別に新作の展示はしていなかったが，どうしても会って話を聞いておきたかった人物"ピーター・モリニュー"。PCゲーム業界にいまなお君臨し，世界のプレスから"奇才"と呼ばれるデザイナーだ。代表作はPopulous，Power Monger，Magic Carpet，Syndicate，Dungeon Keeper，Theme Park，そしてBlack＆White。管理人の記憶によれば，確か最初はVisiCalc関連製品のプログラマーだったのが，趣味で作ったPopulousが大当たりしてこの世界に入り込んだ人だ。
　以後，ゲーム中では自分が神である"God Game"を基本に作品を重ねてきたが，今回のE3で，明日発売の「ブラック＆ホワイト」の今後の発展を始めとし，いろんなことを彼自身に直接聞いてみた。

　本当は，近々登場するであろうB＆Wの新パッチ（「こちら」参照）と，2枚登場するという新Expansion（同じく「こちら」）の内容を突っ込んで聞いてこようと思ったのだが，話は思わぬ方向に発展。なんと，今後さまざまなツール類をダウンロードできるようにしていくとのこと。そのために，12名からなる精鋭の新会社「Black and White」も立ち上げたようだ。
　彼自身は「mini sequel」と呼んでいたそのツール類，ユーザーが自由にダウンロードして使えるようになるようで，その内容としては……
・マップエディタ
・マップファイル
・クリーチャーのスキンエディタ
・ジェスチャーエディタ
などがいま制作中である模様。しかし全部で12個のツールが登場すると言っていたので，まだまだ隠れたものがあるようだ。もしかして12名の新会社は，一人一つのmini sequel担当？

　マップエディタは，その名のごとくマップを制作するツール。ほかのゲームにありがちな「制作者の使ってたやつをそのまま出しました」という異様に使い方の難しい（そして超高機能な）ものになるというよりは，ユーザー向けのサービスとしてキチンとリメイクしたものになることに期待。
　マップファイルは，そのエディタでユーザーが作ったものや，スタッフが作った特殊なマップなどを公開するもの。いくつかまとめてシリーズ化されるのだろうか。
　そして3番めのスキンエディタ。読んでそのもの，クリーチャーのスキンを編集するエディタなのだが，オフィシャルに登場するとは結構ビックリ。ちなみにピーター自身は「僕はWolfが一番好きだね。うるさくないし，頭いいし」と言っていた（ちなみにダンジョンキーパーのときに同じ質問をしたことがあるが，そのときは「やっぱホーニーでしょう！」と言っていた）。
　4番めのジェスチャーエディタも，結構変わりもの（便利モノ？）。マウスで文様を描いて発動するミラクル（＝魔法）はB＆Wの特徴だが，その文様自体をエディットできるツールらしい。確かに個人のクセによって，異様に発動しづらいミラクルとかあるしね……（管理人は，なぜかハートを描くのが苦手だ）。
　管理人が
「確かにアレは素晴らしいシステムです。でもマルチの対戦など時間を争う場合を想定し，マルチの場合だけでもショートカットキーを割り振れるようにしてもよかったのでは？」
と聞いたら，
「うーん，言ってることは分かるけど，それだとみんな同じ条件になっちゃうだろ？　キミが言ってるような機能をつけてテストしたこともあるけど，テスターからは評判悪かったんだ」
とのこと。うーむ，なるほど。腕でカバーなのですね。

　今後のB＆Wは，この「mini sequel」，近々登場のパッチ，そして制作中のExpansionディスクなどが三位一体となって，さまざまな機能拡張がなされていく。
　クリーチャーが増える，マップが増えるなどの大きな改善から，上記のようにジェスチャーエディタ，スキンエディタ，村人が同時に複数掴めるようになるなどの便利系改善，クリーチャーのオモチャが増えたりクリーチャーがペットを飼ったり村人がサッカーをするようになるお遊び系（とはいえゲームに重要に関わってくるのだが）など，B＆Wは単発で終わらない巨大プロジェクトとして動いているのだ。
　彼自身の今後，B＆Wの目指す最終形態，「それ，ホントにやるの？」というレベルの大きな話など，もっと気になる話も聞けたが，それは次回インタビュー編で！　サイングッズプレゼントもあるのでお見逃しなく。

　ちなみに，B＆Wのオフィシャルコミュニティゲームサイトは「こちら」。いますぐ行って登録すべし。