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[インタビュー]スウェーデン大使にDreamHackの楽しみ方,そして同国のゲーム産業について聞いた
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印刷2023/04/28 08:00

インタビュー

[インタビュー]スウェーデン大使にDreamHackの楽しみ方,そして同国のゲーム産業について聞いた

画像集 No.002のサムネイル画像 / [インタビュー]スウェーデン大使にDreamHackの楽しみ方,そして同国のゲーム産業について聞いた
 世界最大規模のLANパーティーとして知られるDreamHack。すでに4Gamerでもお伝えしている通り,日本においてDreamHack Japanとして,5月13日と14日に幕張メッセで開催される予定だ。
 もともとはスウェーデンが発祥で,ヨンショーピングで長年にわたって開催されてきたDreamHackだが,みんなでPCを持ち寄って楽しむLANパーティーイベントから,音楽ライブやeスポーツなども楽しめる,総合エンターテイメントイベントへと進化を遂げ,いまや世界各国で開催されるようになっている。
 そんなビッグイベントが日本に初上陸するわけで,いちゲーマーとしては注目せずにはいられない。

 実はスウェーデンは世界でも有数のゲーム大国のひとつだ。「マインクラフト」のMojang,「バトルフィールド」シリーズのDICE,「キャンディークラッシュ」のKingなど,スウェーデンには有名なゲーム会社やスタジオが数多くある。今や世界の4人に1人がスウェーデンで作られたゲームを遊んだことがあるという。
 スウェーデンのゲーム産業は2021年に75%の成長を見せ,今現在,スウェーデンのサービス輸出総額の4%以上を占める重要な産業となっている。

スウェーデン大使館のベールエリック・ヘーグベリ大使。イメージ的にお堅い人物なのかと思いきや,思った以上に気さくな人だった
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 さて,そんなDreamHackの発祥の地であるスウェーデンの大使館で,DreamHackの日本開催に先駆けたキックオフイベントが行われた。DreamHack Japanはスウェーデン大使館がサポートしており,本イベントは業界関係者を集めた,「DreamHack Japanを一緒に盛り上げていきましょう」といった類のものだ。
 プレスや関係者向けに行われたイベントだが,主催者であるベールエリック・ヘーグベリ大使に,DreamHack Japanやスウェーデンのゲーム産業に関する話を聞くことができたので,その内容をお伝えしたい。

DreamHack JapanのライセンサーであるESL FACEIT Groupの日本カントリーマネージャー Donovan Auyong氏
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日本庭園風の庭があるスウェーデン大使館。普通に生きていれば訪れることは滅多にない。貴重な体験だった
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4Gamer:
 よろしくお願いします。
 大使というと,もっと堅い方なのかなと思っていたのですが,ベストセラー作家みたいですね。

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ベールエリック・ヘーグベリ氏:(以下,ヘーグベリ氏)
 ほんとですか?(笑) ありがとうございます。ベストセラー作家ではないですけど,堅物ではありませんよ!

4Gamer:
 とても話しやすい雰囲気で安心しました(笑)。
 さっそくですが,DreamHackが日本で開催されることの率直なお気持ちを教えてください。

ヘーグベリ氏:
 1980年代に若者たちが始めたものが,今やDreamHackというグローバルなイベントになりました。DreamHackにはスウェーデンの価値観,開放性,透明性,革新性,情熱,そして限界への挑戦が詰まっています。それをスウェーデンと日本の国境を越えて行えることをとても嬉しく思います。
 大使として両国の関係を促進するために,できる限りのことをしたいと思っています。それは政治だけではなく,ビジネスだけでもない。スポーツ,そしてeスポーツといった文化的なものを含む,両国を結び付けるものすべてにおいてです。
 お堅いおじさんが集まってやるのが国際交流のすべてじゃない。もっとクールな取り組みもたくさんあると思うんです。

4Gamer:
 コロナ禍がようやく落ち着きを見せて,オフラインイベントが増えてくる時期にDreamHack Japanを開催できて,タイミング的に非常によかったですね。

ヘーグベリ氏:
 ええ。パンデミックのときはオンラインでのつながりを持っていましたが,今ようやく,顔を合わせたイベントが開催できるようになりました。

4Gamer:
 DreamHackは日本で初めて開催されるわけですが,馴染みがなくてどう楽しめばいいか分からない人も多いと思います。そんな人たちに向けて,DreamHackのお勧めの楽しみ方があれば教えてください。

ヘーグベリ氏:
 DreamHackで一番大切なのはみんなで集まってゲームをするということです。ゲームを楽しむことを目的としたものですが,そういった場で友達とコミュニケーションを取れる,ソーシャル的な側面も強いんです。

4Gamer:
 DreamHackのアイデンティティは「みんなで集まって遊ぶ」という部分なんですね。

ヘーグベリ氏:
 そうですね。同じ空間で遊ぶということに意味があると思います。オンラインで遊ぶのももちろん楽しいですが,オフラインのこうした場で新しい出会いがあったり,新しいゲームに出会ったり,いろんな発見や体験があります。出展あるいは参加している開発者と交流したり,ハードウェアを触ってみたり,そこでしか味わえない楽しさがあるはずです。

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4Gamer:
 DreamHackが日本に来ると聞いて,私はそのまま日本に輸入するのかと思っていたんですが,思った以上に日本にカルチャライズされていて,驚きました。こうした変化についてはどう思いますか。

ヘーグベリ氏:
 ゲーマーの文化はどの国も基本は同じだと思うんです。しかしそこから派生した文化はそれぞれの国で独自のものになっていて,日本だけではなくDreamHackが開催されている国に合わせて,楽しめるように変化するのは大事なことだと思います。根幹となる部分は同じでも,それをどうやってその国の人たちが楽しめるようにするのか,が大切ですから。

4Gamer:
 スウェーデンにはDICEやKingなど,世界的に有名な企業やスタジオが数多くあります。スウェーデンがゲーム業界に与える影響は極めて大きいです。政府として,ゲーム業界に対する取り組みがあるのでしょうか。

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ヘーグベリ氏:
 政府が特にゲーム業界に何かをしているというわけではありません。スタートアップ企業の挑戦,既存の企業のデジタル化,その他さまざまな分野で,それが花開くための恩賞を作ろうとしています。
 スウェーデンがなぜその分野で成功しているのかと聞かれれば,その答えは教育システムにあると思います。幼いころから自分で考えることを推奨しており,そうすると自分が楽しいと思うことに集中し,情熱を感じる分野を探求する,それが創造性を育てることになります。
 そうした教育システムが,ゲーム業界だけでなく,エンジニア,学者,スポーツ選手といった優れた才能を見出すことになっているんだと思います。

4Gamer:
 ありがとうございました。

DreamHack Japanへの出展はないが,スウェーデンのテック企業ということで,アイトラッキングで知られるtobiiの体験スペースが置かれていた
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「DreamHack Japan」公式サイト

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