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【PR】Pro IGZOディスプレイとハイエンドSoCで進化した「AQUOS R3」。長時間のゲームプレイでも快適さをキープする秘密に迫る
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印刷2019/08/31 12:00

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【PR】Pro IGZOディスプレイとハイエンドSoCで進化した「AQUOS R3」。長時間のゲームプレイでも快適さをキープする秘密に迫る

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 シャープが手がけるAndroidスマートフォンAQUOS Rシリーズの3世代めとなる「AQUOS R3」が,2019年夏モデルとして登場した。

AQUOS R3
メーカー:シャープ
問い合わせ先:携帯電話AQUOS サポート
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 AQUOSブランドスマートフォンのイメージを一新した2017年登場の初代「AQUOS R」。さらなる高性能化に加えて,写真用と動画用で2つのアウトカメラを備えた2018年登場の2代め「AQUOS R2」といった具合に,代を重ねるにしたがって,AQUOS Rシリーズは完成度を高めてきたと言えよう。
 また,2018年後半にシャープは,AQUOS Rシリーズとは異なるコンセプトをもとに,シャープ初の有機ELパネル採用端末にして,約146gという軽さを実現した「AQUOS zero」といった製品も世に送り出してきた。

 そうした実績を積み重ねたうえで登場したAQUOS R3は,従来の製品から何を受け継ぎ,何を変えてきたのだろうか。搭載SoC(System-on-a-Chip)としてハイエンド端末向けの「Snapdragon 855」を採用し,メインメモリ容量やストレージ容量を拡大するといった分かりやすいスペックの進化はもちろんだが,そうしたスペックを引き出しつつ,快適な使い心地を実現するためにはいくつもの工夫が必要だろう。
 本稿では,シャープ開発陣への取材を通じて,AQUOS R3を実現したキーポイントを明らかにしてみたい。

AQUOS R3のカラーバリエーションは5色展開。左からピンクアメジスト,エレガントグリーン,ラグジュアリーレッド,プレミアムブラック,プラチナホワイト。なお,販売元によって取り扱うカラーは異なる
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シャープのAQUOS R3スペシャルサイト



上下にノッチを備えたダブルノッチデザイン

前面指紋認証センサーはホームボタンにもなる


 まずはAQUOS R3の概要を,外観から見ていこう。
 AQUOS R3は,AQUOS R2よりもやや大きめの,6.2インチサイズで解像度1440×3120ドットのPro IGZOディスプレイを備える端末だ。正面から見た外観上のポイントは,ディスプレイ上部にある小さめの,ディスプレイ下側に大きめのノッチ(切り欠け)を備えた「ダブルノッチ」デザインで,これは2019年1月に登場した「AQUOS R2 Compact」で初めて採用となったものである。

前面(左):6.2インチサイズのPro IGZOディスプレイの上下にノッチ部分がある。液晶パネルを囲むベゼルが黒色なので,前面全体がディスプレイのような印象なのが見た目のポイントでもある。
背面(右):背面左上にデュアルレンズ式のカメラとLEDフラッシュを備える。FeliCaのアンテナのマークは,背面中心線上,カメラユニット下端の右側にあるので,中央にアンテナがある端末よりもリーダーライターにかざしやすい
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 前世代のAQUOS R2が,公称本体サイズ74(W)×156(D)×9(H)mmのボディに6インチサイズの液晶パネルを搭載していたのに対して,AQUOS R3は74(W)×156(D)×8.9(H)mmと,ほぼ同じサイズのボディに,わずか0.2インチとはいえ大きめの液晶パネルを搭載しているわけだ。
 新旧2機種を並べてみると,AQUOS R3における液晶パネルは,数字から受ける印象以上に大きく見える。下側のベゼルが大幅に小さくなった効果であろう。

左がAQUOS R3で,右はAQUOS R2。本体のサイズはほぼ同じだが,AQUOS R3の液晶パネルは一回り大きい
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 前面をじっくり見てみよう。AQUOS R3の液晶パネル上側にあるインカメラのユニットは,AQUOS R2のそれよりも若干小さくなっているという。写真を拡大して見ると,上側のベゼルもやや細くなっているようだ。

