中国のインディーズゲームイベント「Weplay 2024」が,上海のイベントホール「上海世博展览馆(上海万博会館)」H4館で,2024年11月16日から2日間開催されている。今年で7年目を迎えるWeplayは,インディーズゲームの魅力を深く掘り下げるイベントであり,CiGA(China Indie Game Alliance)によって主催される,カルチャーエキスポだ。
400タイトル以上が出展,国際色豊かな展示もありながら,プレイ体験に集中した落ち着いた雰囲気
Weplayは,中国最大規模の「ChinaJoy」やサブカルチャーイベント「Bilibili World」のような大規模なイベントと比べると,こぢんまりとした会場で行われているが,ゲーマーが直接さまざまなゲームを体験できる場として,多くの注目を集めている。
今年の展示では,400タイトル以上のインディーゲームが出展されており,中国だけでなく,スイスやポーランド,ニュージーランドなどの国別パビリオンをはじめ,台北ゲームショウやindiePlay大賞のブースも設置されている。
会場では展示だけでなく,「Frostpunk 2」や「昭和米国物語」といった注目作のステージ発表も行われたが,いわゆる“ゲームショウ”といった感じのド派手な演出は控えめだ。会場全体は落ち着いた雰囲気で,プレイヤーたちが,静かに好みのゲームを体験する姿が目立つ。これは,ゲームそのものの魅力をじっくり味わう場として,Weplayがほかとは異なる特徴と言える。
上海まできて日本の駅を見られるとは! Playismが,CS版の「8番出口」を上海まで連れてきていた
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日本からは,「RATATAN」や「野狗子」,インディーパブリッシャーのPlayismによるブースが特に注目を集めている。それぞれの作品が,独自のアイデアとクリエイティビティを披露し,多くの来場者を惹きつけている。
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Game Source Entertainmentは本日(2024年11月16日),新作リズムアクションゲーム「RATATAN」(ラタタン)を2025年内にリリースすると発表した。「パタポン」シリーズを手がけた小谷浩之氏がTVTとタッグを組んで開発中のタイトルだ。
[2024/11/16 13:30]
話題作「昭和米国物語」は,実際になかなかの人気ぶり
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ボードゲームやアート展示も魅力
また会場内には,PCやコンソールのインディーゲーム以外にも,国内外のクリエイターが手作りした新作ボードゲームが並ぶコーナーがあり,来場者が実際に遊べるという気軽な雰囲気が特徴だ。また併設されたアート展示では,インディーゲームのアートワークやコンセプトアートが紹介されており,ゲームのビジュアル表現に触れられる貴重な機会となっている。
殺人事件の犯罪現場を会場に持ち込んで,リアルに解いてみよう
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一風変わった展示やユニークなテーマ
さらに,中世のバトルシミュレーターの体験ブースや,上海の交通カード(日本のSuicaやPasmoに相当)をテーマにしたユニークな展示など,ゲーム以外の視点から楽しむことができるブースも登場している。これらの展示も,イベント全体に独特の個性を与えているといえるだろう。
ぬいぐるみまでもチップ内蔵の交通カードだという。若年層に人気なキャラクターとコラボして,形が変わった“カード”を打ち出している。生活のすべてがスマホ一つで完結する中国においては,もはやカードは実用的価値よりも,そういう付加価値が重要なのかも?
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パッと見何をしているのか分からなかったシュールさだが,中世の前線の兵士を倣して,その場でロールプレイバトルしていた模様
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ゲーマーのための「ホーミー」な空間
Weplayは派手さよりも「ホーミー感」(homie:仲間,同類)を重視したイベントであり,ゲームを通じた文化交流の場としての存在感を年々強めている。今年のWeplayは,インディーゲームの可能性とその広がりを改めて実感させる場となったが,ChinaJoy,Bilibili Worldといった中国の2大イベントとは色が異なる独特のゲームイベントとして,今後の展開にさらなる注目が集まるだろう。