MSIは,2007年3月15日に独ハノーバー市で開幕した「CeBIT 2007 Hannover」において,NVIDIAの未発表DirectX 10グラフィックスチップ搭載カード2製品を公開した。MSIはその詳細について公言を控えているが,ほかのグラフィックスカードベンダー関係者によれば,これらは開発コード名「G84」および「G86」をベースとした製品だろうとのことだ。
G84は80nmプロセス技術を採用し,「GeForce 8600」シリーズとして市場投入される予定の製品。NVIDIAは同製品を「GeForce 7900/7950」シリーズの後継製品として位置付けているとされ,そのパフォーマンスは,クラス最上位となる「GeForce 8600 GTS」で,これまた未発表の上位モデル「GeForce 8800 GS」に匹敵すると言われている。
G84搭載とされるグラフィックスカード2モデル。今回展示されていたのはいずれもGeForce 8600 GTSの下位に当たる「GeForce 8600 GT」搭載カード(右側はクロックアップモデル)のようだ
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一方,G86は80nmプロセスを採用し,「GeForce 8400」または「GeForce 8500」として市場投入される見通し。パフォーマンスは「『GeForce 7600』と『GeForce 7300』の間」とされ,メインストリーム市場向けのDirectX 10チップとなる見込みだ。
一説にはシェーダモデル3.0世代とされる,G86搭載のHDMI対応グラフィックスカード。「GeForce 8500」搭載モデルと思われる
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ところで,MSIのブースでは,カードの説明で「DirectX 10 Ready」と「DirectX 10」を厳密に分けている節がある。実際,「DirectX 10 Ready」を謳う製品では,プログラマブルシェーダ(Shader Model)のバージョンが明記されていないのに対し,「DirectX 10」を謳う製品のスペックには「Shader Model 4.0」と書かれていたりする。 同社の関係者は,この件についてもコメントを控えており,G84とG86の詳細なスペックについては,取材を通して確認していく必要がありそうだ。(ライター:本間 文)
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