[E3 2005#086]殺し屋稼業で大儲け? 「Hitman:Blood Money」
Eidosブースの中でも,4Gamerスタッフがとくに心ときめかせたのが,ヒットマンシリーズ最新作「Hitman:Blood Money」だ。
前作にあたる「ヒットマン:コントラクト」は,第2作「ヒットマン:サイレントアサシン」とベースエンジンは同じで,正確には第3作という位置づけではない番外編的な作品。制作者が第2作の開発中から構想を練り始めたという新エンジンを搭載した「Hitman:Blood Money」こそ,正当な第3作にふさわしいタイトルなのだ。
Hitman:Blood Moneyは,前作や前々作と比較してグラフィックスやAIなどの品質が飛躍的に向上した作品だ。パッと見はいつものヒットマンと同じデザインだが,よく見るとグラフィックスがより精細になり,また光源処理がたいへん美しく,機能的な役割を果たすようになった。
面白そうな新フィーチャーも数多く追加されており,ヒットマンにおける"お遊び"の幅はググッと広がっている。 まず,サブタイトルの「Blood Money」が表している要素だが,殺しの依頼として報奨金を受け取る"マネーシステム"が搭載される。稼いだお金で新たな武器を購入したり,武器をカスタマイズしたりできるらしい。お金には,きっとほかにも面白い使い途が用意されていることだろう。
また各ミッションの終了後には,主人公の活躍っぷりが"新聞"で記事化されるというお楽しみが追加される。たとえばプレイヤーがミッション中に大量殺人を行うと,翌日の新聞の第一面にはドーンと大量虐殺事件の記事が掲載されるのだ。このシリーズにおける最高のプレイとされてきた"サイレントアサシン"を果たせば,翌日の新聞には「○○氏が謎の死を遂げる」などと,片隅に小さな記事として掲載されることになる。暗殺者としては,これこそ理想的な仕事っぷりだろう。 さらに,今回は"目撃者"の要素も盛り込まれる。主人公が殺しの現場を第三者に目撃された場合,この目撃者も一緒に消さないと,面倒なことになってしまうのだ。うっかり目撃者を取り逃がしたりすると,最悪の場合コードネーム47の存在が翌日の新聞で知れ渡ってしまう,なんてことも起こりうる。そうなると,次のミッションで「あいつは先日の殺人事件の犯人じゃないか?」などとNPCに疑われ,任務の遂行が困難になってしまうというわけである。 ここで先述のマネーシステムがものをいい,新聞記者に賄賂を送ることで,記事内容をごまかしてもらうなどの対策がとれるらしい。
細かなアクションも大幅に増え,たとえば銃を持った手を背中に隠しながら歩いたり,ベランダに立つ人物を背後から突き落として自殺に見せかけたり,NPCを羽交い締めにして人質に取り,警官に発砲をためらわせたり盾にしたりも可能になっている。ほかにも多くの新アクションが用意されていそうだ。
動いているところを見せてもらった感じでは,シリーズを通しての華である"サイレントアサシン"を理想のプレイとするのは同じだが,まったく逆の大量虐殺方面でさまざまな面白さを追求できるよう,つまり"お遊び"方面に幅広い選択肢を持たせるようデザインされているように思えた。ミッション遂行における自由度がウリの本作だが,その自由度がさらに広がっているのはほぼ間違いなさそう。 殺しをうっかり民間人に見られ,始末しようと追いかけているうちにあれよあれよという間に目撃者が増え,罪なき人々を結局は皆殺しにしてしまい,新聞記者に賄賂を送る……。そっち方面を極めれば極めるほど,これまで気高い孤高の存在であったコードネーム47を,なんというか器の小さな小悪党に……というと言葉が悪いが,そんなカッコよくない遊び方に,妙に惹かれてしまわないだろうか?
海外での発売は,2005年秋の予定。ヒットマンシリーズは日本のゲーマーにたいへん好評らしく,熱いファンレターを多数いただいてアイドスの高橋氏は目頭が熱くなったという。Hitman:Blood Moneyの日本語版が発売される可能性は,かなり高そうだ。(Kawamura)
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Hitman: Blood Money |
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