ハイファイブ設立記者発表会で明らかになった「ブライトキングダム オンライン」の姿
右が,開発元アラゴン・ネットワークスのパク ジュンソ代表理事CEO。左は,ハイファイブ・エンターテインメントの澤紫臣代表取締役だ
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3月30日に行われた,ハイファイブ・エンターテインメント設立記者発表会では,同社の企業概要や事業モデル,協力企業などが紹介されるとともに,2006年度に展開予定のMMORPG3タイトルが発表された。本稿では,その中で最も早いタイミングでのリリースが決定している「ブライトキングダム オンライン」について,詳しく解説していこう。
■ラーメンでいうなら“全部乗せ”に相当するMMORPG すでにご存じの人も多いだろうが,ブライトキングダム オンラインは,韓国のアラゴン・ネットワークスが開発中のMMORPGだ。韓国ではつい先日からクローズドβテストが実施されており,日本では4月10日からチェックアップ(いわゆるクローズドβテスト)が実施される予定となっている。 発表会の中で,ハイファイブの代表取締役・澤紫臣氏は,同作の特徴を「オンラインゲーム初心者にはコミュニティを,ベテランプレイヤーには各種システムの楽しみを提供」できることだと語り,「ラーメンでいうなら“全部乗せ”」に相当するタイトルだと紹介していた。各種仕様についての詳細は後述するが,どちらかというとライトな印象を受ける作品でありながら,ありとあらゆるコンテンツが導入された(または導入されていく)MMORPGに仕上がりそうだ。 また澤氏は,カートゥーンマッピングがもたらす独特の質感にも触れており,「テクスチャをカートゥーン加工したのち,3Dモデルに貼り付けることで,各種グラフィックスの質感が,従来のカートゥーンレンダリングより向上している」ことをアピールしていた。 スクリーンショットを見てみると,カートゥーンレンダリング調のグラフィックスの割には,立体感や質感がうまく表現されているように思えるが,いかがだろうか。
■オーソドックスな各種仕様の中には,隠し味がチラホラ MMORPGではお馴染みのさまざまな仕様が,過不足なく盛り込まれているというブライトキングダム オンラインだが,具体的にはどのような仕様が導入されているのだろうか。発表会の中で紹介された特徴的な要素は,次の6点だ。
・武器のアップグレード ・ミニハウス ・キングダムクエスト ・スキル ・採集 ・タイトル&ニックネーム
まず「武器のアップグレード」について。本作では,プレイヤーが任意で武器を強化でき,その威力やグラフィックスを変化させられる。具体的な強化方法は不明だが,武器とその強化用アイテムを用い,ルーレット方式のミニゲームにチャレンジすることになるようだ。ミニゲームに成功し,無事強化された武器は,強化段階や付与属性に応じたエフェクトをまとい,より強力な武器となる。 また,本作では武器だけでなく,防具の強化も可能。防具強化に成功すれば,武器と同様さまざまなエフェクトが付与されるようで,発表会で披露されたムービーの中では,盾に羽根のようなエフェクトがついているシーンを確認できた。
「ミニハウス」は,MMORPGでいうハウジングシステムに近い仕様だ。ミニハウスの入手条件などは明らかにされていないが,まるで「テントを設営する」ような感覚で,キノコの形をした可愛らしい家を呼び出せる。 ミニハウスには,HPやMPを回復するための休憩機能や,ほかのプレイヤーキャラクターにアイテムを販売する「商店機能」も備わっているらしい。将来的には友達を招き入れ,チャットルームとしての利用も可能になり,家具や調度品なども設置できるようになるという。ゲーム内のコミュニティの発展には欠かせない仕様といえるだろう。 「キングダムクエスト」は,「予約制のクエストシステム」だと説明されていた。特定のクエストに,都合のいい開始時間を予約することで,まとまった時間の取りにくい人でも,気軽にクエスト/パーティプレイが楽しめるというわけだ。
