連載
男色ディーノのゲイムヒヒョー ゼロ / 第102回:「自由とは……?」
著者近影
自由とは何ぞや?
前田慶次曰く「そんなに自由に生きたかったら,乞食にでもなるさ。だがその自由も野垂れ死にの自由と背中合わせだがな」「生きる自由もあれば死ぬ自由もあるさ。ただおれはいくさ人。ここで退けばおれではなくなる。おれには退くことが美しくなく思えるだけさ」(※原作:隆慶一郎/漫画:原 哲生/脚本:麻生未央/集英社刊「花の慶次 ―雲のかなたに―」より)。
あと,私が中学生だったときの数学教師,谷本先生もこう言っていたわ。「自由を履き違えるな! 自由とは自分のやりたいことだけを好き勝手にやることではない。自由には責任がついて回るんだ。責任が取れないうちは,自由をほしがるな!」。
ウン,谷本先生,今思うととってもいいことを言ってるわね。でも,谷本先生はなんていうか,とても人間臭い教師で,自由について熱く我々に説いているこの時にも,ズボンのチャックが全開だったのよ残念ながら。
笑いを我慢しているクラス全員。熱く語る谷本先生。ニヤつく我々に谷本先生,ついにキレました。「何がおかしいんだお前ら! 普段はふざけていてもいい! だがな,人が真面目に話しているんだから,締めるときにはちゃんと締めろ!」。
……ええ,当然ざわついたわよ教室内が。一番締めるっていうか閉めるべき人が閉めてない……お前が言うな……何がおかしいって何もかもおかしいわい……責任って? ……これはギャグなのか……そもそもこの人は何を教えようとしているのか……色んな吹き出しがクラスメイトから見えたわね,このときばかりは。
ま,谷本先生の身体を張ったギャグの話はさて置き,要するに自由とはそのリスクやデメリットを含めて,自分の行動を選択できる状態のことだと思うのよ。もし自分が選んだ行動の結果が思わしくなくても,それは誰のせいでもなく,自分のせい。そういうことだと思うのよ,自由って。
ハイお待たせしました。「レッド・デッド・リデンプション」(PS3 / Xbox 360,以下RDR。CERO:Z)の話ね。これは,「GTA」シリーズでおなじみの ロックスター・ゲームスが開発したタイトルなの。で,このゲイム,GTAシリーズと同じように,自由度がものすごく高いのよ。
とはいえ私,GTAシリーズの自由さがちょっと苦手だったのね。このRDRも,軽くプレイした感じではなんだか自由過ぎて何をしたらいいのか分かんなかったのよ。ホラ,私って「グラディウス」でも必ずコナミコマンド使うようなゲイムゆとり世代だから。
自由があり過ぎても時間を持て余すというか,たまにある休日でも結局何やっていいか分かんなくてただ寝ているタイプだから,RDRに関してもイマイチ面白味が分からなかったってわけ。
でも! 何を目標とするわけでもなく,しばらく1910年代初頭のアメリカの世界に身を投じ,ただ馬を走らせているだけで……意外と楽しくなってきちゃったの。ホント不思議なものよね。なんかね,ゲイム内の景色とかがホント綺麗なのよ。ただのポリゴンだとか,突き詰めるとただの数字の集合体だって頭ではわかっていても,綺麗だなぁって思っちゃう。
で,そのビジュアルの妙なリアリティが,よく分からない没入感を生んで,結果よく分からない面白さがにじみ出てくるのよ。ジワジワと。何が面白いのか,自分でもよく分からないのに面白い。これは,初めての感覚ね。ひょっとしたらGTAシリーズにも,この種類の面白さはあったのかもしれないけど。
それにしても自由なのよ,このゲイム。それこそ,野垂れ死ぬ自由と隣り合わせの。動物を撃ち殺してナイフで切り刻むっていう残酷なシーンがあるんだけど,こういった部分もきちんとリアルに描いているからこそ,この世界観に入り込めるんでしょうね。
このゲイムでは,人を銃で撃てば血が出るし,死ぬ。動物を切り刻めば返り血を浴びるほど,大量に血が出る。私はそれを,とても正しい表現だと思うの。だって,この部分で嘘をついていたら,プレイしていてもこのゲイムの世界にリアリティを感じられなくなって,入り込めなくなると思うのよね。
それに,現実の世界もそうじゃない? だいたいの人間は,銃で人を撃ったり動物をドスでかっさばいたりしないわ。だからこそ,かっさばいたときに血が大量に出るよってことは,隠しちゃいけないのよ。グロテスクな表現がゲイムにあると,「こんなので遊んでいたら,“痛みの分からないゲイム脳人間”になっちゃう」って心配する人もいるじゃない。でも,こういった表現から,その痛みを想像できるようになることだって選択できるのよ。
話は逸れるけど「子供が見たらどうするんだ」っていうクレームがあるじゃない。でもそれを聞くたびに私は,「見ないことで子供が現実を知らないまま育ったらどうするんだ」って,クレームを返してやりたくなるわ。子供が見たらどうするんだってそんなもん,見たときに親がどういうことを教えるかにかかってるわよ。それが教育ってもんでしょうが。教育放棄をするな,と。……おっと,私もよく試合について「子供が見たらどうするんだ」って言われるクチなんで,思わず熱くなってしまったわね。
ともかく! みんな知ってることなんだろうけど,RDRは自由度が高いってことが言いたかったのよ。プレイした人全員が面白く感じるかは分からないわ。でも,少なくともこの手のゲイムが苦手だったはずの私でも,この世界にいることが楽しいって思えたのは事実。極端に言えば,ポーカーをしているだけでもなぜか楽しいのよ。ポーカーなんて,どうってことないゲイムなのに。
自由に思うがまま,用意された世界で傾く(かぶく)って意味では,RDRはゲイム版でアメリカ版の「一夢庵風流記」なのかもしれないわね。どうしても一本道のストーリーじゃないと……っていう,ゲイムゆとり世代以外の人はぜひ触れてほしいわ。何かを感じることができるはず。
ということで,今週はRDR一択だったんだけど,今週は私大注目の「NO MORE HEROES 2 DESPERATE STRUGGLE」(ノーモア★ヒーローズ2 デスパレート・ストラグル)が発売されるわ。さらに来週は,ついに「ワールドサッカー ウイニングイレブン 2011」(PS3 / Xbox 360 / PS2 / PSP)。
ウン,ここにきて私のゲイムライフが騒がしくなってきたわね。ま,どのゲイムを選ぶも私の自由。ゲイムを買う自由は,買ったはいいが今一つ面白くないリスクと背中合わせだけれども,ゲイムに関してばかりはなるべく外さず面白くあってほしいなあと思う今日この頃でした。また来週!
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Red Dead Redemption
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