ラブクラフトがクトゥルー神話を元に書いた小説
「Call of Cthulhu」をゲーム化したのがこの作品で,Fishtank Interactiveによって発売される予定の
ホラーアドベンチャーゲームである。プレイヤーは,1920年代のインズマウスと呼ばれる小村を舞台に,私立探偵業を営むジャック・ウォルターズとなって,クトゥルーに関わると見られる事件に巻き込まれていくというのがストーリーだ。
5月のE3のときには単なるムービーだけの展示だったが,ECTSではキチンとゲームエンジンをデモンストレーションしていたので,ここに報告しよう。
Call of Cthulhuは,開発者が"ハーフライフに強く影響を受けた"というだけあって,インゲームムービーで軽快にストーリーが進行していく形となり,
個別に分かれた六つのエピソードが,ぞれぞれ五つくらいのレベルで構成される予定だ。プレイヤーは,14種程度の武器に加えてさまざまなスペルを利用して,"ディープワンズ"という謎のモンスター達を倒しながら,インズマウスの村の秘密を暴き出していくのである。
今回のデモは,残念ながらモンスターとのアクションシーンはまったく用意されていないバージョンだったが,ゲームエンジンは基本的に仕上がり,本格的なデザインを始めたところなのだとのこと。
何よりも奇妙なのが,
武器の種類はおろか自分のキャラクターのヘルスバーまでが省略されており,パッと見のインタフェースがまったくなにもない状態になっていることだ。
自分のヘルスは,床に落ちる血の量や銃を持つ手から判断するらしく,収集したアイテムやスペルなどは,本をグラフィック化したものを実際に手で広げるという仕草まであるなど,インタフェースがゲーム画面に徹底して融けこんでいるのである。また,怪我をした状態では精神的にも不安定になってしまうため,スペルをうまく発動できないなどのマイナス点も起こり得るらしい。
テクスチャなどが非常に細かく描かれており,新聞や,コルクボードにピンで留められたメモなども読めるようなっている。プレイヤーが,ゲーム世界のオブジェクトを使いながら謎を解き明かしていくような局面が多くなりそうだ。ミッションによっては,謎解きが多いものやアクションに偏ったものなど,バラエティに富んだ状況も想定できていまから楽しみだ。なおマルチプレイヤーモードもあり,デスマッチなども楽しめるとのこと。
ヨーロッパでの発売は2002年の3月を目標にしているという。