Half-Lifeシリーズの開発元として知られる，Valve Softwareが開発したゲーム配信ソフト"Steam"の正式版が，来週火曜日（アメリカ時間）にも登場することが明らかにされた。正式版リリースに伴い，現在行われているβ版によるテストは終了されることとなる。
　Steamは，Valve Softwareがゲーム配信，ゲームの自動アップデート，ゲームランチャー，サーバーブラウザ，チェスやチェッカーといったミニゲームなどの機能を持たせたソフト。
　Steam最大のウリはゲームの配信機能で，Valveが開発中の最新FPS「Half-Life 2」のダウンロード販売がされる可能性が高い。実際，ValveのErik Johnson氏は，Steam公式サイトの掲示板において，"Valveの製品を購入するならSteamを使ってほしい"というようなコメントを書き込んでいることもあり，ゲーマーの間でもSteamに対する関心が急速に高まっているようだ。
　ただ，Valveのゲーム販売元であるVivendi Universal Gamesは，このSteamを快く思っていない。というのも，Steamによって開発メーカーがゲームを購入するプレイヤーと直接取引をしてしまっては，一銭の儲けにもならないからだ。世界的な前評判の高い「Half-Life 2」が，箱入り製品版として販売されるより早くSteamによって市場に出てしまっては，膨大な利益を失うことになりかねないこともあり，両者の確執はかなり高まっていると見られている。
　まあ，我々ゲーマーにとっては，最新ゲームが早く，安く，確実に手元に届いてくれれば，Steamでも箱入り製品版でもどちらでもかまわないのだが。（Asakura）