左はAQUOS R3,右はAQUOS R2のインカメラ周辺を拡大した写真だ。筐体の幅は同じなので,AQUOS R3のカメラユニット部分が少し小さいことが見てとれる。写真を拡大して見ると,AQUOS R3はインカメラ上側のベゼル部分が,カメラの形状に合わせて軽く湾曲していることも分かるだろう
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指紋認証センサーはホームボタン代わりになる。ゲームプレイ中は無効化することも可能だ
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 一方,ベゼル下側にあるボタン状のものは,指紋認証センサーである。今どきのスマートフォンでは,指紋認証センサーを背面に設置して画面の専有面積を広げている製品が多いが,AQUOS R3では使い勝手を考慮して,前面下部の指紋認証センサーを維持することとしたわけだ。
 加えて,指紋認証センサーは,設定によってホームボタン代わりに使ったり,左右になぞることで「戻る」ボタンや「履歴」ボタンの機能を果たす。歴代AQUOS Rシリーズ同様の機能だが,最近では少なくなった物理ホームボタンを好む人には嬉しいポイントだろう。

 ちなみに,インカメラのノッチは,液晶パネルを丸く削るようにして設けているが,指紋認証センサーは液晶パネルを削るのではなく,その上に載せる構造になっているそうだ。

 パッと見では気づきにくいが,AQUOS R3における側面の形状も,AQUOS R2から変更が加えられた部分である。初代のAQUOS Rから,本シリーズはテーブルの上に置いた端末を手に持つときに指がかかりやすいように,左右側面のエッジを立たせた形状を採用している。この点はAQUOS R3でも同様だ。それに加えてAQUOS R3では,従来はエッジを頂点として緩やかなカーブを描いていた側面形状を改めて,カーブというよりもエッジを頂点にした山型に近い形に変えてきた。これによって,従来よりもさらに指がかかりやすくなったのだ。
 なお,AQUOS R2は左右側面の中央部分がわずかに湾曲した形状としていたが,AQUOS R3は左右端まで一直線の形状になっている。

AQUOS R3(左)とAQUOS R2(右)の側面エッジを目立たせた比較写真。側面の色が変わって見える境界がエッジ部分である。ちなみに,AQUOS R2では液晶パネルの周囲を樹脂製のパーツが額縁のように取り囲んでいたが,AQUOS R3では額縁部分までガラスパネルに覆われるようになった。この写真でもその違いが見てとれる
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左側面:SIMカード用のトレイがあるだけだ
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右側面:こちら側にはボタン類が並ぶ。中央やや左に見えるのはGoogleのエージェントサービス「Googleアシスタント」を起動する専用ボタンで,その右側には[電源/スリープ]ボタン,音量調整ボタンとなっている。写真が傾いて見えるのは,アウトカメラ部分が突出しているためだ
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上側面(左):左からサブマイク孔,4極3.5mmミニピンのヘッドセット端子の並び。AQUOS zeroはヘッドセット端子を省略していたが,AQUOS R3では残ったわけだ。
下側面(右):こちらにはUSB Type-Cポートとマイク孔,スピーカーがある
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 前面や側面に比べると,AQUOS R3の背面は,AQUOS R2と大きくは変わっておらず,よく似ている。先述したとおり,AQUOS R2は側面の中央部分が湾曲していたため,背面パネルはやや横に膨らんだような形に見えるが,AQUOS R3は側面が一直線なので,ごく普通の四角い背面パネルとなっているのが違いといったところか。

AQUOS R3(左)とAQUOS R2(右)の背面を並べて。パッと見ではほぼ同じに見えるが,AQUOS R2は中央がやや横に膨らんでいるように見える
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AQUOS R3のアウトカメラユニット。写真左側のレンズが動画用,下側が静止画用となっている
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 背面のアウトカメラ部分は,AQUOS R2で採用となった動画用と静止画用のカメラを組み合わせたデュアルレンズ式カメラを継承したものだ。画素数やレンズのスペックがあまり変わっていないので進化していないのかと思うかもしれないが,実際は細かく変わっている。

