[ECTS速報#19]Iron Storm - 09/04 19:53

「IronStorm」は,フレンチテレコムを母体にした新進気鋭のWanadooが送り出すアクションシューティングゲームである。QuakeやHalf-Life,Rainbow Sixなどのどの系統にも属したくなかったと開発者が語るこの作品は,シューティングゲームファンには,願ってもない参入といえるだろう。

 IronStormの世界観は非常に暗く,何か錆び付いたような不思議な色調になっている。それもそのはず,IronStormは仮想歴史と呼ばれるジャンルのストーリーに属し,1964年まで第一次世界大戦を引っ張っている時代という設定で,戦争で荒廃しきったヨーロッパを,この色調の暗さが演出しているのである。世界はドイツを境に二つの勢力に分かれており,東側はソビエト,西側はアメリカを中心に連合体制を築き上げているという設定で,プレイヤーはアメリカの特攻兵として,単身で敵地に乗り込んでいくのである。
 デモから受けたIron Stormの印象は,アクションと隠密行動を適度に絡めた感じで,実際のところは非常にオーソドックスなゲームプレイだった気がする。ただしスナイパーモードを頻繁に使用し,敵を少しずつ倒していくのがコツのようだ。頭を狙えば一発で仕留められるワンショットキル・システムを採用しており,QuakeやUnrealなどのFPSと同様に果敢に立ち向かっていこうものなら,瞬時に抹殺されてしまう。プレイした感じでは,敵のほうが体力ゲージが長いのではないかと思わせるほどの強さだった。

 ゲームエンジンは,開発元である4X Studiosが独自に開発したものを使用しており,フェニックス3Dエンジンと名付けられている。遊んでみると非常に軽く,その素性の良さが感じ取れる。とくに物理システムはハイレベルで,当たり判定もモデルの形状に正確であるように思えた。サウンドも,銃弾が反射する効果音だけでも,テクスチャーのタイプに合わせて14種類くらいが用意されているということだ。
 2002年中の発売を予定しており,2003年にはマルチプレイヤー版が登場する予定。32人までをサポートし,デスマッチなど普通のゲームモードから"カウンターストライク"のようなキャラクタークラスに分かれたものまで,さまざまなタイプが搭載されそうだ。日本でも発売されることを期待しつつ待っていよう。


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