東京ゲームショウに「GALAX」ブランドのGalaxy Microsystemsが出展。日本では玄人志向とのコラボ製品シリーズ「GALAKURO」として市場投入予定となっている「超絶オーバークロック仕様」の「
GeForce RTX 2080 Ti」カードを展示していた。
超絶オーバークロック仕様のGeForce RTX 2080 Tiカード
![画像集 No.002のサムネイル画像 / [TGS 2018]大型クーラーは「取り外す前提」!? GALAX,11月に発売予定の超絶OC向けRTX 2080 Tiカードを公開](/games/421/G042134/20180922066/TN/002.jpg) |
本体背面側。オリジナル基板は白色だった
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現在のところ「
RTX2080TI HOF」という仮称が付いているだけの新製品では,GALAXのオーバークロック競技向け向け製品の証である「
HOF」(※Hall Of Fameの略)を冠していることからも分かるとおり,オーバークロックに向けた特別なチューンの入るオリジナル基板を採用しているという。
搭載するクーラーは3スロット仕様で,ヒートパイプを組み合わせたもの。GeForce RTX 20世代ではNVIDIAがFounders Editionで「カードのほぼ全面を覆うVapor Chamber(ヴェイパーチャンバー)」を採用するなど高コスト化が進んでおり,それと比べると「オーバークロックに向けた特別なチューンが入っている」カードとしては特別感のないクーラーだと言えるが,Galaxy Microsystemsの東海笑門氏は,「HOFシリーズを買う人は,みなさんどうせクーラーを外して液冷や極冷仕様に変えるから(笑)」と,その理由を説明していた。
ゲーマーからすると想像を超えた世界にも聞こえるが,「どうせ外されてしまうなら,メーカーレベルのクロックアップ版グラフィックスカードとしての動作確認に必要な,最低限の冷却性能を持っていればいい」というのは通る理屈だろう。
クーラーの側面はカバーの一部が外れ,交換できるようになっていた。接点もあるので光らせることもできるようだが,すぐ外される前提だとすると,ここを活用する人はあまりいなさそうだ
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今回の展示品だと補助電源コネクタは8ピン×2だった
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ちなみに今回の展示品はスポーツカーで言うところの「市販のGTグレード」だそうで,実際,補助電源コネクタはNVIDIAリファレンスどおりの8ピン×2だった。オーバークロック競技者用の「競技車両」的なバージョンでは,これが8ピン×3になる見込みだが,現在のところ,RTX 2080 Tiでは動作電圧にキャップがかかっているそうで,HOFシリーズの新製品投入にあたり,グラフィックスBIOS(=VBIOS)レベルか何かでこのキャップが外されることをGALAXとしては待っているところだとも東海氏は語っていた。
ゲーム市場にも注力を開始し,2スロット仕様のRTX 2080カードを用意
GALAXブランドと言えば,いま述べた極冷向けグラフィックスカードのイメージが強いわけだが,最近ではゲーマー向けカードの注力を始めている。2018年9月27日発売予定という「
GeForce RTX 2080」搭載カードで,GALAKUROブランドの型番「GK-RTX2080-E8GB/WHITE」が付いた製品がその1つだ。
GK-RTX2080-E8GB/WHITE
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GK-RTX2080-E8GB/WHITEは,NVIDIAのFounders Editionと同じ基板を採用する製品である。他社が3スロット仕様の大型クーラーを組み合わせる中,あえて2スロット仕様にこだわることで,より小型なゲームPCでもハンドリングできるようにしてあるという。
剥いた状態の展示もあった。基板とVapor Chamberベースの放熱機構はNVIDIAのFounders Editionと共通のまま,それ以外をカスタマイズしてあるようだ
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こだわりのポイントは搭載する2連ファンで,東海氏によると「一般的なGPUクーラーのファンでは単相モーターを搭載しており,4極3スロット仕様なのに対し,今回採用しているのは3相モーターで4極6スロット仕様。これによりファン回転のトルクが出るうえに回転が安定し,低消費電力かつ静音にもなる」とのことだった。
一般に,極数とスロット数が多くなるほどトルクは大きくなり,トルクの振動も小さくなるので,この改良が2スロットクーラーの冷却能力向上と静音性向上に寄与しているという理解でいいのではなかろうか。
なお,GALAXでは同じコンセプトのGeForce RTX 2080 Tiカードも「
GK-RTX2080Ti-E11GB/WHITE」として用意しているとのことで,確認してみると,玄人志向のWebサイトではすでに製品情報ページが立ち上がっていた。