 たとえば動画用カメラの場合,フルHD(1920×1080ドット)解像度での撮影時には,4つの画素を1つの画素として扱うことで,感度や明るさを優先した撮影を行い,4K(3840×2160ドット)解像度での撮影では,センサー側の信号処理を変えて,画素を1つずつ使った解像度優先の撮影を行うといった処理を行うという。加えて,HDR動画の撮影も可能であるとのことだ。

動画用カメラは,解像度に応じて画素の組み合わせを変えて撮影する機能を持つ。これにより,フルHD解像度では明るくノイズも少ない映像を録画できるという
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 また,後段でも触れるが,動画撮影では新しい独自機能「AIライブストーリー」といった新要素を盛り込んでいるのも見どころである。単純なスペックの進化ではなく,使い勝手における改善を目指したのがAQUOS R3のカメラ機能と言えよう。

 AQUOS R3の主なスペックをにまとめておこう。

表 AQUOS R3(NTTドコモモデル)の主なスペック
メーカー シャープ
OS Android 9.0(Pie)
ディスプレイパネル 6.2インチPro IGZOディスプレイ,解像度1440×3120ドット,アスペクト比 9:19.5,最大リフレッシュレート120Hz,HDR対応
プロセッサ Qualcomm製「Snapdragon 855」
・CPUコア:Kryo 485(最大2.84GHz)×1+Kryo 485(最大2.4GHz)×3+Kryo 485(最大1.7GHz)×4
・GPUコア:Adreno 640
・モデム:Snapdragon X24 LTE
メインメモリ容量 6GB
ストレージ 128GB+microSD(最大容量512GB)
アウトカメラ 2眼式,静止画用:約1220万画素,F1.7,画角約78度(35mm換算26mm相当),光学式手ぶれ補正
動画用:約2010万画素,F2.4,画角約125度(35mm換算18mm相当),電子式手ぶれ補正
インカメラ 約1630万画素,F2.0,画角約80度(35mm換算25mm相当)
対応LTEバンド FDD LTE Band 1/3/5/12/17/19/21/28
TDD LTE Band 39/42
対応3Gバンド WCDMA Band 1/5/6/19
無線LAN対応 IEEE 802.11ac
Bluetooth対応 5.0
待受時間 約520時間(LTE時)
連続通話時間 約1630分(VoLTE(HD+)時)
バッテリー容量 3200mAh
USBポート USB 3.1 Gen.1 Type-C
公称本体サイズ 74(W)×156(D)×8.9〜10.4(H)mm
公称本体重量 約185g
本体カラー プレミアムブラック,プラチナホワイト,エレガントグリーン,ピンクアメジスト,ラグジュアリーレッド


120Hz表示と明るさが向上したPro IGZOディスプレイ


 AQUOS R3の概要を理解してもらったうえで,シャープ開発陣に本製品の開発意図や見どころについて聞いてみたい。今回は,ハードウェア開発を主導したシステム開発部 課長の田邊弘樹氏と商品企画を担当した商品企画部 主任の伏見 聡氏氏に話を聞いた。

 AQUOS R3のハードウェア的な特徴といえば,Pro IGZOディスプレイを使ったディスプレイと,Snapdragon 855の採用の2点であろう。まずはPro IGZOディスプレイから見ていきたい。

Pro IGZOディスプレイの主な特徴を示したスライド
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 Pro IGZOディスプレイとは,シャープ製の「第5世代IGZO液晶」を使ったディスプレイパネルの名称だ。第5世代IGZO液晶は,前世代と比べて液晶パネルの駆動性能に関わる電子移動度が約1.5倍となったのが特徴の1つである。これこそが,AQUOS R3において,液晶パネルの120Hz駆動「なめらかハイスピード表示」を実現する鍵である。
 実際,AQUOS R2が採用した第3世代のIGZO液晶では,6インチサイズで解像度1440×3040ドット,画面のリフレッシュレートは最大100Hzであった。サイズと解像度,120Hz駆動を両立するほどの能力が,当時のIGZO液晶の採用液晶パネルになかったわけだ。それに対して,第5世代IGZO液晶で駆動性能が向上したことによって,AQUOS R3のPro IGZOディスプレイは,前機種よりもやや大きめのサイズと解像度でありながら,120Hz駆動を実現できたのである。