スキルに関しては,ファイター,アーチャー,クレリック,メイジという4種の基本クラスに,それぞれ特徴的なものが用意される。本作の基本操作は,多くの韓国産MMORPGに見られるクリックタイプ(マウスクリックによる移動や,ショートカットキーでのアイテム/スキル使用)なので,MMORPGに触れたことのある人なら,スキルを駆使した戦闘も簡単にこなせるだろう。 ただし,各種スキルは,「威力を伸ばしたい」「消費MPを抑えたい」など,プレイヤーの望むように成長させられるという。仮に同レベル,同クラスのプレイヤーキャラクターがいても,スキルの効果は人それぞれ,ということになりそうだ。 採集システムは,「戦闘ばかりのMMORPGではすぐに飽きてしまう」という人には嬉しい仕様といえるだろう。本作での採集は,例えば鉱物を入手したいならツルハシを使う,といったように,クラスに関係なく楽しめる。しかも,採集結果はミニゲームの結果によって左右されるようで,気が抜けない。採集可能なアイテムがどのようなものか(対となる生産システムはあるのか?)は不明だが,なかなか楽しめる仕様になりそうだ。 最後にタイトル&ニックネームについて。タイトルとは,武器に付与する「銘」のようなもので,プレイヤー自らが設定できるという。ただし,例えば「オーガスレイヤー」というタイトルを付けるには,実際にオーガというモンスターをある程度退治しなければならないなど,ユニークな条件が設定されるようだ。 ニックネームは,プレイヤーのあだ名のようなもので,こちらに関しては比較的自由に設定できるらしい。
■「日本語化ではなく日本化」するハイファイブの挑戦 ハイファイブによるブライトキングダム オンラインのローカライズは,実に徹底している。 NPCグラフィックスを日本向けに描き直していることは,以前4Gamerでも紹介したが,それ以外にも,ポスターや販売促進用のイラストなども,新たに描き起こす予定だという(日本語版のキャラクターデザインは韓国でも好評で,すでに逆輸入されているらしい)。また,テクスチャや3Dモデルに関しても,可能な限り変更していくという,かなり大がかりな作業も計画されている。 今後のマルチメディア展開を想定し,ストーリーや背景設定に深みを付与する作業も進行中だという。韓国産MMORPGの「ストーリー/設定面の弱さ」は,現在多くの関係者が指摘するところだが,澤氏はその問題点に積極的にメスを入れ,「プレイヤーの疑問に世界観で答えたい」と語っていた。確かに,MMORPGをプレイしていて,「なんでこんな土地にこんなモンスターが棲息しているんだろう」「生活感のない街だなぁ」などという疑問/落胆を抱くことは,よくあることだ。そしてその時点で,プレイヤーは醒めてしまい,結果ゲームへの没入度が浅くなってしまう。 世界観の深みが増せば,MMORPGはもっともっと面白くなるだろう。この点に関しても,ハイファイブとアラゴン・ネットワークスの熱意と,強固な協力体制に期待したいところだ。
■4月10日21時,チェックアップ期間がスタート さて,発表会で得た情報をもとに,ブライトキングダム オンラインの情報をまとめてみたわけだが,いかがだっただろうか。とくにMMORPGに明るい人にとっては,特別新鮮味のあるタイトルに映らなかったかもしれないが,それでも,「過不足のない,長く遊べそうな秀作」だという雰囲気は,伝わったかと思う。ハイファイブが本作を処女作に選んだ理由も,おそらくそのへんにあるのだろう。 なお,本作のチェックアップは,4月10日21時にスタートする予定。開始日が近づいてくれば,チェックアッパー(正式名称は発表されてないが,「チェックアップなんだから,やっぱりチェックアッパーなんですかね?」と澤氏が語っていた)募集の告知もあるだろう。興味のある人は,ちょくちょく公式サイトや4Gamerをチェックしておこう。 また,その後のスケジュールに関してだが,4月末に,オープンβテストに相当するブラッシュアップが予定されている。ブラッシュアップ期間の前後には,ミニハウスの機能拡張やサバイバルアリーナ(ランキング対応のPvPシステム),ペットシステム,ミニゲーム,ギルド育成システム,ビンゴエンブレムといった要素の実装が計画されている。やや気の早い話かもしれないが,そちらにもぜひ注目しておいてほしい。(大路政志)
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ブライトキングダム オンライン |
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