元KESPI代表取締役・澤氏の新たな冒険の始まり ハイファイブ・エンターテインメント,設立記者発表会を開催
今回の発表会は東京・六本木のTATOU TOKYOで行われた。メディア関係者だけでなく,今後ライバル(?)となる多くのパブリッシャ関係者も出席し,ハイファイブに対する注目度の高さがうかがえた
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本日3月30日,東京・六本木のTATOU TOKYOで,ハイファイブ・エンターテインメントの設立記者発表会が開催された。
ハイファイブの代表取締役の澤紫臣氏は,4人の女性ダンサーに囲まれながら,マスクを付けた黒装束姿で壇上に現れるというパフォーマンスを披露。KESPI時代に「塩肉」(Sionic)の愛称で親しまれてきた澤氏ならではの,サービス精神旺盛な登場シーンであった。 「5才の頃からPCに興味を持っていた,ゲーム脳の第一世代」であると自らを称し,会場の空気を和ませた澤氏。まずは,ハイファイブ・エンターテインメントの概要を説明してくれた。 曰く,同社は企業としての利益追求だけでなく,オンライン時代におけるエンターテインメントの旗手として,「オンラインエンターテインメント文化の創生」および「オンラインエンターテインメントによる社会貢献」を実現していくという。同時に2006年度のスローガンが「標〜SHI RU BE〜」であるとも語り,他社から目標とされる企業となる「業界の標」,仕事のスタイルを顧客へ伝わるようにする「人の標」,企業としての目標,自分の目標を達成する「自分の標」の3点を明らかにした。 澤氏の言葉からは,「オンラインエンターテインメントのイメージアップ」に対する使命感や,業界の発展に寄与したいという信念が感じられ,実に気持ちのいいスピーチであったように思える。
写真上段:ブライトキングダム オンラインのキャラクターに扮した女性ダンサー達に囲まれた,不気味な黒装束姿。その怪人こそが,ハイファイブの代表取締役・澤紫臣氏だった。常にエンターテインメントを忘れない澤氏らしく,なんとも粋な登場シーンである 写真下段:澤氏が最初に語ったのは,ハイファイブという企業の概要について。時折ユーモアを交えつつ,オンラインゲーム業界に対する想いを披露した
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初年度となる2006年から数年後までの事業計画。創立メンバーが5人の企業としては,かなり大胆な展開といえるが,協力企業の顔ぶれや澤氏の行動力を考えると,十分実現可能なものに思えてくる
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次に語られたのは,ハイファイブの事業モデルについて。澤氏によると,同社の初年度(2006年度)は,オンラインゲームの運営/受託開発開始がキーワードだという。具体的には,「ブライトキングダム オンライン」「アリアスストーリー」「WSW」(中国名: 三国鼎立)の3タイトルの運営を通じ,プロモーション重視の展開やポイント課金システムの整備,チェックアップ/ブラッシュアップ期間の有効活用をしていく。それと並行し,韓国の技術力,中国の人材力,国内デベロッパの企画力を融合させ,受託開発もスタートさせるというわけである。 次年度以降に関しては,初年度のキーワードに加え,独自ゲームの開発/運営や,アジア圏への営業進出など,よりスケールの大きな計画が語られた。 そしてその後は,それまでの事業で得たさまざまな力をもとに,オンラインエンターテインメントの多分野進出(Game based Contents Community)を目指すという。 澤氏を含む5人の創設メンバーによって設立されたハイファイブは,日本/韓国/中国という「三つのゲーム的強み」と,ゲーム運営,独自開発・販売,受託開発・運営代行,受託開発という「四つの事業スタイル」でもって,オンラインゲーム業界のさらなる発展に貢献していくようだ。
初年度のハイファイブが日本展開を予定している3タイトル。左列がブライトキングダム オンライン,中央列がアリアスストーリー,右列がWSWだ。各タイトルの詳細については,近日中に別記事として紹介する
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発表会の終盤で,ハイファイブとYAMASAとのオンラインゲームコンテンツにおける業務提携が発表された。スロットマシンやスロット関連ゲームで有名なYAMASAとの提携により,どのようなプロダクトが生み出されるのだろうか
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ハイファイブの事業展開において大きな力となる,国内外の協力企業の紹介/挨拶も行われた。まず紹介されたのは,ブライトキングダム オンラインのデベロッパ,アラゴン・ネットワークスのパク ジュンソ代表理事/CEOである。パク氏は「韓国では毎月のようにMMORPGがリリースされ,マーケティングの範囲が狭くなってきています。アラゴン・ネットワークスの開発力と,ハイファイブのマーケティング力が融合すれば,私達はきっと一位になれると信じています」と,ハイファイブとの提携がアラゴンにとって非常に有益であることをアピールした。 次に紹介されたのは,中国政府によるベンチャータウンのゲーム部門幹事企業,北京光宇維思科技有限責任公司のオ ドンソク総経理/CEO。オ氏は日本語でのスピーチをこなし,「ハイファイブは株主でもあり,開発パートナーでもあります。今日の発表会は,ハイファイブの成功への始めの一歩となるでしょう」と語った。同社はゲームアカデミーに関連し,多くの人材を育成している。あの「DEKARON」のデベロッパであるゲームハイを輩出した実績もあり,その実力は折り紙付きである。同社のアリアスストーリー/WSWの完成度にも,期待が持てそうだ。 日本国内の協力企業であるスカラベスタジオも紹介された。同社は,「トロと休日」「スターフォックス アサルト」といったコンシューマ向けゲームの開発や,教育分野,携帯コンテンツ,キャラクターデザイン,出版分野など,幅広い活躍で知られている。詳細は後ほどお伝えするが,ハイファイブと共同で「ファンタジースペースサーカス」というオンラインゲームを開発中だという。さまざまな引き出しを備える開発会社だけに,今後の協力体制が実に楽しみだ(エデュケイション/シリアスゲームのリリースもあり得るか?)。
また,発表会の終盤で,唐突にYAMASAとの「オンラインゲームコンテンツにおける業務提携」も発表された。YAMASAといえば,スロットマシンで有名なパチスロ業界の老舗であり,コンシューマ用ゲームや携帯コンテンツでも多くの作品をリリースしている。具体的な共同プロジェクトについては何も語られなかったが,この業務提携がどのような展開に結びつくのか,非常に興味深いところだ。
左から,アラゴン・ネットワークスのパク ジュンソ代表理事CEO,北京光宇維思科技有限責任公司のオ ドンソク総経理CEO,スカラベスタジオの有元佐康代表。実にパワフルな協力企業達である
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なお発表会では,澤氏による各種作品紹介や,開発ツールの解説なども行われたのだが,そちらに関してはかなりの情報量があるので,別記事での紹介とさせてほしい。 また,これは余談に属する話題かもしれないが,先日澤氏から,「発表会で紹介する協力企業以外にも,今後の協力が予定されている企業があります。さすがにまだ発表できる段階ではないのですが,もしかしたら,発表会に届けられた花輪にヒントがあるかもしれませんね」という話を聞いた。本稿の最後に,その「ヒント」を(すべてではないが)掲載したので,ハイファイブの今後の動向に興味がある人は,ぜひチェックしてみてほしい。(大路政志)
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ブライトキングダム オンライン |
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