 リフレッシュレートの向上に加えて,AQUOS R3では液晶パネルの輝度も向上しているという。具体的な数値は未公表であるが,AQUOS R2と比べて最大輝度は2倍に向上したそうだ。スマートフォンの照度センサーを使った簡易な計測で調べてみたところ,画面の明るさを最大にして白1色の画像を表示した状態で,AQUOS R2の画面は約330ルクス程度だったのに対して,AQUOS R3は約410ルクスもあり,明るさが大きく違うことを確認できた。
 また,単に明るいだけでなく,たとえば外光の強い屋外でも画面が見やすくなるように,表示する画像を解析して周囲の明るさに応じたコントラスト補正を行う「アウトドアビュー」といった機能も備えるという。実際,シャープで試したところ,「Pokémon GO」でも効果を確認できたとのこと。屋外でプレイする位置情報ゲームのファンには,嬉しい特徴かもしれない。

アウトドアビューの仕組みを説明したスライド。輝度を上げるだけではつぶれてしまうような画像も,画像解析の結果に応じてコントラスト補正をかけられる
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 ほかにも,液晶パネルに表示可能な色数は,AQUOS R2の約1677万色から約10億色へと大幅に増えている。輝度や色数は,ゲーム用途よりも動画アプリで役立つ要素ではあるが,アウトカメラのHDR動画撮影機能と組み合わせて,HDR動画をカジュアルに楽しめるスマートフォンとなるだろう。


 最近では,ハイエンドスマートフォンのディスプレイには有機ELパネルを採用する製品が多い。シャープも,2018年冬モデルとして投入したAQUOS zeroで,有機ELパネルを採用した実績がある。そうした流れによって,液晶パネルをディスプレイとして採用することにネガティブなイメージが付くことを,開発陣は懸念していたという。しかし,実際にAQUOS R3を発売してからは,液晶パネルに対する評価も高いとのことで,一安心したとのことだった。


放熱設計におけるポイントは,手が触れる部分の温度を下げること


 冒頭でも触れたとおり,AQUOS R3はハイエンドSoCであるSnapdragon 855を採用する端末だ。Snapdragon 855を搭載するスマートフォンは各社から登場しているが,SoCの性能を引き出しながら,熱で性能が低下したり,快適に扱えなくなったりしないような放熱設計と制御方法を実現するかは,メーカーによってポリシーやノウハウが異なるものだ。それでは,AQUOS R3ではどのような設計と制御方法を採用したのだろうか。

 AQUOS R2においてシャープの開発陣は,熱を素早く逃がせる高効率の放熱設計を実現した。詳しくは関連記事を参照してほしいが,簡単にまとめると,AQUOS R2における放熱設計のポイントは,ユーザーの体感温度にも配慮しながら,AQUOS R2が採用するSoC「Snapdragon 845」の性能を発揮させるために,端末前面と背面の両側から広く放熱することで,CPUやGPUの温度が上がりにくくした点にある。

こちらはAQUOS R2の内部パーツ。中央にあるのがアルミフレームだ
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 たとえば,AQUOS R2では,筐体外枠のシャシーと内部の金属板を一体化した切削加工のアルミフレームを採用して,シャシーと内部パーツを溶接でつないだ場合よりも放熱効率を上げたり,熱を拡散するグラファイト製放熱シートの配置を最適化したりといった工夫を凝らしていた。開発陣の間でも,AQUOS R2の放熱設計は満足のいくものだったようだ。
 一方,AQUOS zeroは,背面パネルにAQUOS R2とは異なる素材を用いて同じような放熱効率は実現できないため,発想を変えて熱を感じにくくする放熱設計を採用していた。

