパータイズが詰め込まれているとセガは評価しております
・ 両者が保有するグローバルキャラクターの多面的メディア展開のノウハウについて共有・連携を図ることで、相互のファンベースの拡大を加速させること
・Rovio社は「Angry Birds」において、セガは近年「ソニック・ザ・ヘッジホッグ」において、それぞれIPをゲームだけでなく、映画・アニメ・マーチャンダイジング等多面的にメディアに展開することに成功しており、共に世界的規模のファンベースとIP展開ノウハウを保有しております
・ Rovio社が保有するIPのクロスプラットフォーム展開をセガが保有するケイパビリティでサポートすること
・Rovio社は、モバイルゲーム以外の領域への進出を目指しており、この点において
セガのケイパビリティの有効活用を図って行きます
2. セガサミーホールディングス株式会社代表取締役社長グループCEO 里見治紀のコメント
成長が著しいグローバルゲーム市場において、特に今後のポテンシャルが大きいモバイルゲームの展開を加速させて行くことはセガにとって長年の悲願です。この度、世界中の人々に愛されている「Angry Birds」を保有し、業界トップクラスのモバイルゲーム開発力・運営力を支えている多くの優秀な従業員の方々が活躍するRovio社との間で、このような発表をすることが出来たことを嬉しく思っています。セガは長い歴史の中で、「ソニック・ザ・ヘッジホッグ」シリーズをはじめとする数多くのゲームタイトルをあらゆるプラットフォーム向けに展開してきました。今後、両者のブランド、キャラクターやファンベース、加えて、各々の企業文化や機能が組み合わさることで大きなシナジーが発揮されると確信をしております。3. Rovio社 CEO Alexandre Pelletier-Normandのコメント
私はソニック・ザ・ヘッジホッグで育ち、その最先端デザインに魅了されました。その後、初めてAngry Birdsをプレイしたとき、ゲームが真のメインストリーム現象に進化し、現代文化を形成する力を持つようになったことを知りました。Rovio社に入社したことは光栄であり、新しいゲーム、シリーズ、映画をリリースしながら、Angry Birdsが成長し続けるのを見られることを誇りに思います。またあまり知られていませんが、同様に素晴らしい我々の特徴は業界をリードする独自の技術プラットフォーム「Beacon」です。Beaconは20年にわたる専門知識を有し、緊密に連携したチームが世界クラスのGaaS製品を開発できるようにしています。
私たちのミッションは「Craft Joy」であり、私たちの専門知識とツールを使って、プレイヤーにさらなる喜びをもたらし、Rovio社とセガの活気あるIPを強化・拡大するというアイデアに興奮しています。
レッドとソニック・ザ・ヘッジホッグ:世界的に有名で象徴的な2つのキャラクターは、モバイル、PC/コンソール、そしてその先に広がる世界的なリーチを持つ、驚くほど相性の良い2つの会社によって作られています。Rovio社とセガの強みを組み合わせることで、非常にエキサイティングな未来が待っています。
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