 では,AQUOS R2の進化形であるAQUOS R3の放熱設計はどう変わったのか。田邊氏ら開発陣が着目したのは,AQUOS R2は前面も背面も広く使って放熱する設計であるために,どこを持っても温かく感じてしまうという点だという。たとえば,長時間手に持って使っていると熱の逃げ場がないので,人によってはストレスに感じてしまうそうだ。

 そこで田邊氏らは,AQUOS R3の放熱設計に当たって,SoCの性能を引き出しながらCPUやGPUの熱を早く逃がすというAQUOS R2までの進化点は変えず,加えて「手に持ったところの温度が上がりにくい設計」(田邊氏)を目指したという。つまり,熱をどこに逃がすかの移動をコントロールして,手が触れる部分はなるべく熱くしないというのが,AQUOS R3の放熱設計におけるコンセプトであるそうだ。

AQUOS R3の内部パーツ。左から背面パネル,放熱シートやメイン基板が付いた状態の内部フレーム,内部フレーム単体。液晶パネルの裏面という並び
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写真左の内部フレームで,中央から上側を覆っている黒いものが放熱シートだ
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 熱の移動をコントロールする工夫は,AQUOS R3の分解モデルを見ると分かりやすい。たとえば,SoCからの熱を拡散するグラファイト製放熱シートは,筐体の中央から上側を覆っている。これは,スマートフォンを縦持ちで持つときには,筐体の下側を握ることが多いことを考慮して,手が触れない上側に熱を移動させているわけだ。

 実際にAQUOS R3とAQUOS R2で,3Dグラフィックスベンチマークアプリ「3DMark」を連続で1時間実行し続けた状態のボディ背面を,スマートフォン用赤外線カメラ「FLIR ONE Pro」で撮影してみた。すると,AQUOS R2は,背面全体に熱が広がっていた一方で,AQUOS R3は,横持ち時に手が触れる上下側面の温度が明らかに低くなっていたのだ。
 シャープでは,手に感じる温度が最大で5℃低いとアピールしていた。写真ではそこまで大きな差はなかったが,手が触れる部分の温度を下げる工夫は,うまく機能しているようである。

左はAQUOS R3,右はAQUOS R2の背面を撮影した熱画像。写真上側が筐体の左側面に当たる。AQUOS R3は上下側面の温度が比較的低いのに対して,AQUOS R2は均等に熱が広がっていることが見てとれる。どちらもアウトカメラの下側あたりが高温になっているので,横持ち時は筐体の右側面を上にして持つと,熱を感じにくいだろう
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 AQUOS R3における放熱設計で興味深いところは,筐体内で熱を伝えるアルミニウム合金製の金属板と組み合わせた樹脂製部品にもある。樹脂は金属よりも熱伝導率が低いため,金属の部品同士が接する場合よりも側面への熱移動が妨げられるので,手で触れる部分に熱が直接伝わりにくいというわけだ。
 あくまでも,筐体全体で放熱するという構造を維持しつつ,手で触れる部分の温度を下げたのが,AQUOS R3における放熱設計のポイントである。

AQUOS R3の内部フレームを拡大してみた。側面やあちこちにある黒い樹脂製部品が金属板に接しているのが分かる。これで熱の移動をコントロールする仕組みだ。なお,金属板と側面の金属部品は一体化しており,樹脂製部品を間に挟んでいるわけではないとのこと
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 ちょっと面白いのは,AQUOS R3が内蔵するワイヤレス充電技術「Qi」(チー)の充電機構にも,放熱効率を高める工夫が凝らされていることだ。AQUOS R3は,筐体背面側の中央にQiの充電用アンテナを埋め込んでいるのだが,このアンテナ部分にも熱伝導シートを貼り付けることによって,手が触れにくい中央部分へと熱を伝えている。
 また,背面パネルの内側に貼り付けられたクッション材もバッテリーやQiのアンテナ部分に触れているが,CPUのような熱源がある部分にはあえて触れさせない形状にすることで,背面パネルへの熱の移動を抑制しているという。こうした工夫の積み重ねが,AQUOS R3の放熱能力を支えているのだ。

AQUOS R3の背面パネルを取り外して,手に持ってみた(左)。中央に見えるのがQiのアンテナで,その内側に熱伝導シートが貼り付けられている。シートはカメラユニットのほうに伸びており,SoCやカメラから出た熱を筐体中央に運ぶ仕組みだ。右の写真は,背面パネルの内側と本体の背面側を並べたもの。背面パネル側に貼り付けられた黒いクッション材は,CPUなどの熱源には触れない形になっている
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前世代比で3DMarkは17〜67%の性能向上


 田邊氏は,AQUOS R3の表面温度が5℃下がった要因として,Snapdragon 855自体の素性の良さも理由の1つと述べている。AQUOS R3の発表時に,シャープは,Snapdragon 845との比較で,Snapdragon 855はCPU性能が最大30%,GPU性能は最大20%向上したと明らかにしている。
 そこで実際に,ベンチマークアプリの3DMarkと「AnTuTu Benchmark」を用いて,AQUOS R3とAQUOS R2の性能差がどの程度かを簡単に調べてみた。グラフ1〜3は,順に3DMarkの「Sling Shot Extreme - OpenGL 3.1」「Sling Shot Extreme Unlimited - OpenGL 3.1」「Sling Shot Extreme - Vulkan」によるテスト結果をまとめたものだが,AQUOS R3はAQUOS R2と比べて17〜67%程度も高いスコアを記録している。とくにCPU性能を見るPhysics scoreの差が大きい。

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 AnTuTu Benchmarkのテスト結果から,CPU,GPU,UX,MEMの4項目をまとめたものがグラフ4となる。メモリアクセス性能を測るMEMは約2.6%の差しかなかったものの,それ以外はAQUOS R3が24〜39%程度と大きく上回った。実ゲームにおける性能も期待できそうだ。

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 ただ田邊氏は,ピーク性能以上に重要なこととして,AQUOS R3では実際に端末を使う場合における消費電力当たりの性能が向上したことが重要であると強調していた。製造プロセスの進化――Snapdragon 845は10nmプロセス,Snapdragon 855は7nmプロセスを採用する――により消費電力と発熱が低くなったことで,CPUとGPU性能をより引き出せるようになったわけだ。

 ここまでは,Snapdragon 855を採用する端末であれば得られる基本的なメリットと言えよう。しかし,単に同SoCを使う以上に性能や電力効率を引き出すには,CPUコアの使い方に工夫を凝らす必要があったと田邊氏は述べる。

 Snapdragon 845は,最大動作クロックが高い性能重視の「ゴールド」CPUコアが4基と,最大動作クロックは低く抑える代わりに消費電力を低減した「シルバー」CPUコアが4基で計8コアのCPUを構成していた。この基本的な構造は,Snapdragon 855でも踏襲しているのだが,大きな違いはゴールド側のCPUコアのうち1基が,ほかの3基よりも高い最大動作クロックになっていることだ。
 田邊氏は,Snapdragon 845が高性能なSoCであることを評価しつつも,CPUコアの動作クロックをゴールド側の4基,あるいはシルバー側の4基という単位でしか制御できなかったため,性能や消費電力面では無駄もあったと振り返る。それに対してSnapdragon 855は,ゴールド側の1基――Qualcommはプレミアムコアと称している――だけを最大2.84GHzで駆動できるため,シングルタスクのプログラムであれば,1基だけを高速に動かすことで最大の電力効率を実現できるそうだ。
 また,ゴールドの3基とプレミアムの1基を別々の動作クロックで駆動できるので,異なる動作クロックで動く場面を多く作ったほうが電力効率を上げられると田邊氏は述べる。そうしたCPUコアの制御に関わるパラメータ設定は,端末メーカーの独自性が表れる部分であり,どのような場面でどうパラメータを設定すると適切な動きとなるのかを細かく検証していかなくてはならない。

パラメータの最適化により,ミリシタを連続プレイしてもAQUOS R3の表面温度を1℃低く保てるようになった
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 AQUOS zeroの解説記事では,シャープの開発陣に「ミリシタ担当」と呼ばれるスタッフがいて,同製品とAQUOS R2の体感性能に違いがないように検証すべく,開発中の端末で「アイドルマスター ミリオンライブ! シアターデイズ」(以下,ミリシタ)をひたすらプレイしまくっていたというエピソードを載せたところ,ずいぶんと話題になった。
 AQUOS R3においてもミリシタ担当は健在で,本作を含むいくつかのゲームを開発機で何度もプレイして,「こういうパラメータにしたら,消費電力はこうなり,温度の上がり具合はこうなる」(田邊氏)というデータを集めたという。そして,あるパラメータ設定にすると,ミリシタにおいて5曲連続でプレイしたときでも,端末表面の温度が1℃下がる設定が見つかったそうだ。
 こうしたSoCの調整を積み重ねることで,AQUOS R3のSoCを制御するパラメータを作り込んで最大で5℃という温度の低下を実現しているということだった。

 Snapdragon 855は,バッテリー駆動時間という点でもメリットが大きい。シャープは,AQUOS R3のバッテリー駆動時間は,前世代比で最大30%向上したと主張しているが,ここでもSnapdragon 855の高性能が役立っていると田邊氏は述べる。
 とくに効果があるのは,WebブラウザやTwitterクライアント,あるいはYouTubeといった比較的低負荷だが利用頻度は高く,使用時間も長いアプリであるという。それに加えて,先述したCPUコアごとの制御を組み合わせることで,トータルでのバッテリー駆動時間拡大を実現したそうだ。

 加えて田邊氏は,GPUコアである「Adreno 640」の性能向上も,ピーク性能だけでなくバッテリー駆動時間にもポジティブな影響をもたらしていると説明する。Snapdragon 845のGPUコア「Adreno 630」と比べて,同じ動作クロックであれば処理性能はかなり向上しているそうで,GPU主体でSoCを使うアプリ――3Dグラフィックスのゲームはその典型――で処理性能を重視した動作を行っても消費電力を明確にさがっているそうだ。
 このようなCPUやGPUの合わせ技によって,AQUOS R2と同等の処理性能であれば,AQUOS R3の消費電流は100mA近く減ったケースがあると,田邊氏は説明していた。これはバッテリー駆動時間に大きな違いをもたらすだろう。


ミリシタプレイヤーがAQUOS R3をチェック

13人ライブでも高画質で快適


 AQUOS R3におけるゲームの動作検証として,編集部のミリシタプレイヤーに実機でのプレイを試してもらったので,簡単に紹介しよう。

 開発陣が端末のテストや最適化に活用しているというだけあり,ミリシタの設定を「3D高画質」にしても,AQUOS R3では描画のもたつきや,タップやフリック,スライドの取りこぼしは発生しなかった。AQUOS R3の放熱設計による熱ダレのしにくさは,何度も連続してライブを行うプロデューサーにとってメリットとなるだろう。

2周年記念で実装された「Flyers!!!」13人ライブも,AQUOS R3なら3D高画質設定のまま快適にプレイできる
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横持ち時のアスペクト比が19.5:9という横長解像度であるが,スクリーンショットには額縁は生じず,ノッチ部分の裏側まで撮影できた
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 リズムゲームで重要なサウンド周りについても確認してみた。AQUOS R3はステレオスピーカーを搭載しているのに加えて,今やハイエンド端末では珍しくなってしまった4極3.5mmミニピンのヘッドセット端子も備えている。そのおかげで,電車での移動中や楽曲に集中しながらプレイしたいときも,AQUOS R3なら万全だ。

縦持ちとなるソロの2MIXモードでも,このように縦長のスクリーンショットが撮影できる
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 映像面では,Pro IGZOディスプレイによって,サービス開始2周年記念の新衣装「ルミエール・パピヨン」を着たアイドルたちをより鮮やかに,より明るい映像で見られるのは,プロデューサー諸氏にも喜ばしいことだろう。
 HDR表示や最大10億色の発色といった特徴は,ゲーム用途よりもビデオ配信用途向けではあるが,写真ではなかなか再現しにくい要素なので,気になる人は店頭のデモ機や,すでに本機を入手している友人知人の端末で確かめていただきたい。快適なプレイ環境と,明るさや発色にきっと驚くことだろう。

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ダイジェスト動画を作成する「AIライブストーリー」を実装


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 最後に,AQUOS R3のカメラ機能についても補足しておこう。

 AQUOS R3を企画,開発するにおいて,開発陣が重点を置いたのはカメラ関連の機能だ。
 SNSにおいて,写真や動画を使った「ビジュアルコミュニケーション」が拡大していることを踏まえて,AQUOS R2では写真用と動画用という2つのカメラを搭載した。発売後に,同製品を購入したユーザーの使用状況を調査したところ,「動画を撮影する機会が増えた」と回答した人が約38%と4割近くもいたそうで,その4割のうち,「撮影した動画をSNSなどでシェアする機会が増えた」と回答した人が約62%もいたと伏見氏は述べる。開発陣の意図どおり,AQUOS R2のカメラは,ビジュアルコミュニケーションを望むユーザーに響いたというところだろう。

 その実績を踏まえて,AQUOS R3で開発陣は,動画の撮影とシェアに重点を置くこととしたが,とくに注目したのは「人はなぜ録った動画を見ないのか?」という点であったという。スマートフォンで動画を録りはしても,録った動画はあまり見ないという人は少なくないだろう。録るときと見るときでは,期待感や体感時間――5分間の行動は短く感じるが,5分間のネット動画は長く感じる――の差があるためだろうと,伏見氏は指摘する。
 それを踏まえてAQUOS R3で導入されたのが,自動でダイジェストムービーを作る機能「AIライブストーリー」だ。AIライブストーリーは,動画を撮影すると見どころになる場面をAI処理で自動抽出し,ダイジェストムービーを作成する機能である。見どころをまとめた動画を簡単に作れるので,動画撮影とシェアを楽しみやすくなるという仕掛けだ。

 加えて,動画撮影中に静止画も自動撮影する「AIライブシャッター」という機能もあるので,動画から見栄えのいい写真を手動で切り出す手間も省けるというわけだ。


 無理矢理ゲームに絡めると,たとえばeスポーツイベントの様子をAIライブストーリーやAIライブシャッターで撮影すると,観客が盛り上がった瞬間をまとめるといった使い方ができるかもしれない。


高性能と快適さを維持するシリーズの良さが進化

スマホゲームを長時間プレイする人にお勧めしたい


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 長くなったがまとめに入ろう。
 AQUOS Rシリーズは,初代のAQUOS Rから,搭載SoCの高い性能を持続的に発揮させながら,快適さも維持するという点をコンセプトの中心にすえてきた。その軸は,AQUOS R3でもまったくぶれていないことが分かった。そのうえで,手で触れる部分の温度を下げた放熱設計の工夫を凝らしたことで,長時間のゲームプレイでも快適さを損なわない端末に仕上がっているのは,ゲーム用途でスマートフォンを使う時間が長いゲーマーにとっては,端末選びのときに重要なポイントとなるはずだ。

 2018年以降,ゲーマー向けに特化したスマートフォンが海外メーカーから登場している。ただ,それらは基本的に世界市場を前提とした製品であるため,国内向け端末では当たり前の機能,たとえばおサイフケータイや防水といった要素を備えておらず,スマートフォンを2台持つならともかく「1台でスマートフォンに求める要素はすべて賄いたい」というニーズにはマッチしない面があるのも実情だ。その点,AQUOS R3は国内メーカーであるシャープの端末だけに,そうした問題は一切ない。
 1台でゲームから日常的な用途まで,ゲーマーがスマートフォンに必要とする要素を余すところなく実現しながら,しかも高性能で快適に使えるAQUOS R3は,新しいスマートフォンに買い換えたいというゲーマーがまずチェックすべき端末と言えるのではないだろうか。

シャープのAQUOS R3スペシャルサイト



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